イギリスの大学受験の基礎知識
イギリスの大学へ出願の基本について、学士課程をメインに説明しようと思います。
イギリスの大学
イギリスはEngland, Wales, Scotland, Northern Irelandの4つの国から成っています。このうちEngland, WalesとNorthern Irelandはそれぞれよく似た教育システムで、Scotlandだけ少し違います。
イギリスの大学は基本3年制です。大学院は1年制です。他の国より短いのです。
ただし、日本の高校でIB(国際バカロレア資格)やアメリカのAP (Advanced Placement) プログラム、イギリスのA-levelを受けている、または、インターナショナルスクール卒業見込みの場合です。一方、日本の文部科学省のカリキュラムによる高校卒業証明書ではそのまま学士課程には進めないので、foundation courseで1年準備してから進むことになります。Scotlandの大学は基本4年制です。
イギリスの大学にapply(出願)するには、まずcourse(コース)を選ばないといけません。何学部というのではなくて、かなり細かく専攻が分かれてます。例えば政治学を勉強したい場合、シンプルにPolitics (BA)というコースもあれば、Politics and International Relations (BSc)というのもありInternational Politics and Modern Language (BA)というのもあります。はたまたPolitics and Economics(BSc) やPolitics with Economics (BSc)というものも。細かいコースやBAなどの略語の説明はまたの機会にしますが、よーくコースの内容を理解して選ばないといけません。あとでコースを変更するのは簡単ではありません。
イギリスの大学へ行くには…
必要なのは、
Entry requirementを満たすIB・A-level・AP・SAT等のスコアまたはpredicted grades(予測スコア)
Recommendation letter 学校の先生やカウンセラーからの推薦状
Personal statement(志望動機書)自己アピールに大切です。
IELTS, TOEFL等の英語能力を示すテスト
が基本です。英語能力テストについては必須ではない場合もあります。この他にadmissions testsやインタビューが必要なコースもあるので、しっかりとapplyするコースに必要なものをチェックして備えないといけません。
それぞれのコースにはentry requirementと言うのがあって、applyするための条件として高校時代にどのレベルの成績をとっておかなければならないかが決められています。合計3教科で教科毎に細かく決められています。だいたいどこの大学もA-levelsまたはIBでのrequirementを書いていますが、これ以外のカリキュラムでも大丈夫。多くの人が勘違いされているのですがアメリカンカリキュラムの高校からもイギリスの大学へ進学できます(アメリカ人にも良く質問されました)。出願先により条件は異なりますが、GPA, AP, SATまたはACTを使ってapplyできます。
もう一つ大切なことが。イギリスの大学はapplyできるコース数が基本5つと限られています。医学系は4つとなります。またOxbridge (Oxford 大学とCambridge大学の双方を指す愛称) はどちらか片方しか出願できません。詳細は別で説明します。
出願のスケジュール
イギリスの大学の新学年度はだいたい9月末に始まります。その1年前、高校最終学年の夏休み後から準備を始めます。UCAS(Universities and Colleges Admissions Service)というオンラインポータルからapplyするのですが、9月の初めから受け付けが始まり、次の年の1月の末日が締め切りとなっています。ただし、Oxbridge, 医学系は締め切りが10月半ばと早くなっています。
applyが済めば、決められた合格発表日はなくてただ待つのみ。10月にapplyしてたら1週間以内に返事が来るかもしれないし、12月末だと3月過ぎても来ないかもしれないので、待つしかないのです。早いと3日で返事来るし、長いと半年待つという… 結構ストレスです。Oxbridgeに関してはだいたい1月半ばに返事が来ます。イギリスの合格はほぼconditional offer(条件付き合格)です。ちょっとややこしいので、これもまた別で話します。
まとめ
イギリスの大学はcourse(コース)を決めてapplyします。
それぞれのコースにはentry requirementがあります。
entry requirementを満たすためには、IB・AP・A-levelでどの教科を履修するかが重要になってきます。高校卒業3年前には自分の進むコースを思い描いて、IB・AP・A-levelの教科選びをしないといけません。
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