折り合いをつけないために

仕事が好きだ。モニョモニョと悩むこともあるけれど、たぶんそこそこ、いや結構、仕事が好きなんだと思う。

入社して間もない頃、先輩と同行営業をしていた時に言われた。「吉田はさ、仕事が好きなんだと思うよ」。そう言われた時は、仕事好きの真面目一辺倒野郎になってしまったらどうしよう、と不安な気持ちになった(真面目コンプレックスの話はまた今度)。友達とごはんを食べていて、「仕事でこんなことがあってさー、でも仕事なんてこんなもんだよね〜」と笑う友達に、曖昧な笑顔を返すことしかできなかった。

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割り切る、折り合いをつける、清濁合わせ飲む。うまく手を抜く。苦手だ。正直でいたいと思う。変換したら「正直で痛いと思う」と出てきた。それも当たっている。

それでも入社して6年も経てば、人間進化するもので、ちょっとずーつちょっとずーつ落とし所の見つけ方が身についてきた(気がする)。そうなると「なお折り合いがつけられないもの」が見えてくる。どうやら残った“それ”が、わたしにとっての大事なものらしい。

ということで、折り合いをつけられないもの、言い換えれば「折り合いをつけたくないもの」はそのまま抱えていこうと決めた。だってかっこいいんだもん。わたしが憧れている人たちは、その仕事ぶりがかっこいい。芯があって、突き抜けていて、それでいてユーモアがある人たちなのだ。わたしもそっちに行きたい。もし明日、憧れの人にばったり出会ったとしても堂々としていられる自分でありたい。

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あかしゆかさんが書かれた記事を通勤電車で読んで、朝からぐっときた。

ーー人生における仕事の優先順位がとても高く、それがゆえに仕事を「がまんするもの」にしたくない思いが強いので、ーー

あと数ヶ月で現職を退職する予定なのだけど、「辛抱が我慢に変わってしまった」というのが決断理由のひとつにある。だからこの記事を読んで、スッと視点が定まった気がした。そうか、これまでの折り合いを”つけさせない”ための葛藤は、仕事が好きな自分の気持ちを守るための葛藤だったんだ。うん、仕事が好きゆえの苦しさだったんだなあ。

あと数ヶ月、まだまだエンジンかけて最後までやりきろうと思う。仕事、好きだから!

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