私のソルファ
私の岩が転がった日。
アジカンに出会ったのは、14歳。
ループ&ループから。
当時スクーター『チョイ乗り』のCMに使われていた曲で、なんか軽快なポップロックだな〜としか思ってなかった。
その後アニメ『鋼の錬金術師』を、何気なく見ていたらリライトが流れた。
歪んだギター、なんだこのシャウト!って思った。
もうめちゃくちゃにかっこよくて。
めざましテレビのエンタメコーナーで
メガネをしたゴッチが、顔をクシャクシャにして歌っているリライトのPVが頭から離れなくなった。
当時は携帯もパソコンもそんなに使えなくて、すべて情報源は、ラジオかテレビ、友達だった。
学校の掃除の時間、
普段そんなに話さないようなクラスの子に、
何気なくアジカンの話をしたら
『みなみちゃんアジカン好きなの?よかったら貸すよ』って初めて借りたのが『ソルファ』だった。
家に帰って早速ポータブルCDプレーヤーで聴いてみた。
最初に受けた印象は
『なんでこのひとこんなにネチョネチョした歌い方するの?なんでイエーエとかウォーオーとかこんなハッキリ発音しちゃうんだろう。気持ち悪い。』だった。
聴いてるのが苦痛なくらい、クセのある歌い方だなぁって。
カッコつけてんなぁって。
でも、なんだか分からないけど、聴くのを止められなかった。
部活から帰ってすぐに、真っ暗な部屋でベッドに寝っ転がりながら聴いた。
『ご飯だよー!!』って呼ぶ母の声も無視して何度も何度も何度も何度も聴いた。
友達と喧嘩した日や、劣等感を感じた日は、もう、すぐに帰りたくて。
アジカンが聴きたくてたまらなかった。
いつの間にか、自分のすべてになっていた。
生活の一部にアジカンが欠かせなくなっていた。
その後、『君繋ファイブエム』『崩壊アンプリファー』を借りて歌詞を読みながら、たくさん漢字を覚えた。
縦書きの歌詞カード。
聴き取れないゴッチの歌い方に、(なんて言ってんの?)って一時停止したり、巻き戻したりを繰り返した。
バンド名も、スペルを間違えないように
ノートや机や壁、かけるところ全てに書いた。
雑誌でアジカンの写真を見つけては、切り抜いて手帳や下敷きに挟んで持ち歩いた。
お年玉で、映像作品集1.2巻を買った。
武道館のライブを何回も観た。
初めて「海岸通り」のあの演出を見た時に
鳥肌と涙が止まらなかった。
母に笑われないように、画面いっぱいに近づいてヘッドフォンで顔を隠し、声を殺して泣いた。
まだ未知なる世界だったライブというものに
とても憧れを持った。
『初めて行くのはアジカンのライブにする』
そう強く誓った。
アジカンのラジオも、もちろん毎週聴いた。
新曲初披露の日は、メンバーが喋ってる声が入らないように緊張しながらカセットテープに録音して発売まで擦り切れるくらい聴いた。
アジカンが聴きたいのに、メンバーはよく分からない洋楽やフェス?の話ばかり。最初はなんでアジカンかけないの?って怒りすら持っていたけど、『俺らのファンというよりも、音楽全部のファンでいてほしい』って話をきいてから、紹介してくれる洋楽や仲間の邦楽バンドをすべてチェックした。
それによってELLEGARDEN、ストレイテナーにも出会えたし、たくさんの良い音楽を知ることが出来た。
私が『アジカンアジカン』となっていたのをアジカンが拡げてくれた。
世界をたくさん教えてくれた。
J-POPやジャニーズしか聴いていなかった田舎の中学生の私へ音楽のドアを開いてくれた。
初めてライブに行ったのは、高校2年の夏。
ナノムゲンフェスだ。
アジカンが主催で、しかもアジカンの好きなバンドを呼んだお祭りなんて、何が何でも行きたかった。
いつも、自分の中でしか鳴っていなかった
音が、作った人が、演奏してる人が
そこに居た。
目の前で動いてる歌っている...。
感動は一瞬でぶっ飛び、 息ができないほどもみくちゃにされた。
足を踏まれたり人の汗が触れたり、
好きな音楽を生で聴くのは、こんなに大変なんだって思ったけど、ここにいる人みんなが、色んな地域から横浜アリーナに向かい、アジカンを口ずさんで、アジカンの曲で手を一生懸命挙げて体を揺らしてるのが信じらなくて。
ありえないくらい興奮した。
何も考えられなくなった。
アドレナリンがドバドバ滝のように放出されて
『最高!!!!!!!!』
頭の中はそれだけだった。
この時、この瞬間、知ってしまった快感が、
未だに忘れられなくて、ライブに足を運んでしまう。
そう、私のライブ人生の始まり。
ソルファは大切なアルバム。
他のアルバムも大切だけど、ソルファがなかったら私はあんなにアジカンを聴いてなかったかもしれない。
アジカン無しの違う人生になっていたかもしれない。
そう考えるだけでゾッとする。。
アジカンをあの時見つけられて良かった。
アジカンを信じ続けて来てよかった。
自分のセンスが愛おしい。
私は私自身に感謝したい。
そして、ソルファを貸してくれたあの子にも感謝したい。
それから、
中学の時に私が下敷きに挟んでたゴッチのことを『は?なんでこんな冴えないオジサン好きなの?B専だね!』って笑ったあの子や、『あじかん?なにそれ。アジの缶詰?』と、馬鹿にしたクラスメイトたちに、ざまぁみろ!!!!!
クソかっこいいだろ!!!!!!!って
言ってやれる。
言ってやれるんです。
アジカンがそうさせてくれた。
ここまでずっと好きでいたバンドなんて
この先ないんです。
20周年おめでとう。
そして、20年も辞めずに誰も抜けずに
かっこいい音楽を与えてくれてありがとう。
ずっと夢中にさせてくれてありがとう。
大好きだよ。
ずっとずっとこれからも、
私のヒーローでいてください。
私の光!
青い、温かなひかり。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
これは、20周年のmixi×アジカン企画『私とソルファ』というテーマで思い出エピソードを募っていたキャンペーンに投稿した時のです。
ラッキーなことに当選し、直筆サイン入りのアジカンTシャツを送っていただいたのですがmixiのスタッフさんに『抽選とは関係ないですが、記事を読ませていただきました。とても熱量のある文章でした。本当に好きな方にこのキャンペーンに参加していただき感謝しております。』と返事をいただきました。
愛は届く!と感じた瞬間でした。
これからもずっと好きなものは好きと言い続けたい。
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