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もう手放せない!ChatGPTで変わる広報・PRの日常
こんにちは、高橋ちさです。この記事は、#PRFunho Advent Calendar 2023の12月8日(金)のものです。毎日、広報やPRについての面白い話が出てくるので、ぜひクリスマスまで楽しんでくださいね。
はじめに:ChatGPTと広報・PR業務
今日は、私が日頃、ChatGPTをどう広報・PR業務に活用しているかについてお話しします。
私たち広報・PRは、会社の情報を多くの人に知ってもらうために、さまざまな方法で情報を伝えています。例えば、この「note」というのも、そのプラットフォームの一つで、私たちはここで情報をみんなと共有しています。
みなさんもITツールやスマートフォンで様々なアプリをお使いになった経験があるでしょう。デジタルの世界やAI(人工知能)が進化する中、私たちの仕事の進め方も変わってきたはずです。新しい技術を活用して、より効率的に、迅速に、そして正確に会社の情報を伝える方法を常に模索していることでしょう。私の経験をもとにしたこの記事では、ChatGPT(生成AI)をどのように活用しているか、実体験に基づいてお話しします(有料版を活用し、用途に応じて適切なプラグインを使用)。
例えば、ChatGPTを使ってメールを書いたり、アイデアを形にしたりする具体的な方法をお伝えできたらと思います。読んでいただければ、ChatGPTの活用法がきっと見えてくるはずです。
ChatGPTを活用した効果的なコミュニケーションの方法
ChatGPTを使って質問やメールの文章を作成してみる
ChatGPTをコミュニケーションツールとして活用する際の大きなメリットの一つは、「独りよがりの回答」を避けることができる点です。例えば、経営者やマーケティング担当者、人事担当者など、広報PR業務に直接携わっていない方々、さらには広報の世界に新たに参入したばかりの人々に対し、広報業務を説明する際にこのツールは非常に役立ちます。
広報の分野では、専門的な知識や業界の動きを把握する必要がありますが、これらを簡潔でわかりやすい言葉で伝えるのは一筋縄ではいきません。
ChatGPTを利用することで、専門的なテーマも平易な表現で伝えられるため、広報業務に従事する人々はより効率的にコミュニケーションを取ることが可能になります。このアプローチは、広報担当者だけでなく、経営者や他業界の人々との対話においても大きな利点となります。
私たちPRは、情報をできるだけ多くの人にわかりやすく伝えることが重要ですよね。そのため、私はよくChatGPTに「小学5年生でもわかるような表現にしてください」と依頼したりします。このシンプルな指示が、複雑な内容を明瞭で理解しやすい形に変えてくれるはずです。また、この設定をデフォルトにすることで、一貫性のあるクリアなコミュニケーションを実現できるでしょう。(注1)Custom instructionsの活用
特に一人で仕事をしていると、自分の考えや周りの人たちの意見に固執してしまいがちです。そんな状況にしばしば直面します。自分と私の周りの人たちが知っているのが「当たり前」となってしまい、他の人には理解しにくいかもしれないということを、時々忘れてしまったり・・・。
だからこそ、客観的な視点を持つことの重要性を感じています。ChatGPTのようなツールを使うと、自分の考えやメッセージを一度外から見直す機会を得られます。これにより、自分の「当たり前」が実はそうではないかもしれないと気づき、より多くの人に伝わる方法を考える機会を持てるはずです。このような客観的な視点を持つことは、自分自身の成長に繋がるだけでなく、より効果的なコミュニケーションを図る上でも非常に重要です。
サンプルや自分の頭の中になるアイデアを形にするために活用する
架空のシナリオを使って、具体的な回答を生み出す
普段とは違う新しい情報や考え方に触れるために、架空の話を作ってみるのも良いでしょう。そうすることで、自分が知らなかった新しいアイデアや解決方法を見つける機会が得られるはずです。また、何かを作る時に、どうやって作るかを人に説明するのも、もっと簡単になるでしょう。そのため、ChatGPTを使うと、自分の考え方が広がり、人と話すスキルも向上する可能性があります。
例えば、架空の会社名やツールを考え、その会社の広報PRに関する課題や経営者の考えをChatGPTに読み込ませることで、特定のシナリオに基づいたコンテンツを作成する機会を持てます。
コンテンツ作成の過程で、自分の中にあった勝手な思い込みや、当然だと思っていた考えが徐々に変化してきたことを感じてくるはずです。特に、AIとのやり取りは、「もっと易しく指摘して下さい」とか「私は小学校3年生なので言葉がわかりません」など、自分にとって都合の良い方法で指摘を受けたり、理解しやすい言葉で説明を求めたりできるため、非常に有益です。
