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【DJ】アニソンDJってヘッドホンで何聞いてんの?

私もかれこれ10年近くアニソンDJとして現場に立たせていただいておりますが、その現場の多くで聞かれてきた内容が

「アニソンDJってさ、曲流した後に耳にヘッドホン当てて何してんの?」

といった内容になります。

確かに、参加者からしたら「目的の曲は流し終わっているのになんで今更ヘッドホン付けてんだよw」って思いますよね。
過去の私もそうでした。ただのカッコつけかな、なんて思っていた時期もありました。

もちろんカッコつけや次の曲までの場を繋ぐパフォーマンスといった意味もあるでしょう。
ですが、こちらの行動の真意は他にありますので、以下に記しておきます。
※あくまで私の経験則と伝聞による内容ですのでご承知おきください。


上記ポイントに関して、下記で詳細に説明いたします。

1、流れている曲の飛ばしたい箇所のメロディを把握する

こちらは現場でラスサビ飛ばし等をする必要が出てきた時になります。
曲が流れていないデッキに今流れている曲と同じ曲を入れ、ラスサビが1番サビと同じメロディなのか、転調しているサビなのか等、飛ばしても違和感が無いように繋げられる場所なのかを確認しています。

2、流れている曲のアウトロの拍数を把握する

曲が流れていないデッキに今流れている曲と同じ曲を入れ、次の曲と繋ぐアウトロ部分の拍数を確認しています。
(アウトロが0拍でサビ後すぐに2番メロに入る楽曲なのかを見極めるためにも必要となります)
こちらの拍数と次の曲のイントロ部分の拍数の違いを計算し、どのタイミングで再生すれば2番メロに入らずに繋げられるのかを算出しています。

3、流れている曲のアウトロの終わり方を把握する

曲が流れていないデッキに今流れている曲と同じ曲を入れ、次の曲に切り替わる直前の部分を確認しています。
曲によっては、切り替わるタイミングの1~4拍前に歌声が入ってくる楽曲があります。その楽曲なのかどうかを見極めるためには必要不可欠となります。
綺麗に次の曲に繋げられないとかっこつかないし、聞き手側としても調子が狂いますよね。

4、次に流す曲のメロディを確認する

アニソンDJである限り、最低限こちらは現場で実施しているかと思います。
次に流す曲がどんな曲なのかを確認しなければ、この曲を流そうだなんて決められません。
曲にも相性があって、流れている曲の曲調と同じ曲を選ぶのか、曲の速さが似ている曲を選ぶのか、キー(音階)が同じ曲を選ぶのか、DJによって次の曲を決定する要因は様々ですが、主にこちらを確認されています。

5、次に流す曲の音量を確認する

基本的にPCでDJをする上ではオートゲイン機能が働いてくれるため音量に差は生まれませんが、USBやCD等の媒体でDJをする場合は曲ごとに音量が違って再生されることがあります。
事前に録音したmix音源を流す時に一番多いとは思いますが、事前に音量の調整をしていない場合は音量確認が必要となります。
前の曲より大きく流れても人の耳やスピーカーにダメージがありますし、小さく流れても違和感を覚えてしまいます。適切な音量に調整して流すことが必要となります。

6、次に流す曲の繋ぎたい箇所の拍数を把握する

2番目のポイントで話した箇所と繋ぐための拍数の確認をしています。
こちらの拍数がズレてしまうと、繋いだ時に綺麗につなぐことが出来ず違和感が生まれてしまいます。
違和感を生まないためにも、必要な工程の1つです。

7、次に流す曲の繋ぎたい箇所の終わり方を把握する

原理は3番目のポイントで説明した内容と同じです。
繋ぐ時に歌声が入ってこないか確認するために必要な行程の1つです。

8、次に流す曲の適切なEQの切り方を確認する

3種類のEQ(イコライザー)のどの箇所を切って再生開始すると、今流れている曲との間に違和感を生むことなくもしくは最小限の違和感で済ませることが出来るのかを確認するために必要となります。
EQの切り方を工夫するだけで綺麗に繋げられる可能性がある限り、極力挑戦したいとは思いますものね。


以上が現場でヘッドホンを耳にして実施している内容になります。
参加者の皆さまに関しては、単にかっこつけてたりパフォーマンスしているだけではないんだよ(むしろ自分にとってそんな時間はあまりない)ってことと、アニソンDJの方々にはこのような手法もあるんだな、といった気付きの部分でお役立ち出来ていますと幸いです。

他にこんなことも出来るよといったお話があれば、是非教えていただきたいと思っています。時間の許す限り、曲同士を綺麗に繋げるためにはどんなことでも取り組んでいきたいという姿勢でおりますので。

次の曲に繋ぐまでの時間って基本的には1分と少し、多くても1分30秒くらいとなるので、少しでも効率よく綺麗に繋げられるような手法を体得しようと日々努力を重ねている毎日です。

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。


ぷれい

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