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OBインタビュー!!【にっしーさん】
Q1.にっしーさんってどんな人?
・教育や福祉の現場で心理職として働いている
・福岡カタリバには、立ち上げの時期から参画
Q2.カタリ場に参加したきっかけは?
別のボランティアで知り合った、現ピープラス代表理事のあつしさんの紹介で参加しました。初めては合宿型のカタリ場で、知り合いがいない中で参加したので、心細かったのを覚えています。合宿型のカタリ場は、高校の宿舎に泊まり込みで行われるものでした。長時間ともに過ごし、それぞれがカタリ場に参加した理由や、高校生にどのようなカタリ場を届けたいかを話し合ううちに、参加する大学生の中には気持ちが溢れて涙する人もいました。
Q3.現場で印象に残っている体験は?
まず、ボランティアの大学生たちの熱を感じました。高校生にこういうカタリ場を届けたい!と熱く語る大学生の姿に圧倒されました。また、自身のネガティブな過去をさらけ出し、「こういう思いをしている過去の自分に、こんなメッセージを届けたい」と涙ながらに語る姿が、とてもかっこいいと思い、私も自分の思いをさらけ出してみようと思えました。
当時の私は広く外に出るのが初めてでしたが、知らないひとの中に入って自分の悩みや弱さを打ち明けて受け止めてもらえた時、とてもほっとして涙が出ました。誰かに分かってもらうというのは、こんなに安心するし、勇気が出ることなんだなと実感しました。高校生にもこんな風に、誰かに気持ちを共有してほっとする体験をしてもらえたらいいなと思い、カタリ場に臨みました。
当時は”カタリバカフェ”(大学生ボランティアと生徒がコミュニケーションを取ることが出来る唯一のツール)という掲示板があり、一緒に話した高校生が掲示板に「自分のしたいことに正直になれた。」とコメントを書いてくれたことが嬉しくて、印象に残っています。
その後、その子と別のイベントで偶然会って、声を掛けてくれて、一度会っただけの大学生のことをここまで覚えていてくれるのかと嬉しくなったのを今でも覚えています。
Q4.カタリ場に参加して変わったことは?
カタリ場に関わる前の大学1年生のときより、知らない人がいる場所に行き始めるようになりました。以前は、人を巻き込んだり巻き込まれたりすることが少なかったように思います。でも、カタリ場の体験を通して、イベントなどを人に勧めて巻き込んでいけるようになりました。
それから、どんな人の話でもしっかりと耳を傾けるようになりました。高校生や大学生ボランティアメンバーと対話をする経験から、自分とは違うなと思う意見でも、まずは聞いてみようと思うようになりました。聞いているうちに、相手がそう思うようになった背景や理由がわかって、なるほど、それならそう言いたくなるよね、と思えることも増えました。
また、カタリ場は、自分で考えたことにフィードバックを貰えるのが凄くいいところだと思います。参加することで、自分の考え方や、人生のとらえ方が大きく変化していきました。
Q5.今まで参加したカタリ場について教えてください
初めてのコア(企画サブリーダー)直前に参加したカタリ場の企画チームのリーダーシップが凄かったという印象が強く、プレッシャーを感じるなかで、私自身うまくいかないと感じることが多かったです。自分の考えに自信がなく、企画チームの他のメンバーに、なかなか意見を言えなかったという反省もありました。当時の頭の中は、自分たちが企画をやり終えることでいっぱいいっぱいでした。また当日は、サブリーダーとしてチームのみんなが高校生と真剣に話している姿を前で見ているだけという状態だったことで、自分は何もできなかった…と無力感も感じました。
初めてのPM(プロジェクトマネージャー:企画のリーダー)
福岡カタリバ立ち上げ後、初めてのカタリ場でした。高校の1クラスを、大学生と生徒がマンツーマンになる形で、カタリ場を行いました。前回、無力さを感じた分、自分の思いをしっかり伝えようと心がけました。1対1でじっくり話す高校生や大学生ボランティアの真剣な目や、熱い空気がとても印象に残っています。
この頃は福岡カタリ場立ち上げの時期で、高校ごとに合うやり方を模索しながら、手探り状態で企画を進めていました。
現場があるのが当たり前の状態ではなく、一つ一つのカタリ場をとにかく大切に取り組んでいました。立ち上げは手探りで大変なことも多かったですが、自分たちで創っているという感覚があって、楽しかったです。
Q6‐1.サンプリングに関して教えてください!
