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謙虚であること、と堂々としていることを両立させる。

夫の会社を手伝いに行くようになって1番感じたのは、雇う側と雇われる側の視ている世界は違う、というものでした。

自分が経営者であれば当然ですが、私ははじめは経営者目線というより、単に夫を助けたいという気持ちが強くて行っていました。

が、だんだんに自分は夫と同じ経営者目線で会社を見ているから、雇われている人の話しを以前の自分とは違うスタンスで聴いている、と気づきました。

1番難しいと感じたのはお金のことです。 

夫は資金繰りが厳しいとき、コロナのとき以外は、お金を銀行などから借りるのでなく、自分のお金でなんとかやりくりしようとしていた時期がありました。

そうなると、当然自分以外の人にはお給料を払っても、自分のお給料はもらわない、それはすなわち私の毎月もらうはずだった家計がとまることでした。

さらに、それでも足りないときは私は自分のお金を夫に貸し、それを会社につぎ込んでいました。

私は、そうなるとスーパーに行く頻度を減らし、習い事をやめる、など生活スタイルを変えるのですが、夫自身は会社経費だから、と今まで通りゴルフや付き合いに出かけてイキイキとしているのを見ると、だんだん私は外出をやめたり我慢しているのは私だけなんじゃないの?とイラツいていました。

会社でも自分らしく振る舞えず、ストレスを溜めこんでいました。

私だけが我慢をしているような被害者気分が長くなっているとき、私は無意識に会社で夫のことを悪く言うことがありました。

お金のことなど誰にも話していませんから、その私の話しを聴いたある男性スタッフが、 

「社長の悪口を人前でいうのはやめてください。

「社長の重箱の隅をつつくようなことをしないであげてください。夫婦なんてお互いの悪いところを助け合うものでしょう。」

「社長の奥さんなら、ふわっと会社にいるか、がっつり働くかどっちです。」

など私への指摘をしてくると、

「私がどんな思いで、毎日を切り詰め切り抜けているか知らないくせに。」

と内側では反発する気持ちを抱えていました。

でも、人には言えません。

それこそ、妻のお金にまで手を出してなんとか会社を回しているとわかったら、会社的にも良くないですし、周囲にも不安を与え、夫のメンツが潰れるだろう、と感じていたからです。 

そのやり方では会社的にもよくない、と夫が後に気づき、そういうときはきちんと銀行から融資を受けて切り抜け、今は家計は影響を受けなくなりましたが、そんなことがあってから、私は、社内で孤独を感じるようになりました。

夫は社員にはいいところを見せようとしますから、余分なことは話せないと黙っていると、スタッフが気軽に私に対しての期待を言ってくると、私の内面は葛藤を抱えます。


実際、一度私がとても腹を立て言い返したい、と思うようなことがあったとき、夫にそれを言うと、夫から社内の人間と揉めたら承知しないぞと言われ、それから私は気持ちを飲み込む代わりに、会社には行きたくない、と思うようになりました。

ですから今は、本当に人手がなくて大変そうなときだけしか会社には行かなくなりました。

私の居心地が悪いからです。

が、こういうことがあって最近感じたのは、私は自分さえ我慢すれば周囲にとっていいのだ、と小さな頃からの被害者的なやり方の習慣を、私はいまだやっていた、ということでした。

言いたいことがあれば、意見を言ったところで生命が奪われるわけでもないのに、私は夫を怒らせること、周囲と波立つこと、社長の妻という立場だからこそ安易に物を言っていけない、と自分に対する禁止令を、強く適用させてたからとても苦しかったんだ、と気づきました。


神さまが、もうその習慣、手放した方がいいよと教えてくれるため、私は嫌な気持ちを自分で創り出し、被害者的になっていたのかもしれない、と今なら感じます。


言わなくていいことと言うべきことを見極め、堂々と言うこと、謙虚であることは両立する。

そのことを、トライ&エラーを繰り返しながら自分のなかにこれからは培っていきたいなあと思います。

お読みいただきありがとうございます。


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