見出し画像

生活保護を申請することになった話⑧【season2】

■はじめに

本日は3月30日(木)。
28日、29日と二日経った。今日は休みである。
さらに今後は、31日(金)、4月1日(土)とまた二日ある。
今はここまでのシフトしか出ていないが、そのうち4月のシフトもでるだろう。

残念なことに、工場のバイトは不採用だった。
まぁ未経験でもあるし、職歴もほとんどが接客と自営で工場向きではないので当たり前と言ってしまえば当たり前なのだ。

また、午前中のバイトを探さなくてはならない。
最近はバイトの求人を見ることをやめていたので、また再開しなければならない。今度は在宅ワークの類も視野に入れてみようかと思う。

●生活保護申請ルポルタージュ:「私と生活保護」

飲食店のバイトが2日経った。また明日もシフトには入っている。

明日でもう3月も終わりである。
長い長い3月であった。
今まで生きてきたひと月の中で一番長いひと月だった。

事件が起こり、パートナーが去り、生活が立ち行かず生活保護を求め、
受給に至り、久しぶりに履歴書を書き、求人募集を見て面接を受け、
飲食店は採用され働き、工場は不採用だった。
そしてまた履歴書を書いたり、面接を受けたりしなければならない。

私は豊かな生活、経済的に豊かな生活に興味はない。
収入を増やしたいとか散財したいとかそういう気持ちはない。
昨今では独身の男が趣味を楽しみ、好き勝手生きる様がもてはやされていると感じる。

例えば、独身男の自炊や料理、ソロキャンプや車中泊。
日常の寂しさや孤独感をうまく利用して、持ちうるお金とひとりの時間を使い楽しんでいる。
芸能人や芸人にもこの手の輩は多い。
料理を作る動画やキャンプの動画を上げている者は多くいる。
芸能人や芸人に関してはそれも半分ぐらいは仕事としてやっている場合もあるので一概に100%趣味かと言われればそうとも言えないが。

別にこういった趣味を一般人にせよ芸能人、芸人がやることを否定しているわけではない。むしろ羨ましいと思う。

日常のつらさや孤独をそうやって消化できることはとてもいいことのように思える。ソロキャンプなども自分の好きなキャンプ場で素晴らしい景色を眺めながらゆっくりする時間はとても有意義だろう。
自分の好きなものや食べたいものを自分で作って食べるのも作る楽しみと食べる楽しみがあってとてもすばらしい。

しかし私はそれを楽しいとかやりたいとは思わないのだ。
語弊があるかもしれないので具体的に言うと、
《日常から逃れる術や人生のサイドメニューにはしたくない》のだ。

もっと具体例を出そう。
例えば車中泊でのソロキャンプは私にとって非日常にはしたくないのだ。
私は海外でよくあるトレーラーハウスに憧れがある。
平たく言えば月に一回や二回ではなく、そういう生活がしたいのだ。

貧しくても、お金がなくてもそれでよいのだ。
ある分だけで暮らしていける。
私はお金よりも自分自身を大事にしたいし、自由でいたい。

だが、私がこれからやるバイトは私のためではない。
パートナーへの償いなのだ。この償いはまずお金でしか表せないのだ。

私はお金に負けたのだ。
今まで忌み嫌い遠ざけてきたお金が牙を剥き、
襲いかかったのがこの3月だった。
負けを認め、保護を求めた。自分勝手な要望を出し、
その要望に対して条件を出されて、生活保護受給中の身になったのも3月。

そして4月4日が最後の受給日となる。
役所から私に与えられた条件が期間限定での支給だからだ。

ひとつバイトが決まったので、生活はなんとか慎ましくできる。
しかしこのままではパートナーへの償いができない。
また求人情報とにらめっこの日々が始まる。

私はこの3月のことを生涯忘れないだろう。
10年以上にも感じたこのひと月を忘れることはできないだろう。

《つづく》


次回 生活保護を申請することになった話⑨【season2】

いいなと思ったら応援しよう!