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女性のためのヨガの教科書20
・丹田
二つのものが一つに集まる
「丹の意味」
丹田(たんでん)の「丹」(に)は元々水銀が採れる辰砂(しんしゃ)と呼ばれる鉱物のことを表している字で、辰砂は真っ赤な色をしているんですね。
そして古代中国では不老不死の薬の原料と信じられていて、高価な漢方薬として取引されたり、
仏像などに金メッキを施す際に鍍金材として使われたり、当時は金と並ぶ価値で大変貴重なものだったそう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B0%E7%A0%82
辰砂の赤は生命力を高める色とされて、
宮殿や神社などにもふんだんに使われています。
日本は辰砂がが採れると知られていて、
主な産地は紀伊半島ですが、地名に「丹」の付く場所は日本各地にありますよね。
丹後、丹羽、丹生、丹沢、丹原、丹波…などなど。
辰砂の産地なのでしょう。
かの空海、弘法大師は、「丹」の鉱脈を探す目的で全国を行脚したのだとも言われています。
今も高野山に息づくとされる空海ですが、辰砂の鉱脈を探し当てたのちは中国との貿易で莫大な富を得たとも、その富を使って真言密教の普及に取り組んだとも、その富で朝廷を動かしたとも言われています。
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丹田がなんとなく仏教と結びつくようなイメージなのはこのためでしょうか。
前項にも書きましたが、ラージャヨガのシステムであるバンダは下から上へエネルギーを引き上げるための動線であるのに対して、丹田はその場所一点、動が生み出される静の場所といった感覚です。
実際インドで瞑想する時は眉間に集中することを求められますが、
欧米だと心臓というかハート、そして日本だと間違いなく丹田です。
鎌倉は禅のお寺が多くあり、誰でも座禅会に参加できるのがありがたいのですが、
素人が一番安全に瞑想できる最初の集中ポイントなのかもしれません。
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ヨガインストラクター歴は18年。既に成人した息子をシングルマザーとして育ててきた経験から、ヨガを軸に、女性の生き方、医療でカバーできない健康のこと、などを発信していきます。