見出し画像

第13回国際コーチング心理学会2023プログラム

第13回国際コーチング心理学かいがオンラインで開催され、5件のプレワークショップ、9件の事前録画講演、6件の講演、4件の招待講演、3件のフォーラム、3件のシンポジウムが行われました。プログラムの演題と演者を一覧にしました。

特に気になった発表については、論文の概要別の記事にまとめました。



大会

事前収録講演

1.ニュージーランドにおける文化的に有能なコーチング心理学への取り組み

Working toward culturally competent coaching psychology in Aotearoa New Zealand
Bridget Jelley et al - NZSPIG

2.コーチング・プロセスにおける力関係: 社会心理学のレンズ

Power relationships in the coaching process: A social psychological lens
Dr Yi-Ling Lai

3.コーチングを通じたニューロ・アントレプレナーシップと起業家脳の覚醒

Neuro-entrepreneurship and awakening the entrepreneurial brain through coaching
Christin Tan

4.アリソン・ホワイブロー博士 2021年ISCP大会基調講演、イントロダクション付き - 再接続とリカバリーを可能にする人間関係をどう築くか?

Dr Alison Whybrow 2021 ISCP Congress Keynote, with introduction - How do we create relationships able to hold re-connection and recovery?
Prof Stephen Palmer, Dr Siobhain, O'Riordan & Dr Alison Whybrow (in memoriam)

5.キャラクター・ストレングスの育成にマインドフルネスは重要か?マインドフルネス・ベーストレングス・コーチングとキャラクター・ストレングスベースのコーチングを比較したRCT研究

Does Mindfulness Matter in the Development of Character Strengths? A RCT Study Comparing Mindfulness-Based Strengths Coaching and Character Strengths-Based Coaching
Dr Qing Wang & Qinyue Zhu

6.国際コーチング心理学会の概要

Overview of the International Society of Cocaching Psychology
Prof Stephen Palmer & Dr Siobhain, O'Riordan

7.言語化するのは難しいかもしれない:コーチングにおけるチェアワークを使った実践者の経験

It can be hard to verbalise: Practitioner's Experiences using Chairwork in Coaching.
Angie Alderman

8.カタルーニャ心理大学コーチング心理学部門理事会 - コーチング心理学の分野における私たちの目的

Board of the Coaching Psychology Section of the Psychology College of Catalonia - Our purpose in the field of the Coaching Psychology
Victoria Garcia

9.国際リラクセーション・デー: 身体的および心理的な健康に関する広範な問題に対するリラクセーション技術の有効性

International Relaxation Day: The effectiveness of relaxation techniques across a broad spectrum of physical and psychological health-related issues
Prof Stephen Palmer (Introduced by Dr Siobhain O'Riordan)

当日ライブセッション

1.アンソニー・グラント講演会 - コーチング心理学: 研究、実践、そして体系的に統合されたアプローチの重要性

The Anthony Grant Lecture - Coaching Psychology: Research, Practice and the importance of Systemically Integrated Approaches
Dr Sean O'Connor

2.コーチング心理学のアイデンティティを祝う

Celebrating Coaching Psychology Identity
Dr Natalie Lancer

3.コーチング心理学 閾値を探る

Coaching Psychology: Exploring the Thresholds
Dr Anna-Rosa le Roux (SA), Gail Wrogemann (SA) & Steven Breger (SA)

4.コーチング心理学の専門職におけるインクルージョンに向けた取り組み: 平等と多様性の視点

Working towards inclusion in the coaching psychology profession: An equality and diversity perspective
Angela Puri

5.生殖の現実とキャリアの岐路: 職場における出産と中年期/更年期の移行に関するリフレクティブ

Reproductive realities and career crossroads: Reflections on maternity and midlife/menopause transitions within the workplace
Sheila Panchal

6.テクノロジーが可能にするコーチングとコーチング心理学の未来:倫理とその先へ

The future of technology enabled coaching and coaching psychology: ethics and beyond.
Dr Rachael Skews

7.バーチャルコーチングとの出会い: オンラインと電話によるウォーキングコーチングの比較

Virtual Coaching Encounters: Comparing Online with Telephone Walking Coaching
Nicola Reynolds & Dr Zelda Di Blasi

