セキュアベース・リーダーシップ ――〈思いやり〉と〈挑戦〉で限界を超えさせる
ジョージ・コーリーザー、スーザン・ゴールズワージー、ダンカン・クーム(東方雅美訳)「セキュアベース・リーダーシップ ――〈思いやり〉と〈挑戦〉で限界を超えさせる」、プレジデント社(2018)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833422964/opc-22/ref=nosim
ちょっと古い本だが、ある人から紹介して貰って読了。
安全を確保しつつ、リスクを取るというのはどう見るかによって見え方が違う。そもそも、心理的という言葉をつけてみても、安全とリスクというのは相反する概念だ。
安全だけ与えると、過保護になり、その人の可能性は限定される。リスクをとることだけをすすめると、危険にyと工面して不安になり、保身に走る。
いずれにしても、どちらかを与えると、成果は小さくなる。心理的安全性では、この部分についてリーダーシップにたくし、表面的な議論に終わっているケースが多い。
ここには、不安と安全の行き来をしならが、前に進んでいく必要があるが、このバランス感覚は個人に起因することが多く、組織として共有することはなかなか、難しい。実際に、心理的安全性の高い場を作ろうとするリーダーはこの問題悩んでいる人が少なくない。かなり本質的なパラドックスなのだ。
この難題にチャレンジしたのが、本書で解説されている、「セキュアベース・リーダーシップ」である。セキュアベースというのは
守られているという感覚と安心感を与え、思いやりを示すと同時に、ものごとに挑み、冒険し、リスクをとり、挑戦を求める意欲とエネルギーの源となる人物、場所、あるいは目標や目的
だと定義される。本書ではセキュアベース・リーダーの特性を明確にし、そのような特性を身につけるために取り組むべきことを提唱している。セキュアベース・リーダーへの道は厳しいが、少しでも近づきたい人はぜひ、読んでみるといいだろう。