だるま

言語学専攻の大学院生|圧倒的勉強不足なうえに書き言葉が下手なので、観察性羞恥を感じさせてしまうかも

だるま

言語学専攻の大学院生|圧倒的勉強不足なうえに書き言葉が下手なので、観察性羞恥を感じさせてしまうかも

マガジン

  • 日常言語プロジェクト短編集

    まだ一個しかないけどな。 --------------数年後、二個になった。

  • 言語学入門書を深掘りするシリーズまとめ

    一般言語学の入門程度の知識を自己満にまとめた記事をまとめたマガジン。 #6統語論, #7意味論はいつか公開されるかも(挫折中)。

  • 一番性悪なのは誰?〜「失礼します」表現をめぐって〜

    ピッキングの狭い通路を譲り合う際の言語表現「失礼します」を言語哲学の発話行為論、語用論、あいさつ表現の3つの観点で茶化した日常言語プロジェクト記念すべき第一作。

最近の記事

「〜してみ」の『行動促し』ではなさそうな使い方

ことばを研究するなら、やっぱり日常的にことばに触れて、それについて考える時間をとるというのが大事だし、そういう態度を持っていたいと思ったので、日常言語プロジェクトを再開㊗️ 今回は「~してみ」について。 単純に思いつく用例は (1) 貸してみ (2) 見せてみ のあたり。「~してごらん」的なニュアンスで使われるのがおそらく一般的。 そういえばあんまり県外で聞かない気もするけど、「~してみなさい」のカジュアル版か、方言だろうか(と、思ったら、他にもそうやって考える人は多いよう

    • 重複に見えてムズムズしたやつ

      さっき投稿して、前にも京都の地下鉄でちょっと気になる広告見つけたんだよなと思って、一年前までアルバム遡ってきた。 あった。 (ちょっと自分が反射してるところは隠させてもらいやした。てへ) これの、めーちゃ小さい部分だけれど、右下にいつからこの企画が施行されるのかの日程が書いてあって この、4/2(日)〜という「〜」の記号と、対象日よりの「より」って、重複してないのかな? こうしか書き表せなかったのかな? という疑問です。 日本語では結構、いつからいつ、みたいな情

      • "おふろわ"はちょっと無理あるんじゃないですか

        京都の地下鉄の車内広告にこんなのがありました。 フォント(筆跡)はひらがな書き始め〜小学中学年くらいの印象。 モデルは幼児から幼稚園児くらいですか?(全然年齢わからない人) なので、わたしはお風呂派というフレーズはこの未就学児〜小学校低学年くらいのこの子の表明として表されてると思うんだけれども 耳(音声)が最初の接触だから わたしは が わたしわ という表記になってしまうというエラーはあり得るんだけれども おふろは は、ワの音ではなくてハの音なので、そもそも間違えよ

        • オノマトペってそんなにいけるんだ

          夏はもう日傘とハンディファンないとつらくなってきましたね(というか6月上旬だけど限界) 日傘のおすすめをXでみかけて、 楽天のページに飛んでみたら、 商品画像の説明に「ポキポキ」という表現がありました わたしも日傘なり折り畳み傘なり日常的に使ってるけど、 このポキポキってそんなに伝わる?! 私のユニクロの晴雨両用の折り畳み傘は確かに三段折傘で、段ごとにポキポキするんだけれども、 この傘も一応「三段折傘」なのに、ポキポキしないとは何?!という混乱 そもそも私がポキポキ

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        • 日常言語プロジェクト短編集
          2本
        • 言語学入門書を深掘りするシリーズまとめ
          7本
        • 一番性悪なのは誰?〜「失礼します」表現をめぐって〜
          3本

        記事

          「ザ厚切りのためのうすしお味」はどこから味の名前か

          最近新しく見るようになったカルビーのポテチの商品名と味の名前が合体してるように見える件について😀 カルビー好きだからよく食べてる&新商品チェックしちゃうんだけど、すでに厚切りあるのに別の厚切りが出てた。 結構もともとの青いパッケージのやつが好きなので、おのれは勝てるのか?と思いながら新しいやつ買ってみた。 一番最初に気になったのがこの味の名前で、デザイン的におそらくこのネイビーのラインの上に書かれた白字部分だろうと思いたいけど、 どう考えてもその手前のザ厚切りから続いてい

          「ザ厚切りのためのうすしお味」はどこから味の名前か

          英語学習・指導で大事にしたいことについて振り返る

          年度が替わって、これまでとは別の高校でお世話になることになりました。 科目も学年も変わって不安ばかりでなかなか授業準備も進まないけれど、そうは言っても進めるしかないので、ヒントを得るために「学びのための英語学習理論」と「学びのための英語指導理論」を図書館で借りてきた。 中学以降、英語に対して苦手意識とか嫌悪感を持ったことがない上に、それなりにできるようになったせいで、子どもたちがどこでつまずくのかわからなかったり、どんな説明が納得できてわかりやすいのかとか、自分のこれまでの学

          英語学習・指導で大事にしたいことについて振り返る

          ホグワーツレガシーのセリフ記録

          言語学専攻の大学院生だけど、同時に英語科の非常勤でもある(あった)ので、受験生に教えてて、私自身高校大学の時は知らなかったわぁ、という表現に遭遇することが時々あります。今日はそれが実際にゲーム内で現れて感動したという話。 私は映画とかドラマはできるだけdubじゃないやつ(original?)音声で観たい派なんだけど、今回のホグワーツレガシーも日本語も結構ちゃんとしてて良さげと思いつつ迷って言語設定英語にしてやっています。 やっぱり小説みたいに普段あんまりみない表現もあってと

