【Rekordbox】安定したDJプレイへの近道、教えます。
「早く安定したDJプレイができるようになりたい」
これは、DJデビューした人みんなが抱える最初の悩み事。
幸いなことに、近年はDJ練習会の増加やDJ数の飽和によって、教えてもらう機会に恵まれることも多々あります。
ですが、中にはアニクラに通いだしたばかりでDJの知り合いがいなかったり、練習会に参加する一歩が踏み出せずにいる人もいると思います。
かく言う自分もその中の一人で、DJの師匠的な存在に恵まれなかったため独学で今までやってきました。
そんな自分ですが、こちらの悩み解決に少しでも貢献できるよう、自分が見つけ出した "安定したDJプレイが出来るようになる手法" をこちらに書き記していこうと思います。
DJの手法は十人十色で正解はございません。少しでも興味がある方はご参考にいただけると幸いです。
※PCDJ 且つ rekordbox 使用者向けの手法となります。
【基本編】
まず初めに、以下の3つの要点を抑えておいてください。
① HOT CUE はもちろん MEMORY CUE も活用しよう。
② HOT CUE と MEMORY CUE の打ち方は固定しよう。
③ ビートカウント表示機能 を活用しよう。
上記3点について、以下で解説いたします。
① HOT CUE はもちろん MEMORY CUE も活用しよう。
最初の頃は、HOT CUE も MEMORY CUE もなんじゃそれ?状態だと思いますので、以下のように覚えると理解がしやすいかと思います。
・HOT CUE:曲データの上に貼っておく付箋のようなもの
・MEMORY CUE:曲データに直接CUE情報を記憶させておくもの
始めたばかりのDJさんは HOT CUE は活用しているのに MEMORY CUE は活用していない、といった方が多いです。ですが、2つのCUEを活用することによって、後述するビートカウント機能が意味を成すようになります。
ちなみに HOT CUE と MEMORY CUE の切り替え方は以下画像の通りです。
HOT CUE と MEMORY CUE のショートカットキーも置いておきます。
② HOT CUE と MEMORY CUE の打ち方は固定しよう。
DJ始めたての頃の自分は「前の曲のアウトロの入りがここだから、次の曲のイントロのここから始めよう」なんて思ったりして、イントロの途中に HOT CUE を打ったりするというそのセトリのためだけの曲ごとにバラバラな HOT CUE 打ちをしていました。
ですが、現場で急遽即興のDJをしたりセトリ考える時間が無かった場合に慌てふためかないように、自分の中でキューを打つ規則を作っておきましょう。
以下は自分の例なのですが、この規則通りにもう5年ほどDJしてきていますが、何の不便さも感じることはありません。
CDJ-2000Nexus2 以降は HOT CUE は表と裏合わせて8箇所セットすることができますが、表と裏の切り替え忘れによるミスを防ぐためにわざと4箇所のみにしております。
後ほど説明しますが、この方法のおかげで自分はより楽に、よりスムーズに、より安定した繋ぎができるようになりました。
まだ自分の中でキュー打ちの規則を決めていなかった方は、騙されたと思って試しにこちらの規則に沿ってキュー打ちしてみてください。後ほど説明する実践編で大いに役立つこと間違いなしです。
③ ビートカウント表示機能 を活用しよう。
rekordbox には、非常に便利な "ビートカウント表示" という機能が備わっています。
こちらの機能を弄ることによって、打たれている次の MEMORY CUE までの拍数をカウントしてくれるようになります。
何も弄っていない状態だと、下図にあるように「現在位置(小節数)」にチェックが入っていますが、そちらを「次のMEMORY CUEまで(拍数)」に変更します。
こちらのビートカウント表示と MEMORY CUE を組み合わせた結果の画面表示が以下の動画となります。
HOT CUE D の裏に MEMORY CUE も打ち込んでおり、そこの地点に進むまでに -28Beats. -27beats. -26Beats・・・と表示されているのがわかるかと思います。
これは、次の MEMORY CUE まで残り28拍、27拍、26拍・・・と拍数を数えてくれているということになります。
この機能を活用することで、通常は耳で聴いて取るしかない拍数を可視化することができ、自身のDJ時間に大幅に余裕を持たすことができたり質を向上させることができる、と考えています。
詳細は次の実践編にて説明いたします。
【実践編】
上記基本編の①〜③を設定した曲を2曲用意します。
MEMORY CUE がしっかり設定出来ていると、波形内に赤い▼で表示がされますのでそれで判別してください。上記画像では、HOT CUE の裏にも MEMORY CUE を設定しております。
では、こちらの2曲を左デッキから右デッキの曲に繋げていきます。
DJは今流れている曲のアウトロと次の曲のイントロをミックスして繋いでいくのが基本です。なので、今回は左デッキの楽曲のアウトロと右デッキのイントロをミックスして繋いでいきましょう。
