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他人の子どもを背負う覚悟

「お母さんの代わりに言うよ!俺は家族だと思ってるんだ。もう周りの人を悲しませるなよ。」

決まっていた時間に、頼まれていた仕事が間に合っていない。

初歩的な過ちを何度か繰り返すメンバーに、シェフはこう言いました。

「ここで変わらなければ、ずっとこのままだよ。覚悟決めて変わろうよ。」

豪快なシェフは勘違いされることも多いですが、こういったストレスがかかることを相手に伝えるのは、得意ではありません。
いつも、いつ、どうやって、どんな言葉で伝えるか悩んでいます。

昨日は『このままではこいつのこの先の人生にとって、本当にまずい』と思ったのでしょう。

これまで以上の熱量で、何がいけなかったのかを伝えました。

関わってくれているたくさんの人の想いが詰まっているにも関わらず、最後の最後に想いを込めきれず、アウトプットしてしまうこと。

自分のせいで相手の時間を奪うこと。

想像力の欠如から、相手を失望させてしまうこと。

改善すべき点はいくつもありました。

お客様への愛、相手への配慮をもって、いかに相手に『気持ちいい』と思ってもらえる企画ができているのかを改めて考えさせられたのです。

余裕のある準備、行動というのは、相手を喜ばせたいという気持ちから生まれます。
時間に間に合えばいいという仕事では、相手に感動を生むことはできません。

やっぱり結局のところ、一つ一つが相手への想像力の積み重ねです。
誰が、何を、どうしたいと思っているか?については把握しなければならないのです。

誰かを教育する時、その人がどこにつまづいているのか、ヒヤリングで明らかにできることも多いです。もちろんすべてを知ることはできませんが、相手に寄り添って耳を傾けることは大事です。
そして、何よりも大事なことは、相手に対して愛情を持って、きちんと改善点を真っ直ぐに伝えてあげることです。

本当に真正面に向き合ってくれる人の存在は、人生においてもそう多くはありません。
出来てないことを、真っ直ぐに伝えてくれる人は、人生のことを本気で考えてくれている人でしょう。何となく付き合っていれば、叱ることなんかありません。だから、大事にしなければならないと思います。

「俺は本当に家族だと思っているから。一緒に過ごす時間が長い分、お前のお母さんの代わりに言わなきゃと思っている。ほんとに美味しいで人を感動させたいなら、覚悟決めてやろうよ。」

なぜか、僕が泣いてしまいました。

誰かのために、本気で叱れるか?

昨日のこの出来事は、この会社の強みだと思ったのです。

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