エビデンス
「エビデンス」という言葉を初めて聞いたのは今からたしか25年くらい前です。当時広告制作会社でプロデューサーをやっていた私。打合せ中にクライアントの宣伝部員が発した「エビデンスも忘れないでくださいね」が一瞬なんのことか全然分からなかった(何? エビデンスって??)。その後文脈というか会話の中で(ああ、領収証のことね)と分かったのですが。その打合せの数日後に行われるロケ撮影の際に現地ではいろいろとお金を使います。タレント撮影だったので撮影隊はかなりの人数。「顎足枕(食事代、交通費、宿泊費)」はきちんと把握しやすいのですがそれ以外の細かいものはきりがない。ロケ地のコンビニで「ウェットティッシュ買いました」。「缶コーヒー買いました」。などなど。そういうものはほかのクライアントなら全部「諸経費」一発で済む。でもそのクライアントさんはとてもとても〝きちんとやる〟文化がある企業というかなんというか。とにかくざっくりな感じは一切認めてくれず。事後見積りを出すときには実際何枚かレシートが足りなかったのを憶えています。それが私と「エビデンス」との最初の出会い。エビデンスという言葉、ここ数年でわりともう当たり前に使われる言葉になりましたよね。何か議論の場で使われるようになってからでしたっけ、「エビデンスは何?」みたいな言い方でしたか‥。さて、ここからが本題です。というかもう結論だけ言います。私はエビデンスを持っていないことも口にしていきたいなあと思っています。裏を取らずに自分のそのときの知識だけを使って話をしていけたらいいなあなんて。「NO検索主義」みたいな感じ。いいなあ。。いや、ムリかもしれない。性格的にというかなんというか。笑
いちけん