マンガワールド④マンガの構造
はじめまして。こんにちは。
夏真っ盛りですが、雲がかるお天気続きの中、何やら暗黒ムード漂う世界のどうにもやるせない状況に、ポジティブ-ネガティブ半分ずつの気持ちを抱えつつ、それでも心を折らないように、珈琲やマンガや音楽や-に励まされつつ、カラッとした『マンガ』を構想中のGプレッソです。
さて、今回のマンガワールド④の記事におきましては、『マンガの構造』に関してライトに綴ってみたいと思います。
これまで「漫画を読むこと」+アルファとして「漫画のメイキング」関連書籍も程よく読んできた経緯もありますが、本記事では、専門的な考察は一旦忘れて、初心の心でゼロから「マンガ」を形作る要素に関してシンプルかつライトに整理して考えてみたいと思います。
逆から考えれば、以下の要素(もちろんポテンシャルとしてそれ以外にも数々の要素を組み込める無限性をマンガは内包していると思えます)を揃えれば、「マンガ」という表現は成立するのだとも思えます。
それでは、ご一読のほど、どうぞよろしくお願い致します。
目次
A マンガを構成する要素
B「マンガ」という言葉
インターミッション
この世界はマンガ?
C『絵』の中のマンガ
私的マンガ体験Bスポーツもの
次回予告
A マンガを構成する要素
さて、『花』は、花びらや茎や葉や種や根などから構成されていますが、『マンガ』は、一体どのような要素が集まって作られるのでしょうか?
まずは 思いついたまま順番に列挙していきたいと思います。
「マンガ」を構成する要素・条件①~⑩
①コマ ※WEBTOONやWEBマンガや地面や黒板などに描く場合は実線としては必須ではない(コマ概念は存在する)
②絵(モノクロ~カラーまで)
③キャラクター(あらゆるオブジェクトはキャラクター候補)
④アクション(仕草・動作・行為・行動)
⑤吹き出し・セリフ・キャプションなど
⑥マンガ符号 オノマトペ(擬音語-擬態語)表現 効果線
⑦物語(ストーリー)
⑧ページ
⑨表紙・表題(タイトル)
⑩作者-製作者-(共作・AIなど含め)
⑪作者の意思-マンガは自由-
以下、具体的に絵入りで説明してみますと-
※コマ・ページが見た目は無いとしても、
やはりページ概念は存在している(気がする)
どのような製作物であれ、当該作者が真剣に「これはマンガです!」
と提示するなら、それは『マンガ』となる。—と解釈します。
※とすると、究極的にはもはや「絵」でなくてもいいのかもしれません。
一通りザっとマンガの構成要素を並べて見ました。皆様にとって「マンガ」とは、どのような条件で成立するものでしょうか?
追加で思いついたら、更新して付け加えていこうと思います。
B「マンガ」という言葉
『マンガ』という言葉は、さまざまに使用される「概念形式」だと思いますが、実際にはどのような意味で使用されることがあるでしょうか。
ワタシがひとまずパッと思いつくのは以下のような感じです。
①「展開(場面・ストーリー)ありきの漫画」
②「絵(絵柄)が漫画的という意味でのマンガ」
③常ならむ状態を指し示す時に使用される言葉としての「まんが」
①は、最も一般的に使用される意味でのスタンダードなマンガ
②は、らくがきや似顔絵や一コマ漫画含め、描き味(タッチ)がマンガ的
③は、「まるでマンガのような展開」「マンガの主人公のような活躍」「これじゃマンガだよ・・・」etc現実を超えているような状況・様態に関して使用されるときのマンガ
こちらも+αを思いついたら追加していこうと思います。
インターミッション
この世界が「マンガ」である可能性はあるのか?
