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自分が話すスピード、知ってますか?

みなさん、こんにちは。
Sirius(シリウス)です。

「早いところ、うまくカンタンにプレゼンする方法を書き始めて!」と言われそうですが、急がば回れ…ということでベーシックなところを積み重ねるほうが効果は抜群に出ます。(自身の実体験によります)
ということで、しばらくの間焦らずにお付き合いください。

さて今回は「話すスピード」の話。
みなさんは自分が話すスピードを意識したことはありますか?
普段の会話ではそうすることもないし、その必要もあまりありませんが、プレゼンをするときはこれがとても重要です。

話すスピードが大切な3つの理由

プレゼンをするときに、リスナーがしっかりプレゼンを聞き内容を飲み込みやすくするために、スピードが大事な理由は3つ。

1:普段の会話と同じスピードで話すプレゼンは聞き取れない
2:進行についてこれなくなったリスナーがプレゼン進行に追いつける
3:スピーカー自身の焦り度をコントロールできる

まず、1:普段の会話と同じスピードで話すプレゼンは聞き取れない
『自分+相手』 または 小さなゼミ室/会議室などで 『自分+数人』であればいつもの会話と同じペースで話してもほとんどの話は伝わって会話ができます。これが、その場に50人ぐらいいる結婚披露宴の会場などでのスピーチで同じスピードでスピーチなどをされると、細かい部分が分からず「ん?」と思うこともあります。
それは ①場所が広いと音声が拡散してしまい届きづらい ②マイクを使うと地声とトーンが異なるため、耳に入りづらくなる ため、普段と同じスピードでの話が聞き取りにくくなります

つぎに、2:進行についてこれなくなったリスナーがプレゼン進行に追いつける
普段の講義や会議の場で話を聞いているときに、一瞬なにか考え事をして、本題に戻ろうとすると「あれ?どこをやってるんだっけ?」と分からなくなることがあります。そんなとき、普段と同じスピードで話されていると、現在地がどこなのか追いかける+進行中の話を聞いて理解する というダブルのタスクをこなさなければならないため、頭の中が手一杯になり、追いつきにくくなります。

そして、3:スピーカー自身の焦り度をコントロールできる
普段、友人と話しているときに、話が盛り上がってくるとつい声が大きくなったりしてしまうことがありますよね。話すことは、自分のテンションを上げる要因になります。
そのため、すべての人にあてまはるわけではありませんが、プレゼン慣れしていない人に特に多いのが、緊張しながらプレゼンをしていたらつい早口になり、それが元で余計にテンションが上がって緊張し、焦ってしまってミスをした…ということが起こります。話すスピードを意識することで、こうしたミスを防ぐことができます。

さらに、最初にスピードが意識できると、プレゼン全体の構成を考えるうえで「これぐらいのペースで話さないといけないから、10分で話せるスライドはこれが限界だよな…」と逆算で目安を立てることができ、本番で「うわぁこれは最後まで時間内に終わらなくないか?」というトラブルを防げます

プレゼンに最適なトークスピードは、どれぐらい?

では、自分がプレゼンするときのスピードはいまどれぐらいで、どれぐらいにしておくとプレゼン本番にリスナーが聞きやすいのでしょうか。
このシリーズを読んでいただいている方は日本全国に(それどころか世界各地にも?)いらっしゃるので、誰でも見られる見本を考えた結果、ここに行き着きました。
Yahoo! JAPANの動画ニュース で見られる『日テレNEWS24』 です。同じウェブページで『TBS NEWS』も見られますがこちらは微妙に早めなので、日テレNEWS24を観てください。
特に注目するべきポイントは ①スポーツやイベントのニュースではないもの で、② ニュース冒頭の要約文ではなく本編を読んでいるとき の2つ。
たとえば

この事故は6日、横浜市営地下鉄ブルーラインの始発電車、下飯田駅付近で、作業員が線路上に置き忘れた保守作業用の装置に乗り上げ脱線したもので、車両を動かせないまま一部の区間での運転見合わせが続いています。横浜市は当初、あすの始発からの全線運行再開を見込んでいたが、きょう再開の見通しが立たなくなったと明らかにしました。

というところ、文字数にして157文字ですが、ここを29秒で読んでいます。
いろいろプレゼンをやった経験からすると、これぐらいのスピードがちょうどよく、30秒で150~160字を読むスピードが適切です。

日テレNEWS24のオリジナルウェブサイトでは、読み原稿テキストを一部改変した(文末のです・ますなど)をものが載っているので、これを自分で読んでみて、動画の音声とスピードや所要秒数を比べてみると、ひとつの目安になります。繰り返して、読むペースを感覚的に覚え込めるとベストです。

この読みスピードの感覚は、このあとどう役に立つ?

ということで、プレゼンに向いたトークスピードの目安がわかったところで、これがどう役立つのか…というところですが、2点あります。

1: プレゼンの1つの項目に掛けられる時間がわかる
2:プレゼン本番で緊張し、焦りだしても、このトークスピードを意識することで、気持ちを落ち着けることができ、安定してプレゼンの続きができる

1: プレゼンの1つの項目に掛けられる時間がわかる
全体で自分の持ち時間が10分あった場合に、自己紹介+3つのポイントを話さなければいけないとします。1分で160字が話せるとすると、10分で1600字相当。これを4等分すると、各項目(自己紹介を含む)でおおむね400字が話せる適量とわかります。
これを厳守!ということはまったくありませんが、このシリーズで後々出てくるプレゼン本編の構成のときに、役立つ目安になります。

2:プレゼン本番で緊張し、焦りだしても、このトークスピードを意識することで、気持ちを落ち着けることができ、安定してプレゼンの続きができる

プレゼンをすることに慣れない時や、人前に出るとついあがってしまう性分だと、プレゼンをしている最中にだんだんトークスピードが速くなってしまうことがよくあります。僕もプレゼンに慣れていない時は、かなり頻繁に指摘され「聞きづらいよ!」と言われました。
そのような時でも、ふと落ち着いて、練習時のトークスピードを思い出してそのペースに合わせるようにすると『落ち着いてい練習をしている時の自分』の気持ちがよみがえり、そこから先も慌てずにプレゼンを続行することができます。

次回は、プレゼン作成に取り掛かる前に「こういうのはよくないから、やめておこう」というプレゼンを見て反面教師にする 06.  いままで見てきた「よくないプレゼン」。をお届けします。


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