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君たちは どう 生きるか

2023.07.25_記

《興行収入》

公開日初日だから?
スタジオジブリ作品だから?
宮﨑駿監督だから?

理由はともかく、上演時間20時10分~にも拘わらず観客は多い。
高槻でこんなに多くの人と一緒に映画を観るのは初めてだ。(笑)

 この2日前、「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」の時は10数人ほどだった。これでも多い方で、ほとんどの場合10人足らず。かなり以前になるけど、木村拓哉さんの「HERO」の時は、最終日の最終時間で一人だった。
 この映画館、そのうちなくなるね。
 と、経営状態を心配していたくらいだ。

 私が高槻で観るときの上演時間は最終がほとんど。この時間帯だと、子ども連れのファミリー層は避けられる。子ども連れのファミリーだと、かなり高い確率で食べ物を持ち込む。他人の咀嚼音で悩まされた経験はそれほどないが、できれば排除したい要素だ。

 でも、この映画は昼間の時間帯でも、子ども連れのファミリー層や小中高生たちが席を埋めることはないだろう。「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」をイメージして観に行った宮崎アニメファンは、首をかしげながら劇場を後にすることになるからだ。多分…。

で、興行収入について。
 ジブリ作品の合格最低ラインは100億円らしいが、この映画は大きく下回ると思う。「鬼滅の刃」のように評判が評判を呼んで…、みたいな現象は起こらないだろう。でも、コアなファン層や映画好きだけでも50億円くらいはいくのかな?
 最終的には80億円と予想してみる。(笑)これでも一般的には凄いんだけど、宮崎駿監督・最終作品が宮崎アニメの最低興行収入更新!なんてことも十分あるのでは。

 興行収入・観客動員数等を前面に出して、作品の善し悪しを語る薄っぺらなマスコミ報道が出てきませんように。


《初体験》

 通常、私が映画を見に行く前に得る情報は、「監督」「出演者」「予告編ムービー」程度。だから、今回のように公開前に一切宣伝をしなかったこの映画も、私にとってはそれほど特殊な状態ではなかった。

…はずだった。

 でも、よくよく考えてみれば初体験。いつもなら「予告編ムービー」などから、その作品のテイストや方向性が想像できる。アクション映画なのか、ラブストーリーなのか。時代は、近未来なのか、現在なのか、過去なのか。主人公は、男なのか、女なのか、子どもなのか、大人なのか、それとも動物なのか。

 昔、TVで名を馳せた伝説の料理人がレストランを開いた。予約したけど、和食?中華?イタリアンかも?分かっているのは、「○○○のカルパッチョ」とか、「□□□の△△△煮」とかじゃなく、「君たちはどう食するか」と言う料理名だけ~、みたいな感じ~?(笑)

 例えば、タイトルが「ゴジラ」とか「インディ・ジョーンズ」とかなら、過去作品からある程度のことは想像できる。ところが今回のタイトルは「君たちはどう生きるか」だ。あと、分かっているのは「宮崎駿監督作品」と言うことだけ。過去作品の「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」などとは明らかに違う。

「君たちはどう生きるか」

 
これって誰に問いかけてんの?普通に考えれば見る人たちなんだけど
ひょっとして、作中の登場人物!?同業者だったりして…
 ま、まさか、アニメじゃなかったりして!!!!!

 まさか、観る前に私に色んなことを考えさせていたこの「初体験」が、「私の失敗」に繋がることになろうとは。(^_ ^;)


《私の失敗》

 映画が始まると直ぐに私の頭の中を駆け巡り始めたこと、それは

「この声、木村拓哉!?」
「似てるだけ!?」
「いや、木村拓哉だ!」
「ひょっとしたら違うかも?」

ちょっと映画に集中できない時間帯が続いた。
これが一つ目の失敗。

もう一つの失敗は、
「君たちはどう生きるか」というメッセージ性の強いこのタイトル。
・物語が進む度にこのタイトルが頭をかすめる。
・新たな登場人物が現れる度にこのタイトルが頭に浮かぶ。

 気がつけば、客観的に映画を楽しむことができなくなっていた。自分のこんな状態に気がついたのは、始まってから1時間後くらい。

・タイトルを意識しすぎて
・タイトルに邪魔された
・初めての映画鑑賞 (>_ <)ゞ

 そう言えば昔、それぞれの場面は面白いんだけど、ストーリーがまったく追っかけられない「夢の遊眠社」の芝居を追っかけていた頃、作・演出・主演の野田秀樹さんが、「何の物語か分からなかった、でも面白かった」と言っているファンへのメッセージとして「それでいいんです」と言っていたことを思いだした。

この映画、心新たに、もう一度観なければ!(-。-;)

《私の評価》

 乱暴な言い方をすれば、千と千尋の神隠し2023年バージョン
観た方がいいけど、特にお薦めはしません。理由は、映画はエンターテインメントでなければならないから。自論ですけど…

高槻アレックスシネマ
(2023年7月14日)

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