さよならUMPC。UMPCを二年使ってみた感想まとめ
所謂クラムシェル型の形状を守りながら、概ね10インチ未満のサイズまで縮小したUMPCはロマンがあってよいですよね!いつでもどこでもキーボードを活用した快適な作業ができる、私もそんなロマンに惹かれ、OneMix3Sを二年ほど利用していました。
しかし、利用している間にいくつかの不満が生じ、結局手放すことになってしまいました。本記事では実際にUMPCを使って私が感じた良かったことや、不満などを記述していきます。UMPCの購入を迷っている方の参考になれば幸いです!
よかったこと
予想通りに小型軽量で可搬性に優れる
UMPCを利用したい目的のほぼ全てが可搬性に集約されるのではないでしょうか?私が利用したOneMix3Sは重量がおよそ650g、サイズが204 x 129 x 14.9mmで非常に小型です。実際に家電量販店などで実物を見て体感の上で納得されるのが一番良いですが、このくらいのサイズになると本当にどんなバッグ・カバンにも無理なく入ります。私は軽いお出かけの際には以下のボディバッグを利用しているのですが、このような小さなバッグにも入ります。
サイズの割に発揮できる計算能力が高い場合があり、大抵のことはこなせる
UMPCは限られた容積故に本当に最低限度のことしか出来無さそうという印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?勿論搭載CPUによる部分ではあり、Celeron N4100のような貧弱なCPUが搭載されてる場合も結構あり、この場合はその印象は間違ってないでしょう。しかし、きちんと搭載CPUを選ぶことで動画閲覧・文書作成・ブラウジング、はたまたプログラミングや軽い写真編集などのノートパソコンに一般的に求められる要件は大抵実現することが可能です!私はCore m3 8100YというCPUを搭載したUMPCを利用しましたが、前述の作業を一通り行うことができ、特に不満は生じませんでした。
Coreと記述されたCPUを選ぶ
CelerenやAtomと言った名前のCPUは避けたほうが無難です
AMD系のCPUを全否定するわけではないですが、UMPC系ではあまり採用されているのを見ないのでそんなに考えなくても良いかなと
古い世代のCPUを避ける
概ね第8世代以降のCPUであれば不満はないでしょう。勿論選べるのであれば最新世代がオススメですが、ここ最近の世代はどれを選んでも必要十分な性能は持っているため、正直日常的な用途を行う上では体感上の差異は感じにくいです。
PassMarkで概ね3000以上のスコアを発揮するCPUを選ぶ
Googleで「passmark CPU名」と検索し、その結果のトップページから該当のCPUのPassMarkでのベンチマーク結果を確認することが出来ます。このページの「Average CPU Mark」の欄に黄色く記述された数字がスコアになります。
3DCGや動画編集などのクリエイティブな作業や高度なグラフィック処理が必要なゲームには向きませんが、一般的な作業で不満が出ることはまず無いでしょう。
キーボードは思ったよりも入力しやすい
UMPCといえば限られたフットプリントに収められた結構無理やりな配列を備えたキーボードですが、最近のUMPCの配列は結構考えられており、そこまで入力は困難ではありませんでした。アルファベット系のキーはある程度常識的な配列にされていることが多いので、キーピッチの狭さに慣れることができれば文書の記述くらいはサクサクこなすことが出来ます。
不満
画面サイズが小さすぎた
もっぱらこれが手放すことになった一番大きな理由なのですが、やはり10インチ未満の画面サイズは何をするにも小さすぎました。単に表示領域が小さい程度の話であればまだ良かったのですが、一番の問題は画面が小さいゆえに無理な姿勢での作業を強いられることでした。例として以下のイラストを御覧ください。一般的にクラムシェル型ノートパソコンを利用する場合はこのイラストのように顔より下の位置に配置したディスプレイを、首を少し曲げてうつむくような姿勢になります。
これがUMPCの場合、画面が一般的なPCよりも小さいのでより手前に移動し、もっと大きく見えるようにしたくなります。そうすると、顔とディスプレイの角度が大きくなり、より大きくうつむくことになります。これが結構キツく、長時間この状態で作業をしていると首の痛みや肩こり、更には頭痛の発生に繋がってしまうことになります。こうした体調不良を併発することが原因でUMPCを利用するのが億劫になってしまったのが決定的な不満となってしまいました。
やはりオーソドックスな配列のキーボードが使いたくなった
「よかったこと」に記述したキーボード配列に対しての評価と矛盾しているように感じますが、やはりUMPCの配列は受け入れがたいところがありました。私はプログラミングなどの作業を行ったり、キーボードのショートカットを多用することもあり、アルファベット以外のキーの利用割合がかなり高かったです。実際アルファベットの配列が比較的まともという評価は私自身間違ってないとは思うのですが、それ以外、特に記号のキーも利用する場合、かなり戸惑いが発生することになり、目視で該当のキーを探す事が多くなります。
周辺機器を用意すると負けた気分になる
キーボードに対しての不満を記述し、「それなら別のキーボードを使えばよいのではないか?」と思われた方は結構いると思います。このアプローチは実際のところ正解で、私もそのような運用をしていてました。
しかし、思い出してほしいのですが、UMPCを選択する一番の目的は機動力です。快適な使い心地を求めて周辺機器を充実させるほど、機動力は落ちていきます。許容できない使いにくさがあるものの、それを解決しようとすると本来期待していた役割からずれてしまう、このジレンマに悩むことになります。
発熱がひどく、手で持つ事が困難な場合がある
UMPCはサイズを小さくすることを最優先に設計されており、排熱については内蔵ファンの風だけでは限界があります。そのため、多くのUMPCでは筐体全体を熱を伝えやすい金属で作成することで、筐体を通して排熱が出来るように作られている場合が多いですが、これによるUMPC自体の発熱がかなり凄いです。私が利用していたOneMix3Sも例外ではなく、膝の上に載せての利用や手で持ったりすることが困難なほどの熱を生じます。多分無理に利用していれば低温やけどを起こしてしまうほどのレベルです。
おわりに
このような感じで、良かったことはありつつも不満が多かったのでOneMix3Sは手放すことになりました。かわりに、ここまでの不満を解決できるモバイルマシンとして、王道のSurface Pro 7に乗り換えました!
数ヶ月ほど利用していますが不満は一切なく、流石の性能です。UMPCというキワモノから王道への乗り換えでしたが、やはりキワモノは王道にはなれない理由があるのだということを痛感しました。こちらのレビュー記事もまたそのうち記述していこうと思います!
※Amazonのアソシエイトとして、ぷれすらは適格販売により収入を得ています。
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