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マッスルインバランスに対する徒手的アプローチ(理論編)

こんにちは、Leeです。

今回からは徒手的にマッスルインバランスを
改善する方法についてお伝えしていきます。

今回はその基礎となる「理論編」です。

マッスルインバランスについては
前回の記事で説明しているので、
詳しくはこちらをご覧ください。


簡単に復習すると、
交差性症候群(Crossed syndrome)に代表される典型的なインバランスには
短縮しやすい緊張筋と弱化しやすい相動筋がありました。

マッスルインバランス

みなさんはクライアントの問題点として
インバランスがみられたら、
どこから、どのようにアプローチしますか?

短縮筋を伸ばす?
弱い筋を強くする?

なんとなく
① ROM-EX(関節可動域運動)してから
② MSE(筋力強化運動)をする
パターンが多いのではないかと思います。


日々の臨床を振り返り
「今自分が行っていることがクライアントの体にどのように影響を及ぼしているのか」
改めて考えてみましょう。

私は妊娠中~産後の腰痛や骨盤帯痛の
クライアントさんを診ることがあるのですが
マッスルインバランスがみられてもストレッチ(いわゆる他動運動による持続的伸張)は行いません。

なぜかというと、妊娠中や産後すぐの骨盤帯は非常に可動性が高くなっており(Form Closureの減少)、安定させる筋群(Force Closure)によって守られています。

他動運動による持続的伸張によって
Force Closureを低下させ、
新たな疼痛を誘発する恐れがあるからです。

今回紹介するアプローチは、
アメリカ理学療法士協会認定の産前産後理学療法コースでも
紹介されているものになります。

この記事はこんな方におすすめです。


◆マッスルインバランスに対するアプローチが知りたい
◆ストレッチ・マッサージ以外の徒手的なアプローチが知りたい


現在の腰痛マガジンのコンテンツで
だいじろうさんがピラティスを用いたアプローチを紹介してくださっていますが、

ピラティスもクライアント自身の筋が積極的に使用されるため、
理にかなっているなと思います。

まだの方はご一読ください!



1. 筋の生理学的な理解



みなさん「筋紡錘」って覚えてますか?

「国家試験以来だわ」っていう人もいるかもしれませんね。

ご存じの方もおられると思いますが、
復習がてら「筋の長さの調整作用」について振り返ってみましょう。

(1) 筋の長さの調節(筋紡錘)

筋紡錘は筋の長さに対する受容器です。
筋が伸張されると同時に筋紡錘が引き伸ばされます。

その情報は求心性の神経線維(Ⅰa)を介し、脊髄後角より入り脊髄前角細胞に伝わります。

そこから遠心性の神経線維(α)を介し筋を収縮させます。

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(2) 筋に加わる力の調整(腱紡錘:ゴルジ腱器官)

腱紡錘は腱の緊張に対する受容器です。
筋が収縮すると、それにつながる腱が伸張されます。

その腱の伸張をゴルジ腱器官が感知し、
これ以上強い収縮は筋を壊す」という情報を
求心性の神経線維(Ⅰb)を介し、脊髄前角へ伝えます。

脊髄前角ではⅠb線維とα線維の間に
抑制性の介在ニューロン(収縮を抑制させるように働く)」が存在し、

Ⅰb線維からの情報によりα運動ニューロンが抑制され、筋の収縮力が低下します。

ゴルジ腱器官


参考図書:美田誠二編:からだのしくみが目で見てわかる得意になる解剖生理.照林社

さて、懐かしい気持ちになったところで、
今日紹介するアプローチの内容に入っていきます。

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