ここで、先ほど設定した HOT CUE とMEMORY CUE が活躍します。
まず、左デッキの楽曲のアウトロ開始地点(HOT CUE C)を中心線から1拍分先に進めてみましょう。すると以下のようになります。
見てお分かりの通り、上記画像ではビートカウント表示が "-31beats" を表しています。(曲によって -15beats や -39beats 、 -63beats などもあります)
これは、次に設定した MEMORY CUE まで31拍あることを示しております。次に設定した MEMORY CUE はどこかというと、基本編の②で設定したアウトロの終了部分(HOT CUE D 裏)ですね。
そのため、1拍戻すと -0beats と表示されますが、実際には -32beats、つまりアウトロ終了部分までに32拍あるということが見てわかります。なので、この曲のアウトロは32拍ということがわかります。
次に、次に流す曲のイントロ開始地点(HOT CUE A)を中心線から1拍分先に進めてみましょう。すると以下のようになります。
見てお分かりの通り、こちらも上記画像ではビートカウント表示が "-31beats" を表しています。
これは、次に設定した MEMORY CUE まで31拍あることを示しており、次に設定した MEMORY CUE はいうと、基本編の②で設定したイントロの曲調変化点(HOT CUE B 裏)になります。
すると、前曲のアウトロでやったように1拍前に戻すと表示は "-0beats" となり、実際には -32beats、つまり次の曲のイントロは32拍あることが見てわかります。
結果、2曲共にアウトロとイントロが32拍なため、この2曲を繋げるためには今流れている曲のアウトロが始まったと同時に次の曲のイントロを流し始めたら良い、ということがわかります。
以下が上記を実践してみた動画になります。(音が出ますので注意)
また、以下は2曲を前後入れ替えて撮った動画です。(音が出ますので注意)
こちらは今流れている曲のアウトロが32拍に対し、次に流す曲のイントロが16拍だとわかりました。
本来、この場合は前の曲のアウトロが残り16拍になった時点で次の曲を再生開始すればアウトロの終わるタイミングで綺麗に繋げるようになるのですが、今回は同様なビート音が続くイントロであったためイントロの最初の8拍を2回ループさせて強制的に32拍にしています。なので、今流れている曲のアウトロが始まったと同時に次の曲のイントロを再生開始しております。
ここまでで説明は大方終わりなのですが、最後に実際に現場でやるとどうなるのかを動画にしたので、そちらを解説して終わりたいと思います。(音が出ry)
まず流れている楽曲と同じ楽曲を反対側のデッキに入れ、HOT CUE C を押してアウトロの最初に飛びアウトロの拍数を確認します。
次に HOT CUE D を押してアウトロの終了地点に飛んで少し前に戻します。これをすることで曲によってはアウトロの終了直前から声が入っている曲があるので、普通にアウトロ終了と同時に繋げていいのか、それともアウトロ終了直前の声の部分を入れないよう注意しなければいけないのかの確認を行います。
確認が終わったら次流す曲の選曲に移ります。
次流す曲をデッキにロードしたら再生をし、イントロの拍数と曲調の確認を行います。最初から再生を続けるのは、曲によってはイントロ中にポイントとなる音もあるのでそれを聞き逃さないようにするためです。
今流れている曲のアウトロの拍数、アウトロの終わり方、次に流す曲の選曲、イントロの拍数、イントロの曲調の確認が終われば、後はパフォーマンスに徹します。慣れてくると、大体今流れている曲のサビ前には全て完了することができます。
「今流れている曲のアウトロが32拍で終了直前に声が入ることもない。次に流す曲はイントロが16拍で音圧が低めな始まり方だから8拍ループを2回繰り返して32拍にしよう。だからアウトロの開始と同時にイントロを開始すればよい」
と自分の中で整理し、今回の動画の繋ぎに至った次第となります。
今回の基本の3点を全て押さえておけば、いざ即興でDJをやることになった時にも慌てることなく安定してDJプレイを行うことができます。
ただ、そのためにはキュー打ちしてあることが前提にあるので、日々の HOT CUE と MEMORY CUE 打ちの作業は重要ということも最後に付け加えておきます。
自分は1日に10曲のキュー打ちをやってました。(最近サボってます・・・)
すると、1ヶ月で300曲、途中イベントとかでのキュー打ち等も含めると、普段使用する楽曲のキュー打ちなどあっという間に終わります。
最後に、現代はPCでDJが出来る時代です。なので聴覚だけでなく視覚も用いたDJプレイをしてもいいのではないかと思い、このnoteを書いた次第です。
ご納得いただける方は是非実践してみてください。
ぷれい(@sora_ama_pray)
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