マッチングアプリ
人を傷つけてはならない理由とは何だろうか。
法や社会の話ではなく、あくまで僕たち個々人の、一人称的で自己中心的な観点において。
どれだけ広義においても、自分の所属する、または定期的に通過するコミュニティに属する人間を、僕は傷つけてはならないと思う。
逆に言えばそれ以外の人間は、何か法に触れて自分にも不利益が降りかからない限りにおいて、傷つけてもかまわないと思う。
前者は何らかの形で自身に害がある可能性が高く、後者は低いからだ。
きわめて実際的で無情な考え方ではあるが、一応の理論にそった、筋道の通った考えであると思う。
僕は筋道が通っているかを大切にする。
それがどのような道なのかは、そのことに比べれば問題にもならない。
だから、僕はマッチングアプリで関わる人間は、僕のことを好きなだけ傷つけ、裏切り、筋を違えてもかまわないと考えている人間であると仮定している。
ほとんどの場合、彼女らと僕は共通したコミュニティを持たない。
僕の方だって、彼女らのことを好きなだけ傷つけ、裏切り、筋を違えてもかまわない。
実際にはそんなことはしないが。
どう転んでも、マッチングアプリ上において女性は選ぶ側であり、男性は選ばれる側であるからだ。
そこには明確な優と劣がある。
どれだけ自我を出すかといった点においては、男性はへりくだって然るべき立場である。
だからこそ、わざわざデートを断ったり、返信が遅くなる理由を述べる女性は、とてもステキだと思う。
そこに仁義を通す必要など、本来はさらさらない。
仮に男が高級フレンチフルコースを予約し、当日女性が来ずにキャンセル料を背負わされても、それで女性は一切の不利益を被ることはない。
まあ、女性が盲目的になった瞬間に、多くの男はつけあがる。
バランスは取れているのかもしれない。
なんというか、モラルイズビューティフルという話。