基礎から学ぶ骨盤帯
こんにちは、Leeです(๑˃̵ᴗ˂̵)
腰痛マガジンの初回投稿なのに
「骨盤帯かい!」と突っ込まれそうですが、
あえてこのテーマにしました。
なぜなら、前回の岡さんの記事でも
ありましたよね。
定義が大事!!!
ということで、おさらいです。
腰痛の部位は
一般的には触知可能な最下端の肋骨と臀溝の領域の間に位置する
(腰痛ガイドライン2012)
えっ!殿溝ってどこ???
ここです↓↓↓
(※引用文献は下のリンクから)
これって殿部がはいってる…
つまり骨盤帯ですよね⁈
そして患者さんは意外と殿部の痛みを
腰痛として訴えられることがあります※。
※松平 浩 他.腰痛とはどの部位の痛みをいうか―患者,整形外科医へのアンケートによる調査.日本腰痛会誌,7(1): 49 – 54, 2001
また、腰部を家として例えると骨盤帯は家を建てる時の下地、つまり基礎となる部分です。
地震にあってグラグラしてる家を直そうと思って耐震対策しても、
その下の基礎がしっかり機能してなかったら
ダメだというのは理解できるんじゃないでしょうか。
「腰が痛い」の原因が「腰」ではなく土台となる「骨盤帯」にあるとしたら、腰にアプローチしただけでは良くなりませんよね。
骨盤帯を理解する=腰痛の基礎を学ぶ
分かっていただけましたでしょうか?
この記事は次のような方にオススメです。
◉骨盤帯について一から学びなおしたい
◉骨格を立体的にイメージするのが苦手
では、さっそく基礎を積み上げていきましょう!
1.骨盤帯の骨格と機能
骨盤帯を一つの骨として考えると、
人体の中では大きな骨ですね。
そして、性差があるというのも大きな特徴です。
これは骨盤帯が排泄や生殖に関わる
重要な骨盤内の臓器を守り、
腹腔内の臓器を重力に逆らって支えているためです。
また、力を伝達することも重要な機能です。
骨盤帯が全く動かない一つの骨であればいいのですが、出産時には動かないと赤ちゃんは外界に出られません。
可動性を持ちつつ
力を伝える為の強固さも必要とされるのが
骨盤帯の宿命なのです。
2.骨盤帯の関節と靭帯
骨盤帯は
腸骨・坐骨・恥骨からなる
寛骨、仙骨、尾骨からできていますが、
関節としては
仙腸関節と仙尾関節、恥骨結合の3つです。
下の写真の中のランドマークは様々な評価で使いますので覚えておきましょう。
<骨盤を前方から見た写真>
※この模型には尾骨がなかったので
仙尾関節は記載していません。
<骨盤を後方からみた写真>
骨盤を側方から見た図
仙腸関節は
加齢と共に関節面が変形してきます。
新生児期では仙腸関節の関節面が滑らかなので
可動性がありますが、
男性では30代、女性では40代から
関節面の変性が起きると言われおり
可動性も低下していきます。
骨盤の靭帯
仙腸関節には強固な靭帯があります。
◆骨間靭帯…仙骨粗面と腸骨を強力に結び、仙腸関節の離解を防ぐ
◆長後仙腸靭帯…カウンターニューテーション※を止める唯一の靭帯。
骨盤帯痛を持つ人が圧痛を持っていることが多い。体表から容易に触診できる。
※仙腸関節の動きについては下で説明します。
長後仙腸靭帯の触診と評価については
動画をご覧ください↓↓
【長後仙腸靭帯の触診と評価】
◆仙結節靭帯…大腿二頭筋、大臀筋、多裂筋、梨状筋が直接付着し、仙腸関節全体の安定に関わる、ニューテーションを制限する
◆仙棘靭帯…仙結節靭帯と同じくニューテーションを制限する
恥骨結合の靭帯は恥骨結合の上下に位置して恥骨結合の離開を防ぎます。
歩行時に恥骨結合は左右の寛骨による運動の回旋軸として働くため安定性が重要な機能となります。
恥骨結合の上に位置する上恥骨靭帯は腹直筋と連結、下に位置する恥骨弓靭帯は内転筋と連結しその結合を強固なものにしています。
3.骨盤帯の筋
骨盤帯には様々な筋肉が起始停止を持っており、
それぞれの筋の状態で骨盤のアライメントが決定します。
今回は今後の記事で扱うものをさらっと紹介します。
ところで、上の表で赤字になっている内閉鎖筋ですが、起始を肛門挙筋腱弓にもつ珍しい筋です。
※肛門挙筋…骨盤底筋群のひとつで恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋、腸骨尾骨筋の3つをまとめて肛門挙筋と呼んでいます。
そのため、内閉鎖筋と肛門挙筋はそれぞれの筋の状態が作用しあう関係にあり、股関節の機能と骨盤底筋には密接な関係があると言われています。
CLINICIANSのブログでも
THA(人工股関節全置換術)と尿失禁についての論文を紹介していますので
興味がある方は是非目を通してみてください。
「人工股関節全置換術(THA)の後方アプローチは尿失禁を悪化させる?骨盤底筋群に対するアプローチの必要性」
ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「腰痛・骨盤帯痛を理解する上で欠かせない骨盤帯の運動やマルアライメント」について詳しく解説していきます。
詳しく知りたい方はぜひ"実践!ゼロから学べるLow Back Pain"マガジンの購読をお願いします!
今回の記事内容が役立つところがあったと感じられたら、noteの♡リアクションを押していただいたり、Twitterのシェアでご感想をお聞かせいただけると嬉しいです。
ここから先は
実践!ゼロから学べるLowBackPain
本noteマガジンはベテランの腰痛治療のスペシャリスト(理学療法士)3名が腰痛に特化した機能解剖・評価・治療などを実践に生きる知識・技術と…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?