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自分がプレゼンをやりやすく、伝えたい内容が伝わるスライドの枚数は?

みなさん、こんにちは。
Sirius(シリウス)です。

今回は、

用意された時間内にプレゼンを終えられる

伝えたいことがリスナーに伝わる

時間が足りなくなったりして、スピーカーである自分が
焦ってプレゼンに失敗することがない

という3つのポイントを実現するために、自分がやろうとするプレゼンの枚数は何枚を目標にしたらいいのか、という点を考えます。

枚数に関してはプレゼンに慣れてないころに、僕も多くの失敗をして、試行錯誤しました。
とりあえず「こんな感じかなぁ」と作り始めたものの、膨大な枚数のスライドが出来上がって、そこから「ここの2枚は1枚にまとめよう」というのがあちこち出て、かなりの枚数のスライドを捨てることになったこと、そして、ある程度まとまったはずなのに、本番で緊張してリハーサル通りにいかず、説明できないポイントを多数残して時間切れ…ということも数多く経験してきました。

そうした事態を防いで、無駄な作業を減らし、本番でスマートにプレゼンするには、構成をよく考え、伝えたいことを極限まで絞り、スライドを作り始める事前準備がとても大切です。

大前提として言えること。

プレゼン慣れする前はもちろん、慣れてからもそうですが、大前提として言えることは「構想している『伝えたいこと』の70%ぐらいを伝える』ぐらいの気持ちで準備する」ということをオススメします。
経験上「せっかくプレゼンする時間をいただいたのだから、アレとコレと、そうそう、こんな話も伝えておかないと!」とついつい盛り込んでしまいますが、本番の緊張度を考えたり、当日に「全体進行が遅れているので、すいませんが20分のところを15分でお願いします」なんていう突発的なトラブルを考えると、何があっても対応できる準備をしておいたほうが、当日などに慌てることが少なくて済みます。

実例に見る、内容の絞り方

たとえば、航空会社の営業担当者が、ある企業にセールスアプローチをして「御社の社員の方が出張するときに、是非弊社のフライトをご利用ください」という営業をするとき「じゃあ、御社がどういう航空会社で、どういうサービスを提供しているのか、いちど聞かせてください。担当部長も同席しますので、時間は15分~20分程度でお願いします。」といった機会がよくあります。こんなときに、どうやって伝える内容を決めるか。
おおまかに候補を挙げると、こんな項目が考えられます。
社会人のみなさんは、自分の企業や扱う商品などに置き換えて、自分にあった内容を併せてイメージしてみてください。

1:会社概要 (設立年/資本金/社長名/株主構成など)
2:保有機材(機種/機種ごとの機材数)
3:就航地ネットワーク(どの国のどの都市に路線があるか)
4:運航スケジュール
5:加盟アライアンス(スターアライアンス/ワンワールド など)
6:マイレージ プログラム
7:機内サービス
8:地上サービス
9:ご利用いただく際の運賃額

もし、全部話そうとして、自己紹介などで3分取られると考えると、残り時間は20-3=17分。項目9個で均等に時間を採ったとして、1項目2分弱。05. 自分の話すスピード 、知っていますか? でお伝えしたように、普段よりゆっくりしたスピードで話すことを考えると、どう考えても無理があります。

その解決策は、2つ
(1) 項目ごと今回はあきらめる
(2) 簡単に触れはするが、重要性は低いので、20秒~30秒程度で軽く話す

今回は事前情報で「担当部長も同席するので」と聞いています。
ということは「あの航空会社、いいじゃないか。」とその担当部長に言っていただくことがキーポイント。逆に言えば 『9:運賃額』 という実務的なところは現場の担当者の方と交渉して詰めればよいので、今回はここを (1)あきらめる としてカット。