8.社会認知的マインドフルネスとコーチング心理学の統合: 介入開発研究

Integrating socio-cognitive mindfulness and coaching psychology: An intervention development study
Katie Crabtree

9.大学生のウェルビーイング向上のためのコーチングの応用

The application of coaching to improve wellbeing among university students
Dr Gisele Dias

10.AI研究ストリーム: コーチング関係におけるリフレクティブ・プラクティスを支援するコーチング心理学者Bot

AI Research Stream: The Coaching Psychologist Bot at the service of reflective practice in coaching relationships
Maria Rita Fiasco, Roberto Gilli, Angela Di Rienzo, Dr Silvana Dini

11.コーチの自己効力感研究ストリーム

Coach Self Efficacy Research Stream
Dr Diana Aguiar Vieira

12.生態心理学研究の流れ ウォーク・アンド・トーク・コーチングとシット・アンド・トーク・コーチングの効果の比較:パイロット研究

Ecopsychology Research Stream: Comparison of the Effects of Walk-and-Talk Coaching versus Sit-and-Talk Coaching: A Pilot Study
Liana Catani, Angela Di Rienzo, Claudia Genola, Francesco Giustiniani, Ileana Moriconi, Silvana Dini

13.オンライン・コーチングが「新常態」であるならば、今こそ、あなたのコーチング心理学の実践にとって、より広く、より深く、より長い意味を検討する時ではないだろうか

If coaching online is the ‘new normal’, is now the time to examine its broader, deeper and longer implications for your coaching psychology practice.
Dr Alanna Henderson

14.脳にやさしいコーチング:科学を実践に変える

Brain-Friendly Coaching: Transforming science into practice
Dr Catherine Hambley

プレワークショップ(マスタークラス)

1.仕事とスポーツの場におけるパフォーマンス向上のためのCBCの活用

Using CBC to enhance performance within work and sport settings
Dr Martin Turner CPsychol PhD

スポーツや仕事などのパフォーマンス場面におけるCBCの応用が、研究や専門的実践の文献で報告されるようになってきた。その証拠に、CBCはこのようなパフォーマンス場面で好評を博しており、その効果も実証されている。CBCの多くのアプローチの核心は、クライアントの信念に挑戦し、より役立つ信念を開発することである。これらの作業は、クライエントがプレッシャーや逆境に健康的かつ有用な方法で適応できるように支援するために行われる。

CBCのアプローチの一つであるREBCの中核となる理論的、実践的な考え方、パフォーマンスとメンタルヘルスにおけるイラショナルな信念と合理的な信念の役割に関する研究成果を紹介する、REBCをプレッシャーのかかるパフォーマンス現場でどのように応用しているかを紹介する。ターナー博士はまた、この応用研究領域における最近の進展についても探求し、さまざまなパフォーマンス環境における新しい研究について詳述する。

2.ACTを用いた慢性疾患に対するヘルスコーチング

Health Coaching for Chronic Conditions using ACT
Dr Rachael Skews CPsychol PhD

慢性疾患の治療は、医学的な情報や治療法だけでなく、ウェル・ビーイングと呼ばれる心理学的なツールも併用することで、より効果的なものとなる。このマスタークラスでは、慢性疾患(慢性疼痛など)の治療や管理にヘルスコーチングをどのように活用できるかを探る。このマスタークラスでは、動機づけ面接やアクセプタンス&コミットメント・コーチングなど、心理学的情報に基づいたコーチング・アプローチに焦点を当てる。

セッションは、ヘルスコーチングを初めて学ぶ人にとって有用な知識をカバーし、慢性的な健康状態にある個人をコーチングする際に有用な、一般的に使用されているヘルスコーチング・ツールを使った簡単なスキル練習の機会を設ける。また、慢性的な健康状態にあるコーチ-とのパートナーシップの中で、効果的に説明責任を果たすなど、よく経験する問題についても探求する。

3.コーチングと気候変動の神話を打ち破る

Busting Coaching and Climate Change Myths
Lorenza Clifford BSc MSc (Occ Psych)
Prof Stephen Palmer PhD FISCP

