偉大なる釈迦如来vs殺人鬼アングリマーラ 4
この時アングリマーラに釈迦如来曰く、
アングリマーラよ、我は止まっている。
生死を超えた私には生きるべくして生きて
いる者を害する心はなし。
しかし、汝は生ける者に対して殺戮の心を
制することなし。
この故に我は止まりて汝は止まらずという。
といった微妙な発言によって悪心を捨離し
釈迦牟尼世尊の足を拝し、
正気に戻った指鬘外道はひざまずき慟哭し
ながら出家することを願います。
その時釈迦牟尼仏はアングリマーラに向か
って、
比丘よ来たれ、と仰せになり彼はお釈迦様
の弟子になりました。
当時この原始仏典を読んだ私の感想としま
しては、
あれほど凶悪な殺人鬼をたった一人で改悛
させたのみならず、
99人もの人々を殺害し指飾りを作った指鬘
外道を、
何の躊躇もなく自らの弟子にしてしまう懐
の広さと慈悲に圧倒された記憶が甦ります。
しかし、暴悪な殺人鬼であるアングリマー
ラの凶行は国王である波斯匿王にも届き、
五百騎の軍勢を引き連れ釈迦如来のもとに
到着しました。