さて、日常を暮らしている中で、たまに↑のような疑問を抱いてしまうことがあります。
事実は小説より奇なり
アニメじゃない-アニメじゃない 本当のことさ-byガンダムZZop
MANGAは現実を先取る
エンタテインメントには色々と格言のような言葉がありますが、
日々突き当たる世界中の困難や激動の時代を過ごしている中で、ときどき
『世界』はまるで「マンガ」的亜空間に閉じ込められているのではないかーという感覚を覚えてしまいます。
わたしたち-世界丸ごと-はマンガの登場人物なのではないか?-という
あるあるな(?)あの感覚です。
果たして「世界」はSFなのか?マンガなのか?胡蝶の夢なのか?
『人類にその謎が解けなくても、答えは「一つ」しかない』とワタシも漠然と理解できますが、それでも、いずれにせよ、冷静・平静に、自身なりの『マンガ道』を探究していこうと思います。
C『絵』の中の「マンガ」
「絵画(タブロー)」「絵本」「挿絵」
「イラストレーション」「紙芝居」「らくがき」etcとの違い
さて、『絵』といわれるものには様々なものがありますが、「マンガ」とそれ以外の作品との違いはどのようなものといえるでしょうか。以下、箇条書き的にワタシの思っている印象をライトにまとめてみたいと思います。
○絵画-連作的なものもあるが、基本一枚絵。写実から抽象まで。
時間をかけて描き込んでいくものもあれば、絵具をピッと飛ばし一瞬で完成するものまで様々ある。 ファインアート的。
○イラストレーション-タッチ(描き味)はそれぞれ、モチーフもそれぞれ、 各々の絵師さんが各々の探究心でもって描き上げる入魂の一枚絵。または一つの素材としてのカットなど。コマーシャルアート寄り。
○挿絵-書籍や絵物語やライトノベルなどの間(表紙含め)に絵描かれる絵。内容を補完するような意味合いがあることが多い。
○絵本-一コマ・一場面の大きさがマンガの一コマより大きく描ける。
お話(ストーリー)よりも「絵」が主となっている。子ども向け-大人向けのグラデーション。
○紙芝居-マンガの一コマよりも大きいサイズで絵描ける。お話の要の部分を描くことが多い印象がある。
※絵本にしろ紙芝居にしろサイズに関しては例外もあり得ること
○らくがきー目的や意図を持たない自由なお絵描き。基本誰のジャッジも受け ない前提で絵描かれるのでひたすら楽しいというイメージ。
さまざまな『絵』に何を求めるにせよ、究極やはりそこに価値の優劣はないような気がします。TPOによってはらくがきもアートになり得るように、最終的には「ヒトそれぞれの好み」が反映され得ることがあるのみなのだ、と改めて確認する次第です。
しかしながら、そこを突き抜けて、『老若男女全セクシャリティ・国籍等あらゆる属性を問わず「好まれる」「マンガ」』というのは可能なのでしょうか?それは、たぶん『究極のマンガ』の条件の一つであるのだとも思えます。
現代的な言葉を使えば、無理ゲーな試みであるのだとしても、世界中のどこかで、きっとそのような「究極のマンガ作り」を試みている「パーソン」がいるような気がします。いつか必ずそのような「奇跡的作品」に出逢えることを心待ちにしています。
私的マンガ体験B
スポーツもの
私的マンガ体験の今回は、今夏のオリンピック・パラリンピックに因みまして、これまで目に触れてきた印象に残っているスポーツ漫画を並べてみたいと思います。
※基本読み切ったものを中心に、途中まででも特に印象に残った作品含め
・陸上 デカスロン D-ASH 新しい足で駆け抜けろ。etc
・水泳 恐竜くん ラフ
・バスケットボール スラムダンク リアル
・テニス HAPPY! 少年よラケットを抱け
・サッカー キャプテン翼 かっとび一斗 がんばれ!キッカーズ イレブン オフサイド etc
・野球 キャプテン プレイボール 水島真司先生作品 タッチ H2
わたるがピュン MAJOR 4P田中くん 山下たろーくん etc
・体操 空のキャンバス
・マラソン マラソンマン 奈緒子 風が強く吹いている(駅伝)
・卓球 ダッシュ勝平(卓球部期) ピンポン
・柔道 YAWARA!
