72.テッポウエビとハゼと関係と
汝の隣人を愛せよ、種を超えた愛ってあるでしょうか。
テッポウエビとハゼはよく共存関係をつくります。
テッポウエビは5cm程度の小型のエビです。ですがその名の通り、”打つ”事ができるのです。手から衝撃波を。
人間からしたらパチンという軽い音ですが彼らの住処は水中。衝撃は空気よりも早く重く伝わります。小魚程度であれば気絶していまうとか。気絶したエサたちを細長く掘った巣穴につれこみ、安全に食べるというわけです。かしこい。
そんなテッポウエビは目が悪いのです。以前、鼻についての記事を書きましたがまさにテッポウエビは光ではなく化学物質を頼りに周囲を認識しています。巣穴に潜っている生態なのでまさに必然、あまり目が必要ないのでしょう。
そこでハゼです。テッポウエビは巣穴を掘りますがそこにハゼと同棲することでお互いに利がある関係を結びます。テッポウエビはハゼに巣穴と言う安全を提供し、ハゼはテッポウエビの目になるのです。
巣穴の外を移動するときはハゼが同伴し周囲を警戒します。巣穴の上を警邏する事もあるとか。そして敵が気配がするとテッポウエビに知らせ一緒に巣穴に退避するのです。
さて、利害関係というのはわかりやすく共生を結べますが、それは自然界でもよくあることです。
人間だからこそ利害を超えた関係値を意識していきたいものです。