          ホグワーツレガシーのセリフ記録

          日常言語プロジェクト短編集用の小ネタ集

          どんなサブカテゴリ。とちょっとつっこみたい。 この記事は随時更新で表題の通り小ネタを日常生活から引っ張ってきて言語学的に茶化すのをいつかやろうねーという保管箱になります(予定)。 一般言語学の知識が乏しい(なんてこった)から、それがどの分野の話なのかとか、専門用語とかわからながちで、深掘りするのはいつも後回しになってしまう。 留意:別に(正しい)ことばケーサツではありません。むしろ愛でています(たぶん)。 「次回入荷はX月ごろ入荷予定」 2023年5月26日Etvos公

          日常言語プロジェクト短編集用の小ネタ集

          批判的社会言語学にstep inする

          先行研究を読みあさったり、ターミノロジーをしっかりtake inするために本を読みつつ自分の研究で使えそうなところは引用してそれに対する自分の批判的意見とか自分の研究の観点に合致している点とかをメモメモしていきたい所存。特に記載がない限り引用は以下の通りです。 「正しさ」への問い:批判的社会言語学への試み ―野呂香代子・山下仁(編)(2001) いや本当にこれをこの一年くらいと言うか、本当は無意識に感じてた気もするんだけど、すごくaware of thisになってきていた

          批判的社会言語学にstep inする

          私は「シュークリームのカスタードください」派

          今日の帰り道、あ、クロワッサンシュークリームだーと思って寄ったお店で、お決まりですかー?と言われて、どれも美味しそうだったんだけど、ストロベリー、抹茶、フロマージュ、カスタード(あと一種類?)のなかで一番初めに目を引かれたフロマージュにしよう!と決めて、「フロマージュのシュークリームください」っていったのね、私 けど自分で自分の発言聞いて、なんか違和感あるなぁと思ったからちょっと考えてみたら、多分普通だったら「シュークリームのフロマージュください」っていうんじゃないかなあと思

          私は「シュークリームのカスタードください」派

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#3

          理論的枠組みを何だかんだ紹介したので次はデータの分析に移りたい。データを分析するとなれば、もちろん文字起こし、あるいは今回ならとりあえずデータを集合させるということをしなくてはならないので、それぞれのSNSプラットフォームにおける私自身の言語データを寄せ集めてみる。期間は#1で言及しているあの投稿を見た日である8月10日から同月31日までとした。 追記:データを起こしながら、対照群となんとか群、実験群?条件群?を用意しなければならないことに気がついた。同じ日数分を、8月10

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#3

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#2

          #1の終盤で述べた、「…」表記の選択に関与すると考える2つの要因について少し述べたいと思う。 ①バリエーションに対するアティチュードがなぜ関わると考えられるのか、これは、最近ヨーク大学(イギリス)が提供するフリーの社会言語学入門のコースを履修して少し学びを深めた分野なんだけど、(最近と書いたのは9月後半で、今は11月になってしまったので多少懐かしささえある。)簡潔にいうと、人がコミュニケーションにおいて伝達しているものは決して口から出た文字通りの情報ではなく、話し手の情報、

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#2

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#1

          今回から数回にわたって日常言語プロジェクトの新シリーズ、「…」表記をめぐるデータ分析をします。これ、世の中に自分の言語データを公開するという羞恥が伴うもののかなり面白くなるんじゃないかと踏んでいる。そしてnoteでは勉強実況風に(自分で命名してるけど、勉強実況というのは私が思考するプロセスをそのまま書き連ねていくよ、ということ。音声はつかないヨ。)書くけど、記事を書き終えたら初めて動画かポッドキャストにして配信をするというのを最終ゴールにしている。私は言語学の学士号を持ってい

          自分の「…」をめぐる言語データを分析する#1

          一番性悪なのは誰?#4ー挨拶用語編ー

          今回で本シリーズ最後!今日は「失礼します」をきまりことばとしてのあいさつ用語の観点で分析していきます。 「失礼します」表現を挨拶用語で分析しようと言い出したのは私だが(まあそもそも私以外にいないが)なぜ挨拶用語なのか。挨拶用語の観点を取り入れるわけをここでサラッと書いておきたい。(というのも、本人でさえ思い出せないのだ。なんせ三ヶ月も前のことなので。) 最初は沖(1989)のpaperにざっと目を通してなるほどこの観点でも分析できそうだ、と思ったようである。沖のpaper

          一番性悪なのは誰?#4ー挨拶用語編ー

          一番性悪なのはだれ?#3ー語用論編ー

          つづき。前回まで、言語哲学編2回にわたって言語行為論に沿って「失礼します」を分析してきました。今回は語用論編。前回の発話解釈にも通ずるところがあり、その発話(「失礼します」)がどういう意図を持つか、というのを一定に担っている「文脈」にフォーカスして理解を深めたい。(追記:だいぶあいてしまったけどこれからはもっと定期的にこういうのやっていきたいんだぁ。) ちなみに簡単に語用論が何かというと、言語学のさまざまな分野のうちの一つ。ことばがどう使われてどう理解されるかを研究する分野

          一番性悪なのはだれ?#3ー語用論編ー

          9月の目標:日常言語プロジェクト始動する!

          9月の目標:日常言語プロジェクト始動する!