【予想できるかこんなもん】トパンガチャンピオンシップ予選リーグを振り返る
先日幕を閉じたトパンガチャンピオンリーグの予選リーグだが、ご覧になった方々にとっては「まさか」の連続で、大人数の総当たり戦の面白さをたっぷり味わうことができたことだろうと思う。開幕前にいくつかリーグの趨勢や見どころを軽く予想していた前回のnoteをなぞりながら、実際はどのように推移したのか振り返ってみたい。
まず各ブロック結果を振り返ろう
Aブロック
Bブロック
Cブロック
※各順位表はhttps://twitter.com/topangajapan/status/1809224374433759631より出典
以上が3ブロックの結果だ。
各ブロック3位のもけ、カワノ、ひびきは後日総当たり戦を行い、本戦出場者を選抜予定。
まず、最初に言いたいことはタイトルの通り「予想できるかこんなもん」という結果だったことだ。
すでに決勝の本戦リーグに出場を決定した各リーグ上位2名、計6名のうち、4名が初の決勝進出。4名ともそもそもトパチャン初出場で決勝出場を決めていて、年齢という角度から見てもとにかく若い。3位通過まで見渡してもふ~ど、ももちの2人以外は20代、ひかるに至ってはまだ19歳と一気に若返った。
しかしながらこれを「時代が変わった」という風に評価できるかどうかはまた別ではないかと考える。
この結果を生み出した最大の要因は「イヤー2調整直後の開催」という開催時期によるところがあるのではないかと見ている。イヤー2調整は大幅な変更が入り、豪鬼、ベガといった新キャラの追加直後ということもあり、使用キャラの変更を行ったプレイヤーが大多数を占め、ある種試金石としてこのトパチャンを迎えていたことがまず一点。
そしてキャラバランスも大きく変動、前バージョンどちらかといえば弱キャラと目されていたザンギエフ、A.K.I.、リリーの強化をはじめ、今まで使用人口が少なく、キャラ対策を行う必要が無かったキャラ群が突如環境キャラへ変貌し、前バージョンより使い込んできた職人プレイヤー達のキャラ対策とキャラパワーが一気に結実したという一点。
さらにはこちらも開催時期の妙ではあるのだが、調整直後のこのタイミングでEWCの予選が世界各国で開かれていたことも無視はできない。賞金規模が非常に高いEWCの出場権獲得については新キャラよりも慣れ親しんだ旧バージョンの使用キャラを継続して使用するプレイヤーも多く。そちらの出場権を取るべく世界を転戦していたプレイヤーにとっては、新環境に合わせる時間があまり取れなかったことも憂慮すべきポイントだろう。
つまりは「開催時期はもうちょっとなんとかならなかったのか」ということになってしまうだろう。
トパンガチャンピオンシップに求めるものとしては超上級者達によるハイレベルな攻防なのだから、本来ならば調整によくなじんだ年末から年度終わり頃に開催されるのが望ましいだろう。もちろんそれを許さなかった事情があることも鑑みる必要はある。いかんせんスト6になってから毎週のように何かのイベントが行われている現状を見れば、一か月ほどかかるトパチャンを開催する時間が取れるタイミングが現状ここしかなかったのだろうというのは想像がつく。
もちろん、今年開催される大型大会でこのような20代選手の勝利が続けば新時代の幕開けという風に評価せざるを得なくなってくると思うので、その点は期待したい。
では各ブロックを軽くおさらいしよう。
Aブロック
このブロックについてはもけ、ヤマグチ、板橋ザンギエフの3名を注目選手に上げさせていただいていた。2日目まではまあまあ目論見通りの推移を見せていたのだけども、最終日に色々起きた。翔ベガ、りゅうきちキャミィという奇襲が飛び出し、しかもこれが非常に機能した。結果5勝3敗で4人、4勝4敗が3人並ぶ大混戦となったが、今バージョンのキャラパワーよりキャラ相性という部分が良く見えた面白いブロックだった。
