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【必読】IBディプロマプログラムを取る前に知っておいて欲しいこと
IB(国際バカロレア)ディプロマプログラムは、16歳から19歳の生徒が2年間かけてIBの所定のカリキュラムを履修するものです。プログラムの最後に世界統一で行われる最終試験を受けて合格すれば世界共通の大学受験資格である国際バカロレア資格が取得できます。と、さまざまな情報がウェブサイトなどに溢れています。
ですが、このプログラムを履修するかどうかを決める前に知っておいた方がいい肝心なことがあまり知らされていないと私たちは経験上思っています。
IBディプロマの仕組みを簡単に言うと
IBディプロマはDP Core(コア)と6 Subject Groups(教科グループ)から成っています。まず、Core(コア)とは以下の3つになります。
Theory of Knowledge, TOK(知の理論)→ 少し哲学的な1,600語のエッセー(小論文)とプレゼンテーション
Extended Essay, EE(課題論文)→ 選択した科目を軸にした4,000語の研究論文
Creativity, Activity, Service, CAS(創造性・活動・奉仕)→ 課外活動。必須だが点数化はされず、IBのFinal Grade (最終評価スコア)には含まれない
IBのFinal Grade満点45点のうち3点がこのコアからの寄与になります。
6 Subject Groupsは、6つの分野(言語と文学・理科・社会科学・数学・芸術・第二外国語)からそれぞれ1教科、計6教科を履修します。そのうち3教科はHigher Level, HL(上級レベル)、残りの3教科はStandard Level, SL(標準レベル)とします。
コアと6 Subject Groupsを並行して2年間(実質1年半ほど)かけて勉強し、その後に世界統一のExam(修了試験)が行われます。教科ごとの満点が7点で計42点、それにコアの合計3点をトータルした45点が総合満点です。24点以上取れればパスとなり、国際バカロレアの修了資格が授与されます。
IBディプロマはとても忙しい
IBDPは知的にかなりハードであることは間違いありませんが、やらなければならない課題も物量として大変多く、質、量ともに相当な覚悟を持って取り組まないとなりません。
6教科のうち3教科は上級レベルを履修しないといけない。上級レベルは進むスピードも速いし、カバーする内容も多い!
他のカリキュラムに比べてworkload(仕事量)が断然多い。例えば理科のレポートの場合、アメリカンカリキュラムでは600語のレポートだとすると、IBでは1200語!のレポートを要求されるなど。
それぞれの教科にIA(Internal Assessment)と言われる小プロジェクト(小論文)が課せられる。
と、やることが満載です。これに加えて部活をしている人も多いでしょうし、とにかく忙しいのです。よく聞くのは、「IB生は寝る時間が無い!」です。
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IB Exam(IBの最終試験)も大変
IBの集大成として最後に受けるIB Examですが、multiple choice question(選択肢問題)は少なく、特に文系科目はレポート用紙のような解答用紙に長文で答えるというのがほとんどです。マークシート式ではありません。長文を評価し採点することになるので、採点基準はあるものの、時には担任の先生も理解できないような点数になることもあります。
ところで、IB Examは5〜6月に実施されます。大学に出願する10〜12月にはまだ成績の結果が出ていません。そこで、先生が出したPredicted grade(score)という予測スコアを使って出願します。
IBディプロマを修了すると
高校時代の2年間は、6Subjectsの勉強やCASのための課外活動、エッセーにプロジェクトと休む間も無い状態です。
こんなハードワークを2年間続けてきたIB生なので、大学に入ってからの勉強が楽に感じられるそうです。質・量ともに厳しい大学の勉強をこなす耐力が既にできているのです。また、一部の大学ではIBで履修した教科を大学のクレジット(単位)として認めてくれます。IBディプロマを取得した利点でしょうか。
まとめ
IBディプロマプログラムは素晴らしいプログラムであることは疑いようがなく、高校最後の2年間をかけて打ち込む価値はある。一方、相当に大変な内容であるので、自身の高校生活のスタイルや部活との兼ね合いなども考慮して慎重に選択する必要がある。
IBディプロマは世界共通の大学受験資格と言われるが、実際はIBでなくてもほとんどの大学に出願はできる。
IBディプロマ = 優秀なプログラム = 受験に有利 といった単純な理解は成り立たない。この点については他のプログラム、例えばアメリカのAPとの比較などをしながら別の機会にお話ししたいと思います。