『2:保有機材』は、航空機に詳しくない/興味のない方に「ボーイング777(トリプルセブン)」やら「最新鋭のエアバス350」と言っても「はぁ…。よく知りませんが、快適に乗れれば何でも」となるのが容易に想像できます。ただ、機齢(きれい:その航空機が新品として工場から出荷されてからの年数)の平均だけは、大切な社員の方を乗せる側として気にされる場合もあるので、保有機材にまったく触れないというわけにもいきません。
『5:アライアンス 』も、スターアライアンスだろうが、ワンワールドだろうが、スカイチームだろうが「提携していると、なんかイイコトあるのかな?」という場合も少なくありませんが、マイル提携を説明する”前振り“になるので、これもまったく触れないというのは難しい。
『6:マイレージ』も「この区間を乗って○○マイル貯まります!」よりも「この区間を△往復すると、東京と沖縄の往復航空券に変えられるマイルが貯まります」と言うほうが実際のオトクさをイメージすやすい。
よって、これらは (2)20秒~30秒で軽く話す と内容に分類します。

というように振り分けていくと、メインになる内容
3:就航地ネットワーク
4:運航スケジュール
7:機内サービス
8:地上サービス
となります。
簡単な内容が4項目なので、30秒×4=120秒 → 2分 とすると、残りは17-2=15分なので、メインの項目は 15÷4=3.75 → 1項目 約3分45秒となるので「大事なところは3~4分」というのが基準になります。

大切な社員の方が安全かつ快適に出張に行けるかどうか、というところを企業の役職者の方はポイントにするので、そうしたことに直結するこれらの内容は、訴求ポイントとして重要。
逆に考えれば「誰がリスナーにいて、誰がキーパーソンとなるのか。その人が知りたいと思うのは何か」という基準で考えると、内容を整理・選択しやすくなります。
だから、現場担当者がメインリスナーの場合には、設定された運賃額を他社と比べてのおトク感をアピールするなど、内容が大きく変わってきます。

さて、枚数を決めよう。

実例を伴ったほうがイメージしやすいと思うので、このサンプルケースをそのまま続けていきます。
まず大切なポイントになる、メインの4項目に使うスライド枚数を決めます。今までお伝えしたように「配布資料ではない」ことも、枚数決めアタマの片隅に置いておく必要があります。

3:就航地ネットワーク
これは図で示しやすい典型。
フリー素材(=著作権料のかからない)世界地図を使いその上に、就航地に印をマークしたものや、地名をエリア別に列挙したものでいいので、1枚で済みます。

4:運航スケジュール
全路線の運航スケジュールを書き出すと膨大な量になりますが、大切なのは日本発→その企業の出張者が多い目的地着 のスケジュールです。
なので、これも1枚(ないし、その目的地が複数あるような場合は2枚)

7:機内サービス
これは、航空便を使うときは、誰でも気になる重要ポイントですね。
航空会社にとって、いちばんの商品/商売道具でもあります。
ファーストクラス2枚,ビジネスクラス2枚,エコノミークラス2枚の6枚と考えると、上に書いた4分=240秒 を6枚で使うので、1枚当たり40秒。少し忙しくなりますが、ざっとイメージを持ってもらう説明はできそうです。

8:地上サービス
現地空港のイメージを持っていただいたり、注目を集めやすいビジネスクラスの方が利用するビジネスクラスラウンジは大事な訴求ポイント。
各3枚でざっくりとイメージを説明すると考えて、6枚。

これに、簡単に説明する項目を各1枚とすると、4項目で4枚。
前回でお伝えした構成例にしたがって、表紙に1枚、自己紹介に1枚、今日のポイント説明に1枚、最終ページに1枚。
これらを全部足すと、メイン14+簡略4+その他4=22枚 という構成になります。

作り始めると、それでも多くなる

ここまで綿密に考えても、いざ作業を始めて、手を動かすとよりリアルなプレゼンのイメージが湧いてきて「この枚数じゃ説明しきれない!」となることもあります。当然そうすると、22枚の予定が23枚になり、25枚になり…となることもあります。
ところが、それらはだいたい、リハーサルをやった時点でカットする羽目になるので、最初に決めた枚数は、絶対的なルールとしてここを外れないようにすることをオススメします。また、そうすることで「どうやったら収まるか」とアタマを使うので、より濃度の高いプレゼンを作るきっかけになったりもします。

次回  09.スライドづくりは、タイトル並べから。 では、いよいよPowerPointの画面に文字を並べながら、スライド作成をしていく内容に進みます。

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