可哀想な人
最後は同情もできなかった自分が居た
プライドだけがハルカスのように高くて、
理解したと言っても、理解できてないでしょの一点張りを言われ続け
それでも俺はベースを10年した、〇〇(私の名前)はテニス何年したの?6年でしょ?俺は10年だよ?
と言ってきた彼をみて
頭が追いつかなかった
10年やっても売れていないことを晒しているだけじゃないか
私は6年のテニス人生で自分の思う以上の結果や周りからの信頼、今後生きていく上で必要なことも人として学べた自信があった
彼はどうだ
帰宅するなりバンドメンバーの愚痴
家に帰っても練習はせずYouTubeを見てるだけ
打ち上げに出た日次の日は二日酔いでバイトを休み、そしてまた飲みにいく
だから10年してても売れないベーシストなんでしょ
ってことを自身で言ってきたようなものだ
継続は確かに力だ
しかしその過程で学びがないと結果に結びついてこない
努力に対する考え方が違った
彼が前まで属していたはバンドは、彼が脱退後にメジャーデビューし、フェスやライヴに引っ張りだこだ
悔しい気持ちも知っていた、だから今のバンドで売れるとあれだけ言っていた彼を応援していた
いや、素直な気持ちで応援できていたのは最初の頃だけだ
そのバンドより売れたい気持ちがあるのなら、もっとこうするだろう、作詞作曲もしたらいいのに、また嘘をついて女と飲みに行ってるのか、彼が本当に手にしたいものは賞賛だけなのではないか、音楽で売れるのではなくキラキラしたいだけなのではないか
そうずっと思うようになっていた
結局どれだけ行動できているかを私は見るため、気付けば全く応援できていなかった
それでも大きなサーキットに出演が決まった時や、対バン相手が有名バンドの時は素直に嬉しかった
別れ際には、
結局〇〇(私の名前)は、売れてるバンドマンか定職に就いてる人と付き合いたかったんでしょ?
と嫌味を言われた
まず私の概念として、恋人の職業や地位などどうでもいい
ほんとーにどうでもいい
ただ、何か目標があり努力している人が好きなのだ
その目標が茨の道と分かっているのなら、覚悟を持ち生活を、暮らしを、過ごす人が好きなのだ
今の彼はそうじゃなかった
いや、ずっとそうじゃなかっただけなのかもしれない
恋の魔法で見えていなかった部分が見えるようになり、それを受け入れられなかっただけかもしれない
もはや、定職に就いていて年収が多いから偉い、や、
売れてるバンドメンバーだから、などという類で人のことを見たことがないため、そのような発言をされたことが心外だった
文字にするとよくわかる
彼と私はもう終わっていた
終わりを先延ばしにした恋愛をしていただけだったのかと思う
話し合いにも応じようとせず分かり合おうともしない人に使う時間などない
トラウマを植え付けられた分、少しくらいズル賢くなっても神様は許してくれるだろう
明日はバイト先の上司と後輩ちゃんとご飯に行く
終電を逃したら彼の家に行き彼の部屋に届いている荷物を取るという口実で泊まろう
私は私を辞めないし、私は私を好きで居たい
指一本触れさせない
ただ、時間を気にせず遊びたいから利用する
もう終わったのだ
だからいいのだ
未練があれば会うことを恐れるだろう
恐ろしいくらいに開き直って寂しくない自分が居る