・ボクシング あしたのジョー がんばれ元気 神様はサウスポー はじめの一歩 KATU シュガー-RIN ZERO etc
・ゴルフ プロゴルファー猿 明日天気になあれ
・バイシクル シャカリキ!
etc,etc
今回、読んできたスポーツ漫画を列挙しながら確認できたことは、近年スポーツ漫画を読み切ることから離れて久しいなと感じました。雑誌などで単発的に触れることはあるのですが、もしかすると、これは、「スポーツ漫画を読むこと」と「若さ」との関係が自身的に如実に現れているということの証左なのかもしれません。※あくまで個人の感想ですが・・・。
因みに、2021年夏の時点で、近年、雑誌を購入して必ずリアルタイムで読み続けている作品は、JAZZ漫画の「ブルージャイアント-シリーズ-」(石塚真一先生)と「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(浅野いにお先生)の2作となっています。
少年期に週刊少年ジャンプやコロコロコミック(月刊)、思春期に週刊少年マガジンや週刊少年チャンンピオンを毎週心待ちにして読めていた楽園の日々が懐かしいです。
そして現在も、書店やコンビニエンスストアにいけば、あの頃の雑誌が続いているという奇跡に感慨を覚えざるを得ません。完全なノスタルジーモードに時々浸ってもみたくなる今日この頃です。
次回予告
さて、次回のマンガワールド⑤では、『絵柄』に関してひとつ綴ってみたいと思います。
マンガ力(あるいはマンガの個々性)の一つとして『絵柄(タッチやデフォルメーション含め)』というものがあると思いますが、古今、どのような絵柄が、自身の心にヒットしてきたのかについて考えてみようと思います。
広くマンガに興味のある視聴者様におかれましては、またお時間のある時にでも訪れて頂ければと思います。よろしくお願いします。
おまけ 習作原稿
↑コマ絵模写原稿-Gペンに慣れるための練習として以前に描いたもの-
『映像研には手を出すな』大童澄瞳先生 『海獣の子供』五十嵐大介先生
『となりの怪物くん』 ろびこ先生
『テラフォーマーズ』 原作/貴家悠先生 作画/橘賢一先生
※今回の記事執筆において、改めて読み直すことはなかったのですが、マンガの構造に関して読んできた参考文献を幾つか挙げておきたいと思います。
『マンガ学-UNDERSTANDING COMICS-』
スコット・マクラウド著 岡田斗司夫監訳 美術出版社
『マンガのしくみ』
山猫有限会社著 ワークスコーポレーション
『コミック 文体練習』
マット・マドン著 大久保譲訳 国書刊行会
『マンガのシステム-コマはなぜ物語になるのか-』
ティエリ・グルンステン 野田謙介訳 青土社
『マンガ家入門-少年のための-』
石森章太郎著 秋田書店
『藤子不二雄まんがスクール』
藤子不二雄著 中央公論社
『マンガのマンガ-初心者のためのマンガの描き方ガイド』かとうひろし著 銀杏社
著者自己紹介
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キンドルアンリミテッドでも読めますので、もしご興味頂ければぜひ読んでみてください。
note記事のおしらせ
2023年6月時点でnote記事に以下のラインナップをアップしております。何か引っかかるタイトルがございましたら、ぜひ訪れて頂ければと思います。
ゴキブリマンガ
『ボクはディオゲネス』の紹介
マンガ構想の一つとして、いろいろな角度から『ゴキブリマンガ』を構想していくにあたり、その中の一つ『ボクはディオゲネス』はコツコツと話数を重ねていこうと思っています。
1話2ページの省エネマンガ『ボクはディオゲネス』は、全555話構想ですが、これまでそれぞれのnote記事におきまして掲載してきたものは25話ほどになりました。
今回は、その中から幾つか紹介させてください。