62.動物たちの可能性(ハダカデバネズミ)
ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)を大切に!
なんとも直接的なネーミングのハダカデバネズミですが、見た目そのままなので仕方ないです。そもそも動物はみんな裸だしげっ歯類の多くは出っ歯だし意外と普通の名前かもしれません(?)。
体長は8cm程度で体重は100gもありません。地下にトンネルを掘ってくらしていて、芋なども食べます。まさにネズミと言った感じですね。
ハダカデバネズミは哺乳類にしては珍しい真社会性の生態を持つ動物です。ハチやアリのように繁殖は女王のみが行い、他の個体は役割をもって種の存続のために動きます。
そんなハダカデバネズミですが、結構能力がすごいのです。
①低酸素に強い
地下でくらすハダカデバネズミにとって低酸素は日常です。そのため身体が低酸素に適応しています。無酸素で18分間経っても生存できるのです。素潜り選手なら最強かもしれません。
②長寿
最大で30年超えです。普通のマウスでも3年程度なので実に10倍。人間だったら600歳くらいいけちゃうのでしょうか。
野生のハダカデバネズミはアフリカに生息しており時折環境が過酷になり、その際は代謝を落とす能力で耐え忍ぶとか。そのため老化耐性があるとの説があるそうです。
③高い癌耐性
なんと発がん性物質をぶっかけてもびくともしない。発ガン誘導を行っても結局癌は見られなかったそうです。
人間からしたら喉から手が出るほどの能力じゃないでしょうか。ハダカデバネズミのように肌も露出していますのでお友達価格でなんとか分けてもらえないものでしょうか。
さて、見た目もかなり異質なハダカデバネズミですが特異な能力を有していました。もしかしたら身近にいる生物、絶滅に瀕している生物、まだ見ぬ生物、もっと面白い能力を持っているかもしれません。そしてその恩恵にあやかれるかも。
「自然を大切にしよう」というのは倫理観で頭ごなしに行っているだけでなく、実益も伴う可能性があるからだと思います。
自然っておもしろい。
以下参考