私たちは夢遊病のように気候変動の崖っぷちに向かっている。今こそ目を覚まし、崖っぷちに救急車を送り込むのではなく、崖っぷちから逃れる道を作る時だ。気候変動とエコダイバーシティの危機に関する共同グローバル・ステートメント・グループは、2022年から23年にかけて、コーチング・コミュニティ全体を対象としたラウンドテーブル・イベントを開催してきた。第4回目のイベント「倫理:ストレートトークと神話破り」は、ロレンツァ・クリフォード、ヘティ・アインツィヒ、ジョージ・ウォーレンが企画・司会を務めた。ヘティ・アインツィヒが司会を務め、5人のスピーカーによる活気あるセッションが行われた: スタンリー・アルムガム、リンダ・アスピー、ゾーイ・コーエン、ジョイ・シフォカジ・ンテサ、リズ・ホールの5人が登壇した。

このセッションは、ロレンツァ・クリフォードが記録し、クレア・マニングが編集した。この作業から生まれたのは、神話を打ち破り、ナラティブとパラダイムを再構築することである。これらは、スーパービジョンにおける対話のリソースとして、また気候変動をめぐるコーチングでの対話を前に、自分自身を方向づけたいすべての人に関連するものとして使うことができる。また、2023年の参加者全員との集合的な経験に基づいているため、賞味期限がある。

このワークショップでは、論文で提唱された15の神話を取り上げ、リフレクティブ、小グループでのディスカッション、フィードバック、そして今後の方向性について考える。

4.ポジティブ心理学とコーチング心理学の実践におけるリラクゼーション・テクニックの活用

Using relaxation techniques within positive and coaching psychology practice
Prof Stephen Palmer PhD FISCP
Dr Siobhain O'Riordan PhD FISCP

ストレスや不安、血圧や心拍数を減少させるリラクゼーションテクニックの有効性は、研究によって強調されている。このテクニックは、ポジティブ心理学やコーチング心理学の実践の中で比較的簡単に使うことができる。2023年、COVID-19、特にロングCOVID、ウクライナ戦争、世界的な金融不安、生活費の大幅な増加などの影響が続く中、多くの人が日々の生活やサバイバルにストレスを感じることは避けられない。

このスキルベースのマスタークラスでは、「RE-LAX」やその他のリラクゼーション・テクニックを実践する機会を提供する。血圧や心拍数を測定するパルスオキシメーターやその他の機器や技術を利用できる参加者は、スキルベースのセッションで練習したリラクゼーションテクニックの効果をモニターすることができる。参加者は、リラックスしているときに眠りがちな場合は、目覚ましアラーム付きのスマートフォンを使用するとよい。2022年の大会では、マスタークラスの短縮版が実施された。今年は、さらにテクニックを追加する予定である。

このマスタークラスは、コーチングセッションでのリラクゼーションテクニックの使用経験が浅く、対面セッションやZoomやSkypeなどのオンラインプラットフォームでのセッションに適している。また、リラクゼーション・テクニックの正式なCPDに参加したことはないけれども、練習でリラクゼーション・テクニックを使ったことがあるという練習生にとっても興味深い内容である。

5.レンガを使ったコーチング

Coaching with Bricks
Theresa Quinn BA (Hons) Msc

このセッションは参加者に以下を提供する:
レンガを使ったコーチングのトリプルEのフレームワークの理解
このフレームワークの背景にある理論、心理学、最新の研究に対する理解
自分のコーチング実践にどのように取り入れることができるかを考える機会
セッション中、希望者はモデルを作る機会があるので、レンガをお持ちの方はご持参ください。

レンガがない?問題ない。代替のアクティビティが用意されているので、マスタークラスにご参加ください。紙と鉛筆があると便利かもしれない。組み立てのお誘いはあるが、強制ではない。

いいなと思ったら応援しよう!

実践サイコロジー研究所
(同)実践サイコロジー研究所は、心理学サービスの国内での普及を目指しています! 『適切な支援をそれを求めるすべての人へ』