声明文から学ぶカッコイイ文章表現2
タイトルの通り続編です。
前回はこちら。
例6 バルセロナ(サッカーチーム)の謝罪文
「侮蔑的な言動をとる様子が」
➤ 「侮蔑(ブベツ)」とは相手を軽んじたり辱めたりすること。
「人種問題に関する教育の改善を徹底します」
➤「改善を徹底」問題対応時に使われます。
「これに類する事象が今後繰り返されないよう、尽力いたします」
➤ 「類する」は「このような」よりも硬い表現です。例を挙げる場面で役立ちます。「尽力いたします」も何かと使われがちなフレーズです。
「皆様へ謝罪と後悔の念を示し~」
➤ 反省の様子が伝わります。
謝罪シーンで使います。
「今後も必要に応じて内部措置を講じてまいります」
➤ 対応策・改善策と共に用います。
例7 外務省の7か国ハイレベル代表による共同声明
「7年にわたる努力が結実したものである」
➤ 成果報告の場面で使えます。
「筆舌に尽くしがたい人々の苦しみを」
➤ 言葉では到底表現しきれない、ものすごいありさまです。最上級の表現。
「多くの困難について十分に留意しつつ」
➤ 心にとどめること。注意喚起の場面で使えます。
例8 東北大学のコロナに関する声明
「実効性のある対策がとられると」
➤ 実効性とは、実際の効果や影響などがある様子。専門家の方がよく使っています。
「感染経路への理解が進み」
➤ 勉強になったときに使います。
「空気感染が主たる経路であると」
➤ 「おもな」よりも「主たる」の方が硬い印象です。
「対策の余地は大きい」
➤ 応用力の高い表現です。
その可能性が高い、ということを表しています。
ただし、曖昧さを嫌う読み手にはお勧めできません。
「有効な施策」
➤ 施策(シサク)とは、世の出来事に対し政治家や役人が行う対策のこと。
対策、対策と同じワードを反復するのではなく、時には、別の言いまわしも用いる方が読み手を飽きさせません。
「相乗効果があることは周知の事実である」
➤ アイデア・企画発表のときに使えそうです。
「可及的速やかに実施すべきである」
➤ できるだけ早くということです。
他にも、至急や喫緊(キッキン)といった表現があります。
「冷暖房効果が大きく損なわれる危惧から」
➤ 注意事項やデメリットを述べる際に使えます。
「今般の感染拡大の一因になっている疑いが強い」
➤ 「今般」とは今回のこと。
「~の一因に」原因の説明や現状報告の場面で使われます。
「疑いが強い」(確証はないが)良くない状況報告に利用されます。
「以上から、以下の対策を速やかに検討するよう提起する」
➤ 主張する際に役立ちます。
文書の大きな締めくくりに使えそうです。
「~を端緒とし」
➤ 端緒(タンショ・タンチョ)とは、物事の始まり、きっかけ。
使用例として「蒸気機関の発明を端緒として、第一次産業革命が進んだ」
「狭義の医学に留まらない科学知を総合した対策の検討」
➤ 読み手の視野を広げたいとき「狭義の~に留まらない~」
同じ言葉でも、指す意味の範囲が異なる時に使います。
引用元:
https://www.fcbarcelona.jp/ja/news/2185428/
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page3_000215.html
https://web.tohoku.ac.jp/hondou/stat/