(サンプリング:自分の人生を紙芝居形式で伝える役割/人生のサンプル)
2回目のサンプリングが印象に残っています。
内容は、初めてのサンプリングをしたカタリ場での体験から、進路を決めた体験を語りました。
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当初の私は、カタリ場参加者の多くが様々な過去の体験を語るのに対して、自分の生い立ちが平凡であることをコンプレックスに感じていました。
そんな時、初めてサンプリングをしたカタリ場で話しをした生徒が、誰にも話せなかった悩みを泣きながら話してくれました。そして「こんなに話したの初めて。」と言ってくれました。その子が自分に打ち明けてくれたことを嬉しく思うと同時に、「見ず知らずの人にしか話せない今の環境は違うのではないか?」という疑問が浮かびました。「話してくれて良かった!」で終わっている自分に無力感を覚え、大学院へ進学し、心理学について更に学ぶことを決めました。そして、心理の職につくことを目指すようになりました。
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2回目のサンプリングでは、これらの経緯を合宿でまとめて話をしました。
このサンプリングを行う際、夜の2~3時ごろにサンプリングの内容を代表理事のあつしさんに話したところ、途中であつしさんが寝てしまって…(笑)
このサンプリング内容では、高校生の心に響かない!と、
自分のサンプリングの内容をもう一度見直して、必死に作り直していきました。
Q6-2.どのように、作り直していった?
伝えたいことは変わらないけれど、その伝えたいことをどうして伝えたいと思うのか?
人生の出来事の繋がりを、もう一度しっかりと考え直していきました。
自分の中での納得感を大切にしながら、挫折が無いことがコンプレックスだった自分ですが、大きな挫折がなくても小さなことも自分のモチベーションにしていけるのだと気づくことができました。
Q7.カタリ場に参加して良かったところは?
▶高校生と話せるのが楽しかったこと
高校生と話していると、自分よりすごく頑張っている姿に、自分自身が奮い立たせられました。高校生に問いかけながら、大学生自身も深く考えさせられていたと思います。高校生にとっても、大学生にとっても、受け止めて貰えて、安心して話せる場が、カタリ場なのだと思います。
▶出会いがあったこと
様々なメンバーが集まる中で対話をすることで、信頼できる一生ものの仲間と出会えました。カタリ場に参加する前は、自分の意見より場の空気を優先して発言を控える場面が多くありました。ネガティブなフィードバックができず、本音で語れていなかったと思います。
ただ、カタリ場で「高校生に伝えたい」という同じ熱い目的意識を持った仲間と話し合い、企画を作っていく中で、自分の想いや意見を”譲らない”ことを覚えました。
これは、どんな時も見捨てないだろうと思えるキャストメンバー(学生ボランティア)との出会いがあったからです。
メンバーと時にぶつかり合いながらも、一緒に企画を作り上げていっていました。
▶社会人を巻き込む機会があったこと
めし部(ご飯会)の際などに、社会人の方が参加してくださって、身近に大人と関わる機会を持つことができました。
▶”軸”が見つかること
自分のなかで、大切にしてきたこと、大切にしていきたいことが見つけられました。
自分の過去を振り返り、今の自分の想いを見出すことで、自分の中の”軸”ができて安定すると思います。この”軸”は就職でも活きました。
Q8.現在カタリ場の経験はどう活きていますか?
凄く大きな体験でした。それまでは、何にもチャレンジできていなかったのですが、外や新たな場所へ一歩を踏み出せるようになりました。
参加していなかったらチャレンジする気持ちは持てなかったし、全て80点でいいやとなっていたと思います。
カタリ場に参加しなくても心理の道に進んだかもしれませんが、選んだ道は同じでもカタリ場に参加したかしなかったかで、学業や仕事へのモチベーションは違ったと思います。
Q9.どんな人に、カタリ場を勧めたいですか?
自分みたいなひとに参加して欲しいです。
「なんかこのままでいいのかな?」
と感じていて自分から人とぶつかる経験してない人。
自分のコミュニティから出たことない人にも、参加してみて欲しいと思います。
カタリ場の大学生のみんなも、なんだかんだ楽しんでいました。当時の自分なら、絶対に参加したほうがいい!と、即答していたと思います(笑)
大人になった自分は、カタリ場以外も見てみて、合えば続ければいいし、合わなければ止めればいいと考えています。自分には何もないなと思ったら一回カタリ場に来てみたら?と思っています。
何かに一生懸命、熱を出せる場があると思います。
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