見出し画像

Floyd Dixonを旅して

フロイドディクソン Floyd Dixon、1929年2月8日 – 2006年7月26日
大体どこかで聴いたことがあるブルースシンガー・ピアニストだと思います。
ルイ・アームストロングかな?と思ったけどなんか違うな、と思ったらこの人を疑ってくださいw

古いアメリカ映画のレストランシーンやバーのシーンなどで、店のBGMとしてかかってたりする率が高いです。

今回は彼を通して彼の系譜を旅していきます(大袈裟)

スキップするようなリズム。会話も弾んで食事が楽しくなりそうでしょ?

(嫌な会話は食事も不味い)

チャックベリーによる踊れなきゃロックンロールじゃないと言われる時代のほんの少し前、その基礎を築いたジャンプブルース。その一翼を担った巨匠がfloyd dixonその人です。(年齢はチャックが二つ上。活動開始はFloydがかなり先)
ジャンプブルースがロックンロールの基礎と言われるのは、まず軽快なリズムとSwing、Shuffle、Boogie Woogieのミックスこそがジャンプブルースの醍醐味だからです。

高音の小刻みなピアノリフは鼻歌混じりのスキップのよう。その下を俗にいうウォーキングベースという大きなストライドでのし歩くような低音のピアノによるベースライン。最高でしょ?


(mono盤はmonoカートリッジ使って聴こうね)

実はこのHouston Jump収録のアルバム、アメリカでは低評価もあったりします。Floydの時代はSP盤全盛で、このVinylはリマスタリングです。
評価文を読むと、「せっかくVinyl盤なのに、SPの頃のサーフェスノイズがそのまま録音されてる!」って怒ってるんですけど、それ、デジタルリマスタリングじゃ無いと無理やんねw
ビートルズの名盤REVOLVERをリマスタリングした時、モノラルからステレオへの移行だったせいもあり、マジクソな出来上がりです(私が持っているのはそれw)
そのあと何度かデジタルエディションが発売されましたが、これは!という出来は2022ドイツ盤Dエディションだったかな(うろ覚え)。
とにかくビートルズでさえそれです。
Floyd DixonのVinylは、変にステレオにされなかっただけでも大満足です、私は。

そんなFloydが敬愛してやまず晩年も自身のライブで披露していたのがCharles Brownです。
この人のメロディはブルースに留まらず、邦楽、歌謡曲にも大きな影響を残したのでは無いかと思います。日本人の我々に聴き馴染み深いメロじゃ無いですか?

特に公表されてるわけではありませんが、CharlesはこのNat King Coleの影響が強かったのでは無いかとも言われています。(誰に?俺に。)NatはJazzとpopularで活躍した人ですが、トリオというバンド体制の他何より黒人差別が蔓延る当時のアメリカで、しっかりとTVに出れた偉業で、しかも黒人ホストの番組まで作り上げたことで偉大な人でした。しかし、白人企業の撤退などで、短期間で番組が潰れたことを「Madison avenueが番組を潰した」と名言で残しました。

(UFCファイターのIsrael Adesanyaに似てません?)


言わずと知れたLouis Armstrongはこの時代のミュージシャンに多大な影響を与えます。
前述のNatは音楽一家で、父親は牧師で母親は教会オルガニストでした。一方Louisはニューオーリンズでゴスペルやブルース畑から這い上がった人で、Natが子供頃にはすでに大活躍していた人です。
まぁLouis ArmstrongはNatというより実に多くのアーティストに影響を与えたのでなんか無理やり感がありそうですが。(広義として捉えてください@土下座)

ルイアームストロングの時代は他にBenny GoodmanなどのBigBand全盛の時代です。特に黒人音楽から派生したブルースやジャズ、スウィングなどは黒人やユダヤ人、あとはアイルランド系の移民達がやる音楽でもありました。(アイルランドにアイルランドで素晴らしい民族音楽があるのですがねぇ)

ニューオーリンズ出身のLouisは同じニューオーリンズ出身のBuddy Boldenへの尊敬を欠かすことはありませんでした。
別名爆音Buddy、またはKING BOLDENでした。
言わずと知れたJAZZの創始者であり、当時はアナログの演奏スタイルであるにも関わらず、1.4km先まで音が聞こえたという爆音の伝説を残しています。当時は録音技術がなく、Youtubeの音源はtributeです。

若くしてKingと称されたBuddyは伝説のFunky Buttを作った後に精神崩壊を起こし入院します。
当時は精神疾患への治療はなく、監禁、監視、電気ショックというほぼ拷問の中で死んでいきます。

(悪名高いロボトミー手術はまだ生まれていませんでした)

LouisがVocal面で影響を受けた、いやそれぞれ影響を与え合い、のちに*合作も出し当時初めてハリウッドに黒人が主要キャストとして出演する*快挙を作り上げた立役者がBing Crosbyです。
*Bing&Satchmo 1960
*Pennies From Heaven 1936

彼はLouisを『世界で最も偉大なシンガー』と称え、終生その友情は変わりませんでした。
そして現在でもニューオーリンズを代表する最も偉大なアーティストはほとんどがLouis Armstrongと人々は言うでしょう。


Louisにbingが居たように、Floyd DixonにはCharles Brownが居ました。
Floyd Dixonにとっての先輩であり、師匠であり友人でした。
共に音楽で繋がり、学び、教え、友人としてこの世を去ります。


(先人達が作り上げたエンターテイメントの世界を真っ黒に塗りつぶしたこいつは八つ裂きの刑でも軽い)

ブルージーとかいう言葉が嫌いなんですよ。ほんと。なんだよそれw
そんなもんより本物のブルース聴きましょ。

無料で公開させていただいております! それでも投げ銭してもいいかなと思って頂けたら幸いです!