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野性爆弾くっきーのデザインした家でデジタルデトックスしながら会社のミッションを考えた

(2019年6月当時の記事です)

いろんな会社でビジョンやミッションを考えるのが流行っていますね。
ミッションは社内の議論に道しるべを提供してくれるし、自分たちがなんの為に存在するのか?という問いに答えられない状況は非常にストレスフルです。

そこでPrAha Inc.でも「ミッションを決める合宿をしよう!」と、鎌倉の海沿いにairbnbを借りて1泊2日で乗り込みました。 泣くことも笑うことも許されないタイトなスケジュールを組み、朝9時に逗子集合。怒涛の2日が幕を開けました・・・

〜当日〜

いきなり1時間遅れました。どういう事だってばよ。仕方ないので彼の到着を待つ間、逗子海岸で時間を潰す事にしました。

ちなみに今回の合宿では「パソコン、スマホ一切禁止」というルールを課しています。せっかく社員が一堂に集まる貴重な機会に、それぞれが自分の世界に閉じこもっていては意味がありません。

365日のうち2日くらいは自分の世界じゃなくて、お互いに集中しても良いんじゃない?というコンセプトの元、我々は2日ほどデジタルデトックスをする事に。なので道中の写真は全て一眼レフで撮ってます。

〜逗子海岸〜

ブラジル発祥のスポーツ「フレスコボール」で遊びながら時間を潰します。
5分間で打ち合ったラリーの数を競う競技で、遊んでみると滅茶苦茶にハマります。
ラケットとボールを手にすると「その打球、消えるよ」とか言いたくなるのが20代後半

しかしコレだけでは流石に全員が1時間は保ちません。たまたま僕が近くに住んでいるので、仕方なくSUPを持ち出して

みんなで、せっせとSUPを膨らませます
「border-radius甘いんじゃない?」「すみません」
デザイナーの目が光ります
致し方なくSUPに乗ってしばらく時間を潰します。
どんどん沖に流されていきます
心配しながらも「日が落ちるまでには帰ってくるんだよ」と暖かく送り出します

SUPにも乗れず、フレスコボールのラケットも持てなかったメンバーは時間が余ったので筋トレをしました

柔道やってた頃に死ぬほどやらされた手押し車。こんなにしんどかったっけ・・・

凄まじく暇なので「ITベンチャーの役員っぽいポーズ取って」とリクエストして写真を撮りまくりました。5年先まで見据えた目をしていますね。

「昨今の米中貿易摩擦に関してどう思いますか?」

よく分かんないです」との事でした。

まだ時間が余ったので、他の役員にもインタビューしました。日中貿易摩擦、どう思いますか?

よくわかんないっす

ITスタートアップにとっては縁遠い話題のようです。

一人だけミュージシャンのような佇まいです。昨年の夏頃に逗子海岸でトランペットの練習をしていたようですが「逗子海岸は演奏禁止なんだよ」と伝えたところこの表情になりました

弊社デザイナー。えらくSUPにハマっていましたが、どんどん西に流されていく様を、僕は何もできずに見守りました。
どうしようもなく時間が余ったので、スイカを地球に見立てて今後20年のグローバル戦略を語りました。ITとイノベーションでファンタスティポです。

〜鎌倉へ〜

あれ、僕たち何をしに来たんだっけ?と思い始めたころには13時を過ぎていました。 急いで昼ご飯を食べて鎌倉に移動して宿にチェックインします。こんな宿です。

非常に綺麗でオシャレですね。事前情報として「テレビに取り上げられた事もある宿」とは聞いていましたが、果たしてどんな宿なのでしょうか。

突然の腕

まず、テーブルに腕が沢山生えています。

意味が分からないかもしれません。安心してください、僕たちも同じくらい意味が分かっていません。

埋まった顔、そして腕

部屋の隅には更に沢山、腕が埋まっていました。

先ほどのテーブルと合わせて20本近く腕が生えていました。すごいですね。

更によく見ると人の顔が埋まっていました。恋しさとせつなさと心強さを足して3で割ったような表情をしています。

更に、顔

部屋の壁には不思議なクリーチャーがいっぱい描かれていました。男性と女性に分離する前の人類を描いた古代の壁画のようです。 明るい時間帯に見れたからよかったものの、コレを夜に見ていたら28歳とか社長とか色んな肩書きを捨てて僕は確実に漏らしていたと思います。

