SFC版ロマサガ2を遊び尽くした人間がリメイクロマサガ2を遊んでみた。 だが……
タイトルの通りロマサガ2を遊び尽くした私が、ようやくロマサガ2のリメイクを遊ぶことができたので感想を残しておこうと思う。
遊び尽くしたというのもどれほどかというところを軽く説明すると
武器全種それぞれ統一でのクリア
完全人外パーティでクリア
最終皇帝1人でクリア
全アイテム入手クリア
4000年クリア
などなど、やり込みを重ね40回ほどはクリアしたタイトルで、私が最も愛するRPG と言っていいだろう。
このタイトルの発売が発表されたニンテンドーダイレクトはまさに青天の霹靂。
画面が暗転するとオープニングのBGMが流れ出し、「ん?ロマサガ2のオープニングの曲がなんでながれるの?」と思ったらまさかのリメイク発表。それはそれは驚いたものだった。というのも2024年の春にサガエメラルドビヨンドが発売されており、年内に立て続けに大型タイトルの発売があると思ってなかったので完全に寝耳に水の発表だった。
令和の世にロマサガ2がリメイクされるというその事実にまずは感謝。
ただ事前に不安視していた部分があった、まずはそこについての事前の不安と実感に触れていこう。
最初に心配していたのが戦闘の部分。タイムラインバトルというサガスカーレットグレイスから導入されたこのシステムをこのリメイクにも導入するという事前発表があった。サガスカやサガエメでのタイムラインバトルは高い戦略性を持った面白みがある反面、戦闘のテンポが非常に悪い。
それを頻繁に戦闘を行うロマサガ2に導入するという部分で不安があった。実際蓋を開けてみるとテンポは大幅良化されており、行動順が事前に把握できるぐらいの要素に留めていたのでこのシステムについては問題なく楽しめた部分だった。
キャラデザインについては主軸キャラにはオリジナルの小林智美デザインを踏襲しながらも、仲間キャラは新解釈を織り交ぜてとにかく女キャラはエロくしましたと言わんばかりのデザイン。そういうので良いんだよ。
その中でもオリジナルに沿った演出してとして個人的に好きだったポイントは、七英雄と対峙し七英雄バトルの楽曲が流れるとともにキャラがポーズをとるのだが、このポーズがSFC版のボスドット絵と同じになる。これは良い解釈を見せてくれたなとおもう。さらに七英雄バトルの楽曲の中にラストバトルのフレーズも織り交ぜられており、原作を遊んだプレイヤーにはピンとくる要素も織り交ぜられている。
全体的な感想で言えば良作リメイクということになるだろう。
ロマサガ2の魅力を残し、オリジナルの特徴的な演出はなるべく再現するよう努力もされていた。
不遇だった武闘家にも大幅なテコ入れが入り強キャラになっていたし、戦闘バランスも見直され各技の個性も属性を交えることで際立たせていた。
ただそんな中でどうしても残念だったポイントがいくつかあった。
まず、最初のクジンシー強すぎ問題。
ロマンシングサガ2の面白いところはクジンシー撃破後の自由度の高さにある。
しかし今作は難易度オリジナルで始めると、異様に強いクジンシーに付き合わされる。
こういうゲームだということなのかもしれないが、ここのクジンシーに時間を割きたくないというのが本音。ここはもう少し易しくてもいい。
2個目の不満点は術レベルの引き上げがめんどくさいということ。
原作では高レベルで覚える術を術研究所で覚えさせれば、その術を覚えるレベルにまで自動で引き上げてくれていたので、この要素を無くさないでほしかった。
それと同様にアビリティの極意化を戦闘回数にしたことが本当にダルかった。60回戦闘は流石に面倒。
ここまでの要素はめんどくさいだけの話だが、唯一この要素だけは頂けなかったことがある。
それはラスボス戦のあらゆる要素である。
今作ではラスボス戦までの間に丁寧に七英雄のバックボーンが語られてきた。これは原作ではあまり言及されてこなかった部分であり、本来ストーリーの本懐を知るにはそこそこのやり込みをしてようやく断片的に知ることができるという内容だったが、今回は「悲劇の英雄」という側面を強く押し出しその辺も丁寧に見せてくれた。
だが…
どうもラストの演出というか、作りがイマイチ釈然としない。
あれだけオリジナルに忠実だった今作で、まずラスボスの七英雄戦での各キャラの登場順が違うことに違和感あり、開幕がロックブーケではなくノエルに変更されていたし、与ダメではなく毎ターン七英雄が登場するという形に変更になっていた。まあそれはそこまで大きい話ではない、問題はどう考えても「七英雄全員揃う前に倒す」想定で難易度が設定されているようにしか思えない強さになっていることである。
七英雄自体が強いというのはいいのだが、本来全員揃った本体とどのように戦うかというところがロマサガ2の最終決戦の醍醐味であるし、ストーリー的に考えても全員揃う前に決着つくのは味気ない。今作はレストレーションというサガシリーズでは相当なコストを払ってようやく打つことができる全体回復を、今回BPのみの消費で打てるというサガファンにとっては白目剥いてしまいそうな術が存在しているためか、敵がどれだけ高火力で殴ってきて良いというふうに解釈している節がある。全員揃う前に倒さないと畳み掛けられて負けるように作ってるとしか思えなかった。
撃破後の演出も、原作ではゆっくり1人ずつ画面の外ではけていき、最後に皇帝が崩れゆく七英雄を一瞥し、長きにわたる戦いの終わりを噛み締めるような演出で去っていった。
しかし今回は七英雄を倒すと地震がおき、この場が崩れると言って慌ただしく走って去ろうとする。
なんでこうなっちゃったの?ここまで丁寧に七英雄の過去を描いてきたのはここのシーンに重みを持たせるためだと思っていたのに、非常にガックリとくる演出だった。
本当にただただ惜しい、ここまで素晴らしいリメイクだったのだが、最後の最後に妙に雑な変更が入ったことが残念で仕方がなかった。
小言を書き連ねてしまったが、今の時代にこのゲームを面白く復活させてくれたことには感謝、個人的にはサガフロ2リマスターが楽しみなので早く発表して欲しいものである。
感想終わり。