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おんぶに抱っこで、ご免なさい

朝が来て、おふとんの中でぐずぐずしながら
ヨシコちゃんは毎朝のように言うのです。

「今日も、よろしうお願いいたします」
私は答えます。
「こちらこそ、よろしうお願いいたします」

ヨシコちゃんは続けます。
「ばばのお世話をさせて、ご免なさい」
私は答えます。
「お世話をさせてくれて、有難う」

ヨシコちゃんが重ねます。
「おんぶに抱っこで、ご免なさい」
私も返します。
「おんぶに抱っこさせてくれて、有難う」

そして、少し照れながら加えます。
「小さい頃、おんぶして抱っこして
 大切に育ててくれて、有難う」

さらに、声を小さくして添えてみます。
「そのお返し…」と。

「そう言ってくれて、嬉しい」と
はにかむヨシコちゃん。

小さくなったヨシコちゃんの背中を
ふとんの上からハグすると
麦わらのような匂いがします。

こうして、ヨシコちゃんは朝を迎え
朝ごはんを食べて、お昼ごはんを食べて
夜ごはんを食べて、時々トイレして
週に2回、訪問リハビリして
テレビで時代劇やニュースを観ながら
居眠りをして…

夜が来て、ヨシコちゃんと一緒に眠りにつく
変わりないけど、代わりのない一日に感謝です。

【おまけ】
大晦日せまる師走の今朝のヨシコちゃん
起きたとたんのオコトバ
「起きた(沖田)~、総司~」💦

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