例)「製造業に特化した人事管理のSaaS事業を展開している30代後半のスタートアップ企業の経営者が、2024年問題である物流クライシスが発生した場合の人事領域における課題をテーマにしたメディア発表会を開催するときの人事メディアの記者さんに向けた案内文を作成してください」といったように具体的に依頼します。
このプロセスを通じて完成したのが、下のサンプルです。この案内状のサンプルを作成する中で、何度も自分が作ったシナリオの矛盾に気づき、調査を重ねたり、考えたりして、架空のシナリオを作ることで、自分の知識の範囲を超えて、新しいアイデアや解決策を探求することができます。また、資料を作る上でどうやった作成するかのノウハウを人に伝える際にも、より言語化しやすくなります。
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こんな感じで、自分が普段接していない新しい情報や異なる視点に触れる機会を得るのは、とても楽しいです。ChatGPTを使うと、自分の考え方が広がり、人との会話スキルも良くなると思います。
以前は、広報PR業務携わったことのない方にイメージを共有するために、新しく架空の案を自分で考えたり、チームメンバーから情報を集めてそれらしいサンプルを作成するのに、たくさんの時間がかかっていました。サンプルとして過去の資料を使う時も、内容をぼやかすのが大変で、ちょうどいいバランスを見つけるのが難しかったんです。
でも、ChatGPTを使い始めてから、資料作りが本当に楽しくなりました。全く新しい会社やツール、考えたターゲットについて考えるとき、資料を作るのがすごく面白いんです。これは、新しいアイデアを思いつくのにも役立っています。自分が何を理解しているかを確かめるために、おかしな表現を見つけることも重要です。ChatGPTを使うと、自分の考えが広がり、もっと多くのことを学ぶ機会を得られます。
みんながわかりやすく、心地よく情報を受け取れるように、できたらなと思っています。ChatGPTは、そんな私の助けになってくれていると感じています。
番外編
プレスリリースに関連したChatGPTの活用
プレスリリースに関連したChatGPTの活用は、広報・PR業務において非常に役立つ方法の一つだと思いますし、プレスリリースを作成する際の基本的な情報を提供する出発点としては優れています。しかし、ChatGPTからの回答を読んだだけでは、プレスリリースは書けません。以下は「プレスリリースの書き方のポイント」を聞いてみた際の解答です。
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プレスリリースの効果的な学び方
本当に大事なことは面倒ですぐには辿り着けない方法です。例えば、地道ですが、実践的なスキルやトレンドを肌感を持って理解するためには、PR TIMESのようなプラットフォームで他社のプレスリリースを読んだり、実際の業界のトレンドや効果的な書き方を学ぶのに非常に役立ちます。また、メディア解剖連載などでメディアの方の声を直接聞いたり、どのような内容がメディアに取り上げられやすいか、どのようなアプローチが効果的かを理解することが大切です。
私もプレスリリースを作成する際には、時々ChatGPTを使っていますが、今回はその話の代わりに、というには、あまりに烏滸がましいのですが、広報の分野で非常に参考になる日経クロストレンドで連載されている「風雲! 広報の日常と非日常」の記事を共有します。この中で、Doen代表取締役の遠藤眞代さんがChatGPTを活用したプレスリリースに関する貴重な知見をわかりやすくまとめています。
さいごに
広報・PRは、人と人とのコミュニケーションが核となる業務です。技術の進歩によって多くのことが可能になりましたが、すべてを技術だけで担うことはできません。また、一人で完結させるのも難しいため、広報業界では他社の広報同士が協力し合い、共に成長しています。
個人をゆるやかに繋げる広報Slackコミュニティ #PRFunho
時代や状況に応じてコミュニケーションの取り方は変わります。AIのような新しい技術を活用することで、新たな気づきやコミュニケーションのアップデートを目指したい。2024年も、新しい発見がある年になることを願っています。私自身も、コミュニケーションの取り方やリレーションの作り方を新しい状態に更新していきたいと思います。
お仕事のご相談やお問い合わせは、お気軽にどうぞ。お問い合わせ先はこちらです。お待ちしております。
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私たちの「メディア解剖連載」では、編集長やメディア関係者に直接話を聞き、メディアの特性や彼らがPR担当者に求めることを深掘りします。より効果的なPR活動を目指すなら、ぜひこの連載もチェックしてみてください。詳細はこちらから。