よく見ると「野性爆弾くっきー」との文字が。

野生爆弾くっきーがプロデュースした家

部屋に無数のクリーチャーが出現するまでの経緯を家主に伺いました。

  • 家を買った直後に台風でデッキを吹き飛ばされて途方に暮れていたところ

  • たまたま近くを通ったテレビ局のスタッフが

  • 費用を負担するので改築する様子を撮影させてほしい、と打診してきたので

  • 全部まかせたら

  • 野性爆弾が来た

まさか野性爆弾が投下されるとは思いもよらなかったでしょうね。

気を取り直してミッション策定開始

野生爆弾の直撃を受けて動揺したものの、早速「ミッション」策定に取り掛かります。

ちょっと真面目な話をしますが、僕は「ミッション」とか「ビジョン」という外来語?カタカナ語?和製英語?が嫌いです。 普段の自分の会話や文章からも、極力カタカナを排除するように心がけています。

なぜ無理してカタカナを使うのか?

そもそもミッションを決める目的は「社内の議論に共通指針を与えるため」とか「社員の共通目的を醸成するため」とか、共通の何かを見出す事です。 全員がブレずに共有できる共通言語を見つける事が目的なのです。

では「ミッション」と聞いた時、あなたはこの言葉をどう定義しますか?
任務でしょうか?使命でしょうか?なすべき事でしょうか?

カタカナや外来語は日本語に対して直訳が存在しない事も多く、そんな言葉を使った時点で定義がブレます。僕にとって現代のカタカナは思考停止の象徴で、見るだけで吐き気がします。多くの日本人は思考する時に日本語を使うわけですから、

直訳が存在しない=日本語で言えない=思考が言語化できない

あえて言語化できない思考を持ち込む理由があるのでしょうか。ゆるい基盤に堅牢な建物が立てられないように、ゆるい出発点から明確な結論は導けません。

なので僕たちは「ミッションみたいな、曖昧なカタカナを使うのは辞めよう」という事をはじめに会話しました。

著名マーケター:いろはすがなぜ売れたか?カタカナを使っていないからです

なぜ会議で結論が出ないのか?

僕は現代のカタカナに次いで「何も決まらない会議」が大嫌いです。数多くの「決まらない会議」を見てきた結果、ある共通点を見つけました。 決まらない会議には、問いが無いのです。

例えば「前回の障害の振り返り」という議題には、答えるべき問いがありません。問いの無いところには、答えも結論もありません。 「振り返り」という行為は人によって定義が異なるため、原因を明確にするのか、次の行動を明確にするのか、どのような形で結論を出力するのか、みたいなブレが発生します。

同様に「行動指針」とか「使命」とか、とにかく名詞には多くのブレが存在します。 人は想像以上に異なる世界、異なる言語理解の積み重ねの上に生きています。

「偉そうなこと言ってないで話を先に進めてくんねーかなー」の図

なので僕たちは「問いの形で目的を定義しよう」と合意しました。

①思考停止を招く言葉を使わない
②問いの形にする

この2点に注意した結果、以下の問いを設定しました。

PrAha Inc. は何のために存在するのか?

ちなみにこの議論の前段階として、各社員には様々な事前作業に取り組んでもらいました。

マンダラチャート

大谷選手が使用した事で有名になりましたね。
蛇足ですが大谷選手のマンダラチャートを見ると大半の目標が下半身強化により達成できる見込みで、野球という競技における下半身の重要性を再認識します。

我々の場合は下半身を強化してもあまり意味はないので「働くのが楽しい会社とは?」という問いを中心に据えて、構成要素を書き出していきました。

好き嫌いシート

各々が担当している業務を羅列したうえで「好き」か「嫌い」に分類します。 結局何をしている時が一番楽しいの?という疑問を明確にするために実施しました。

結論

僕らの自分語りを聞かされてもあんまり楽しくないと思うので、結論へ急ぎます。

問い:PrAha Inc. は何のために存在するのか?
答え:人のために考え、人のために作る ため。

ためためうるさいですね。説明します。

説明しよう!

