染まる髪と揺れる心
久しぶりに美容院へ行った。
1年以上前にブリーチをかけたような髪を、7ヶ月も放置した。
それはそれは、カラメルが多すぎるプリンになった。
担当の美容師さんが私の髪を見た時、
「こんな髪で過ごしていたなんて有り得ない」
とでも言うかのような、絶句した顔をした。
ごめんなさい、無頓着で。
だって誰にも会わないんだもの。
安くないカラー代を、2ヶ月に1度出すのは結構痛手なんです。
「黒に近い色でいいので、このプリンを直してください」
そう美容師さんに告げて、あとはなすがままに。
カラメルの部分と、プリンの部分、二度に分けて色を塗る。
そうしてもらっている間、口は特に開かずに雑誌に目を通す。
カラー剤の匂いが鼻にツンとくると、美容院に来たんだなぁと実感する。
本当は雑誌を読まずに、ぼーっと美容師さんの手を鏡越しに見ていたいのだが、
そうしようものなら気を遣って話しかけられてしまう。
わたしにとって、余計な談話は疲れるだけだとわかっているので
あたかも「雑誌を読んでいますよ」という風体でその場をやり過ごす。
でも会話しないとしないで、逆に気を遣わせたかなぁとか考えちゃうので
結局ほどよく会話も必要かもしれない。
「仕事は?」とか「ご出身は?」とか聞かれるより、よっぽどいいのだけれど。
少しすると「髪流しますー」と声がかかる。
美容師さんのシャンプーってなんであんなに気持ちいいのだろうか。
延々とシャンプーされて、そのまま寝落ちたい。
シャンプーを終え、ドライヤーをかけるとプリンもすっかり暗色に。
前は仕事柄、派手すぎない明るい色(難しいことを言う)を求められていたから、
こう落ち着いた色にすると気持ちも落ち着く。
そして無造作に伸びた前髪をチョキン、としっかり作ってもらう。
かなり幼く見えるようになった気がするが、
言い方を変えれば可愛らしくなった。これはこれでよし。
美容院を出ると、なんとなく背筋がシャンとのびる。
部屋着じゃない服を着て、お化粧をして、髪を綺麗にして。
身だしなみが整うと、気持ちもスッキリする。
やっぱり定期的に、リフレッシュがてら美容院に行きたいね。
次回はもう少しお話して帰ろう。
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