悠々1位通過かと思われたもけの急転直下は、非常に劇的だったと言わざるを得ない。そして非常に苦しんだボンちゃんと板橋ザンギエフの両名。ともにスウェーデンでEWC出場権を獲得してから2日後のトパチャンに出場と非常に日程に苦しめられた部分はあっただろうが同条件のウメハラの頑張りも光る。両名ともにEWCの出場権を獲得しているので、そちらの活躍を期待したい。
Bブロック
こちらではED4人という非常に予想が難しいなか、抜け候補に挙げていたのはひぐち、そして若干のふ~ど有利という見方だったのだが、ここでこのブロックを圧倒したのはももちだった。トパチャン開始直前に見つかったEDのドリームコンボを完全に自分の物に練り上げたももちのプレイは圧巻と呼べるものだった。そしてふ~どについてはDJを起用してED戦を優位に進めるかと思いきや一貫しEDを起用し、6勝2敗の好成績。ふ~ど対ぷげらの結末はまさに必見の試合だ。
こちらも最有力と立てていたひぐちも2日終了までは良い位置につけていたのだが最終日に飲まれて行ってしまった。カワノの鬼気迫るプレイも素晴らしかったが、勝っているのにふ~どの追い上げによりどんどん状況が悪くなっていく様は悲壮感すらあった。
前評判が高かったぷげらは非常に苦しいリーグとなった。最終日にベガを起用し2勝上げることに成功したが、ED同キャラでの結果はふ~どとももちに2-3負けだったのは悔しいポイントだっただろう。
Cブロック
こちらは最初に全日程を終えたブロックだったが、まさに波瀾に次ぐ波乱という様相を呈した。開催前にはガチくん、ときど、ひかるの3名を注目候補にピックアップしていたが、蓋を開けるとまず目立ったのはこばやんだった。2日目を終えた時点で5勝0敗と他を圧倒、不利な組み合わせである鶏めしダルシムまでも退け最終日を迎えたが、1敗で追っていたガチくん、とひかるの両名の3名がリードする展開になると思っていた。
しかしその後ひびきが一気に勝ち星を伸ばし6勝ラインに到達。こばやんも最後失速し6勝2敗。最終戦で6勝目を賭けたひかる対ガチくんの「勝ったら通過、負けたら4位」の地獄の最終戦をひかるが勝負強く勝ち抜き見事首位通過。まさに総当たりの妙を見た。
今回の中で特にバラエティ豊かなブロックだったが、私自身ザンギエフを使用している肌感としてやりにくいキャラであるダルシム、リリー、A.K.I.が同ブロックに配置される悲劇によりこばやんが勝ち抜くのは難しいと見ていたが、その予想を覆してくれた。
裏返すと鶏めしの痛恨はザンギとリリーに負けてしまったところだっただろう。相性の悪い水派のキャミィに勝利できたことを踏まえると、抜けの可能性もあったように思える。
そしてもう一人の通過候補としていたときど、8試合中6試合が2-2までもつれる試合展開の中なんとか3勝を挙げたが、先行した展開から巻き返される試合がいくつかあり、ここを取り切りたかったというところだろうか。
何より悔しさがあったのはガチくんだろう。こばやん、ひかる、ひびきの3人に負けが付いたが、まさに今バージョン存在感を増したキャラクターにのみ込まれた。ドリームハックシカゴを優勝し、まさに今日本で一番強いと評される男の予選ブロック敗退は視聴者に衝撃をもって迎えられた。
以上が軽い振り返りである。
A,Cブロックで共通して起きたことがあったのが印象的。2日目のポイントリーダーが最終日に陥落するという展開だ。これはまさしく「TOPANGAスタッフのマッチメイクがめちゃくちゃうまい」ということに尽きる。よくいわれる風に言えば「腕毛の手腕」という奴だ。冒頭に開催時期についてよくないという旨の内容を書いたが、逆に言えばこの時期だからこそ見ることができた劇的な展開とも言える。
面白いものは面白いんだなと実感。あとは明日に控えたもけ、カワノ、ひびきの総当たり戦がどのように決着するのか、それが楽しみである。