我々がマンダラシートや好き嫌いシートを作った結果、共通して全員が幸せを感じるのは以下の瞬間でした。

  • 自分の頭で考えている時

  • 何かを作っている時

  • 作ったものが誰かの役に立った時

僕たちは、考える事を許されない状況(慣例で続けられる無駄とか)に耐えられないし、善良な人の役に立たないモノ(弱者から搾取するサービスとか、ただお金を作るためのサービス)は作りたくない。

人の役に立つものを考えて、作りたい。それを言語化した結果「人のために考え、人のために作る」という存在理由にたどり着きました。

世にも奇妙な物語

結論が出たらヒマになったので、寝るまで皆でテレビを見ていました。今回の「世にも奇妙」は、イマイチ尖った回が無かったように思います。雪山で遭難して山小屋の四隅に寝ている仲間を起こし合う回は、未だに僕の中では破られていません。

翌朝

ざざぁーん・・・・ざざぁーん・・・潮騒と朝日で自然に目覚める。これが人間にとっての幸せの形ではないでしょうか。

海で遊ぶと寝つきがよくなるのか、社員は皆、朝まで爆睡してしまいました。

僕は海沿いの部屋で泊まれる高揚感から目が覚めてしまい、SUPボードとウェットスーツをお借りして朝サーフィンを楽しみました。

「朝飯前にサーフィンしてる自分が居る」と認識した瞬間、自分の内に眠ったオシャレ細胞と自己承認欲が大爆発してヘヴン状態を迎えました。

朝食

今回の宿は、なんと朝食付き!しかも家主さんは週末にカフェを経営しているらしく、3種類の中から選ぶ朝食はどれも絶品揃いでした。

空中コーヒー

しかもよく見ると壁に板が取り付けられていて、空中でプラプラしながらコーヒーをいただける仕組みが!

これも野性爆弾くっきーの考案だそう。お笑い芸人は常に新しいことを考えるのが仕事ですから、こういった想像力が鍛えられているんですかね。座っていて楽しい空間というのも珍しいと思います。

ただ真下には恋しさとせつなさと心強さが居ました。

本当に良い宿

くっきー作品に面食らったのは事実ですが、部屋は綺麗だし、家主さんはとても優しいし、ワンコも居るし、海は目の前だし、朝は波の音で起きれるし・・・何度でも訪れたい宿でした。

総評

合宿って、良いですね。定期的に開催したい。次回は開発合宿を開催して、2日間でハッカソン的にサービスを作りたいですね。

デジタルデトックスの効果

ついでに2日間デジタルデトックスして分かった事を書いておきます

  • 疑問が増える

  • 自分で考えるようになる

  • 会話が増える

疑問が増える

スマホを見ている間、あなたの脳は基本的に死んでいます。ぼーっとinstagramやtwitterを眺めている間、脳はインプットに精一杯で、思考していません。しかしスマホが使えないとあまりに暇なので、仕方なく周りの物を見たり、誰かの身につけているモノに注意したり、身の回りから思考の起点になるものを探そうとします。すると「どうして生しらすは都内に流通しないのだろう」「バスよりROIの低い移動手段は存在するのか」みたいな疑問が生まれやすくなります。

自分で考えるようになる

すぐに調べられないので自分たちの頭で考える癖がつきました。「しらすは鮮度が落ちやすいのではないか」「釜揚げした方が利益率が高いのでは」「取れる量が制限されていて、江ノ島を訪れる観光客に全部食われているのでは」などなど、説を提案して議論するのが楽しかったです。

会話が生まれる

疑問を起点に会話が生まれ、そこから新しいアイデアが生まれる事もしばしば。普段は話さないような事も話せて、お互いについて少しだけ詳しくなった気がしました。

そんなPrAhaでは仲間を募集しております。潮騒で起きるのが好きな人、下
半身を強化したい人、外来語が嫌いな人をお待ちしております!あとエンジニアとデザイナー!

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