いやいうほど悪くなくない?/『ショーガール』
ポール・バーホーベン監督による映画、『ショーガール』を久しぶりに観た。この映画はとにかく評判が悪いがカルト的人気がある。
公開が25年前で、私がこの映画を知ったのは6年ほど前だから当時の雰囲気は全く知らない。公開時かなり評判が悪かったことは知識として知っている。
上映後に小さな座談会があったのだが、そこでの評価も「ストーリーは全く評価できるところがないがダンス好きのカルトフィルムだし美的に最高♡」というものだった。
私は普通に面白い話だと思っているので、皆と一緒にストーリーをこき下ろして楽しむことができない。残念だ。
クリシェが過ぎたり描写にいろいろと問題があるのはわかるが、これより酷い映画ってもっとあるんじゃないのか……?そもそもどの辺が具体的に「酷い」のかがわからない。
分かろうと思ってネットの個人によるレビュー記事を見てみたけど分からなかったし、そもそもあらすじ紹介の時点でしっくり来なかった。本当に同じ映画見たの?みんなと同じものをこき下ろす楽しさに目が曇ってない?
それに、最悪インターネットが猛威を振るう2023年になってしまったので、この映画の欠点とされるエロもバイオレンスも下品さもこんなもんかと思ってしまう。インターネット・キッズはもっと下品なものを見て育っているのだ。
ちなみにこの映画の好きなところは通常は男性キャラクター同士がやるようなことを女性キャラクター同士がやっているところだ。マッチョな世界に生きる女同士の擬マッチョな関係が描かれているのが嬉しい。
むしろこれは問題点ともいえるが、ショーガールをこき下ろしている人ってこの辺には全く触れていない気がする。レズビアン/バイセクシャルの描き方としてどうなの?という怒りでこき下ろすならもっともだと思う。でもなんかそういうレビューも見ないんだよな〜(あったら教えてください)。
とにかく女性同士の接触がロマンティックに描かれ、男女の接触が全く魅力的に見えないのが嬉しい。もしくは男女の接触を通して女性同士が繋がりあっている。愛が女の間にしかない。女同士が男体を通して絆を深め合う。男同士がいつもやってるやつが女で観られて嬉し〜♪
かなり野卑な言い方をすると、『イヴの総て』に女同士の巨大感情大盛りでハッピ〜!というやつだ。ハッピー!!
以上のように好意的な意見をネットの海に流しておく。『ショーガール』、面白いよね?ここに仲間がいるよ!
そのうえでやっぱりこの映画はクソ!っていう人はぜひ悪さを教えてください。本当に興味があるので。
余談
・ 映画館で主人公が逆上すると笑い声が起こってびっくりした。悲痛な場面だと思っているから……。逆に明らかなジョーク場面は静かだった。あなたたちを信用しないぞ。
・ 上映後に映画を元にしたショーの制作陣が座談会を開いたのだが、上記の通り話はくだらなすぎるけど美的に好き、という感じだったので席をはなれた。来てる人のほとんどがそう思って来てると思っているのかもしれない(そうだったらかなり面白い)。
・ この映画を初めて観たのは大学の図書館だ。入れてくれた人、ありがと〜!
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