雑記8/10 人類の人生

SNSの友人の投稿を見ていた。彼女は大学生だ。フワちゃんがラジオ番組降板でショックだと書いていた。騒がれているのは知っていたけれど、気にしていなかった。ラジオ降板ほどの話だったのかと驚いた。それと僕はラジオとは縁のない人生だったので、そこも色々と考えてしまう。

まあ、問題発言も降板を悲しむ話も、どちらもSNSが私たちに届けたもの。私たちは、SNSが届ける情報を捉え間違う。「大きな声」が聞こえているように感じてしまう。余計なことをいうと僕は、芸能人や有名人に夢中になる気持ちがわからない。


この話とは別で、偶然、無数にある転落人生が気になっていた。過去にも今にもある。有名なラッパーのニュースが流れてくる。さらに広げるなら過去の偉人が問題を指摘され、キャンセルされていく。今はそんな時代にいるのだなぁと、暗くなりそうになる。

歴史を眺めると、ある個人の目線からすれば、とてもよい時代はあったようだ。大昔でも数世紀前でも前の世代でも。ある時なにかをつかんだら、上空で死ぬまで生きて、逃げ切れる人はいる。

戦後世代で、成功してバブル期やネット始動でテコが効いて、キャンセル時代になる前に亡くなった有名人や成功者はいる。成功者とは、成功逃げ切りということだろうか。キャンセル時代のキャンセルとは、死後も追いかけてきて、崩壊を強制してくるということだろうか。

「人類は失敗」だと、今の人類は示しているのではないか?示さないとダメなのだろうか?知性ある動物たちではまだ失敗状態で、人間になると成功状態。そのような思い込みが失敗しているだけではないのだろうか?なんで人類は成功した生物と思い込んでいるのだ?


ある個人が成功する時代は、時代の何かが拡大しているのだろう。僕らが知っているそれは、経済や情報が国境を超え、それに伴う拡大だった。その時代に成功が拡大した個人も、その時代が終われば同時に追われてしまう。その時代が終わる前に亡くならなければ途中で失速してしまう。つまりこれは成功者が成功原因ではなく、時代が召喚した成功者ということだ。

数年前に巨大テック企業の度重なる大量解雇があった。それに前後して、ネットやデジタル方面で、いくつもの規制が出来上がった。

その界隈が縮小したから大量解雇に繋がったのだろうし、そこで追い出された界隈が表面化してきて、ネットを悪用した犯罪などの報道も見かけるようになった。SNSでステルス式の宣伝やPRもしにくくなったのか、そのようなひねったものではなく、直球にしなければならなくなったのかもしれない。宣伝画面も急激に増えた。

仮に、人生が終わった時に勝率4割が中央値付近なのだとしたら。負けが6割。この6割の負けを少額で済ませることができるのが、最終的な勝者。自滅のない負けに進んで手を伸ばせばよいのだが、勝てないタームに勝とうとしてしまうのが普通の人だ。


21世紀の00年代から10年代前半の頃、僕らがネットに未来を感じられていたのは、宣伝など大人の事情に左右されないメディアだったからではないだろうか。気づいたら(気づかなかったが)ステルスも含めて爆発的に商業活動やPRが増えていた。全く逆の未来が訪れていた。そして15年代以降、また20年代に入って、SNSの仕様が変わった。他者とのつながり方が変わり、出会い厨なのか業者なのかわからなくなった。インプレッション稼ぎなどが表面化した。

18年と23年に、社会の変化があったように感じている。そこで、数年前に社会人になった人たちと、時代が変わってから社会人になったかまだ学生の人とでは、だいぶ世界の捉えが違うように感じている。

縮小する界隈に居座りながら、まだ終わっていないとムキになる。元が巨大だったし、縮小といってもまだ巨大で、得られるものもまだ十分にある。

ただ、負けで勝ちを取るにはリターンが少なくなっているのだと思う。負け率や負け額が高まった中で賭け続ける。誰が得するかはわからないけど、カモになってもやめないでいる。発信業などがわかりやすいけれど、有名人でないと難しくなってきたらもう拡大期ではないだろう。有名人ではない人を召喚しなくなった。


いいときに調子にのることが成功体験になると、逆境にへこたれるくらいに人生をあげない。加速崩壊が待つか、崩壊を行くかなので、そのどちらの人生も敗者だ。時代の召喚でいうのなら、前者はもう時代から呼ばれなくなった。後者は召喚に備えていない。

ある業界に仕込まれきった知人女性が、だいぶ追い込まれている様子。それを見て、痛々しくてつらくなる。でもそこで仕込まれたことを信じているうちは、なにを伝えても無理だ。

確率の本を読んだときに、拡大と縮小の中でも最後まで賭けられる仕方が感じられた。ただ人文マンの僕の頭には、その説明が準備されていない。まあ人文マンだと、平家物語などの方が近いのだろう。ただ、勉強対象として近くても、生き方になかなか入ってこなかった。そこでギャンブルや株の確率などの話がわかりやすかったようだ。


ある「個人」が成功する時代はかつて無数にあったようだけど、「人類」にその時代は来たことがない。このような勝者は、世界一位を取ることとは違う。

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