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片頭痛と妊活

片頭痛持ちはピルの服用に慎重に

エストロゲンを含む低用量ピルについては、日本産科婦人科学会が以下のようなガイドラインを出しています。

  • 前兆のある片頭痛がある場合は、ピルの服薬は禁忌

  • 前兆のない片頭痛がある場合は、ピルの慎重投薬

片頭痛を有する女性へのOC投与と脳卒中リスクとは関連性があり,とくに前兆を伴う片頭痛の場合,出血性脳卒中リスクを上昇させることがメタ解析で明らかになっている

https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf

発作の前に目がチカチカするなどの前駆症状が見られる片頭痛の女性には、OC・LEPは禁忌ですが、前駆症状のない片頭痛持ちの女性月経困難症に対しては、LEPの連続投与(ヤーズフレックス錠、ジェミーナ錠)をお勧めします。
その他、当院における片頭痛に対する治療薬は、主に「アマージ錠」を用いています。

https://www.fuyukilc.or.jp/column/%E7%89%87%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82/

ディナゲスト
というホルモン剤があります。こちらも生理痛に対してよく効くお薬ですが、少し前まで保険を使っても1か月9000円近くしていました。
ただ、今年になってからジェネリックが発売されたため、およそ半額の1か月4000円前後で内服できるようになりました。

http://www.heiwajima-ladies.com/blog/2017/09/post-17-554711.html

私のCLでは、通院しはじめのころに片頭痛の有無を確認されました。

片頭痛だとホルモン補充周期NGになることも

片頭痛の度合いによっては、ホルモン剤を使うホルモン補充周期での移植がNGになることもあります。

ホルモン補充周期で片頭痛が悪化する

そもそも、エストロゲンのレベルの急激な変動によって、片頭痛が誘発されやすくなることが知られています。
そのため、ホルモン補充によって片頭痛が悪化や生じることがあります。(おそらく今回の私)

月経周期におけるエストロゲン濃度を見てみると、月経時に最低となり、その後排卵に向けて増加しますが、排卵直前に一時的に減少します。排卵後、黄体という組織から黄体ホルモンとともにエストロゲンも分泌されるため再び増加しますが、妊娠が成立しない状況では急激に減少し、月経が始まります。

以上から、片頭痛をおこしやすい月経開始前後と排卵期は、エストロゲンが急速に減少している時期でもあります。

https://www.fuyukilc.or.jp/column/%E7%89%87%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82/

エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減ると 脳内のセロトニンも減少します。セロトニンには血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする働きがあるので、これが減少すると痛みに過敏になって頭痛が起こりやすくなると考えられます。

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_loxonin-s/understand/headache/relation.html

妊娠すると片頭痛は軽くなる

ちなみに妊娠すると、80%以上で片頭痛発作が軽減・消失することが多く、妊娠中に片頭痛が問題になることはあまりないそう。

妊娠が成立すると、胎盤からエストロゲンが分泌し続けて増加しますが、分娩後は胎盤が排出されるため、エストロゲンは急激に減少します。片頭痛持ちの女性が妊娠すると片頭痛が改善・消失すると言われていますが、反対に産後は一か月以内に片頭痛が再発することが多いようです。

https://www.fuyukilc.or.jp/column/%E7%89%87%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%96%A2%E4%BF%82/

片頭痛なのか?頭痛外来へ

私は移植のホルモン補充周期3回目中に閃輝暗点とそのあとの生理で片頭痛が発生。
薬に誘発されている頭痛のような気がしたけど、両目で見える閃輝暗点にビビッて、念のために近所の頭痛外来を受診。(直前に乳がん検診でひっかかったことでナーバスになっていた)

頭痛外来の受診の結果

お医者さんの問診の結果、片頭痛持ちではなさそう。
にも関わらず、両目で見える閃輝暗点は脳由来の可能性も考えられるため、念のために脳のMRIを実施。

脳のMRIを実施

脳のMRI検査の結果、大きな問題はないものの、石灰化か出血かわからない謎の小さな黒い点があるため、ふんわり経過観察になりました。1年後にMRIを取ることに。

まとめ:頭痛持ちは必要に応じて病院へ

頭痛持ちの人、多いよね。女性は頭痛持ちが多いと言われているし。
妊活中は薬飲みたくないから我慢しちゃう人も、もし薬飲みたくなるくらいの頭痛が続くようなら、念のために病院に行ってほしいなぁ。
それくらいツライって結構大変だと思うし、体からのSOSかもしれないから。



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