見出し画像

【質問・寄稿】AIの時代にも生き続けるためには?

質問:これからAIの進歩により、諸説はありますがシンギュラリティ(AIが人間の知性を超える時代)が来るとも言われています。そんな時代に生き続けていくためには、どんな力が必要でしょうか?

エクス抱:昨今の技術革新は目覚ましく、「収穫加速の法則」(レイ・カーツワイルが提唱)などと言われるように、指数関数的に進歩しています。
またAIだけではなく、IoT、3Dプリンタ、協働ロボットなども実用化され、通信では5Gの時代を迎えつつあります。

データやアルゴリズム中心に変わって行く生活やビジネスは、いずれ「シンギュラリティ(技術的特異点)」を迎え、2045年~2060年には、AIが人間の仕事に取って代わってしまう時代が到来するとも言われたりしています。

AIが人間の仕事を奪い、その存在を駆逐して行くようなイメージのシンギュラリティですが、世界最大のITリサーチ企業ガートナーが発表した2018年のレポートでは、「AIは180万の仕事を奪い、240万の仕事を創り出す」と述べており、シンギュラリティは都市伝説的なAIによる人類支配とは違い、テクノロジーとの新しい共存の形と考えた方が良いでしょう。

単純作業や繰り返し作業、重労働で危険な作業、法規によってルールや手順が決められている仕事や職業などは、最初にAIやロボットに代替され、大容量データや高速処理が必要な分析作業なども、AIに取って代わられるでしょう。
こうして人間は低付加価値の作業から解放され、より高度(高付加価値)な仕事に集中できることになります。

そのようなシンギュラリティが登場した時に、人間にはどのような能力が求められるのでしょうか?

まず第1に「全体を俯瞰する能力」が求められるでしょう。
現在のAIは大量のデータをもとに、部分最適解を求めることを主たる目的としますので、ビジネスや社会全体のグランドデザインを行うことができません。
人は想像力を活かし、常に全体最適や各ドメインを俯瞰したつながり方の最適化のために、巨視的な視点を持つことが必要です。

第2にAIに使われるのではなく、AIを使い倒すためのITリテラシーの実装です。
これからの世の中は、OMO(Online Merges with Offline)の時代と言われ、オンラインとオフラインの価値は逆転し、オフラインの無い世界を生きて行かねばなりません。
生活やビジネスはデジタル化されて行きますので、人もそのデジタル化の流れに沿ったスキルの習得が必要ですが、特にITリテラシーの向上が重要です。
あくまでも人間が主体であり、AIを道具として駆使できるようなスキルが必要です。

第3にはソフトスキルの取得が上げられます。
ソフトスキルとは、「想像力」「思考力」「コミュニケーション」「コラボレーション」など、一般的にAIが苦手とする分野であり、人間がその能力を向上させることによって、シンギュラリティにおける、「AIとの共存、共創」という役割の棲み分けができるのではないでしょうか。

シンギュラリティがいつ、どのような形で出現するのか、その予想は難しいですが、社会のデジタル化が加速度的に進化し、AIが社会に大きな影響力を行使する時代がやってくることは、ほぼ確かなことと言えるでしょう。

AIと人間は、お互いに得意とする分野を掛け合わせ、第3の社会価値を創造できるようなシンギュラリティになれば良いですね。
いずれにしても人間は変化を加速する社会において、真の高付加価値とは何かを見極めなければなりません。


いいなと思ったら応援しよう!