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「みんなで沿岸部に人工的なレースを編む」 進捗状況2022年5〜10月

こんにちは!プロジェクト進捗状況の投稿です。

●2022年5〜7月 編み方・模様を試行錯誤、廃漁網のリサーチ、8月の展示の準備

レース糸で編み方、模様を検証

先月の検証を元に、上空写真の上に縮尺したサイズの作品を載せてみるべく、レース糸で様々に編んでみました。グラデーションが好きで、数年前編目の密度によるグラデーションを研究していたことがあり、それを参考にしたり、エジングと呼ばれるハンカチの縁取りなどに使われる編み方を参考にしたり。

編目密度によるグラデーションの研究

どうしたら波打ち際のあの白波に見えるのか、それをどこまで再現するのか。抽象的な感じが良い気がしています。そして当初は人間を編目の上に配置して模様の一部にするというアイデアでしたが、こちらも無くしていく方向に。編目の大きさに対して人間のサイズがアンバランスで模様に見えないし、シンプルにしていきたいです。

この検証は”作品”として、絵画や写真作品という点にもこだわってみました。これまでこういった途中段階のものは展示として見せたことがなかったし、資料という側面が自分の中で強く、スチレンボードに貼って見せる..という思考に行きがちだったのですが、見せ方をちゃんと考えればそれも作品になるということが分かってきました。同じアーティストメンバーに普段から絵画の作品を制作している方たちもいるので、作品としての見せ方、額装などを相談していました。こうした他ジャンルのアーティストの知見を得られるのが、TRIPLE C PROJECTに参加してよかった点でもあります。

また、荒浜の漁師さんに作品のプレゼンをし、廃漁網との繋がりがないかリサーチを開始。なかなか大変な道程になりそう…と感じました。
7月、この漁師さんから作品に使えそうなシートサンプルが手に入ったとのご連絡があり受け取りに。気にかけていただいていたことも嬉しかったのでした。

そして6月から防波堤の草の様子をチェックしていくことにしました。チェックポイントは草の青さと背丈です。レースといえば白色。作品が映えるよう、実施期間を見定めていくためです。

6月。仙台方面を望む
成長著しい雑草たち。青々として綺麗
7月



●2022年8月 展示『みんなで思う、感じる、亘理』にて進捗状況発表
会期:8月6日〜8月28日 会場:亘理町立郷土資料館企画展示室

チラシ

3月に続いて悠里館で2度目の展示。今回はアーティストだけでなくプロジェクトメンバー全員による、紹介・発表の場でした。私は自分のプロジェクトのここまでの進捗状況を作品と資料で発表しました。

力石展示風景
アーティストメンバーの助言をいただきながら制作を進めた平面作品。左:上空写真にレース糸を編んで置いてみた、実作品のための検証 右:左作品の編み図
素材のサンプルや技法などのサンプル展示。メモ的なテキストとともに

いつもなりがちな、資料での説明展示に寄らなように、途中経過も作品として、という意識で展示したつもりです。


●2022年9〜10月 亘理駅連絡通路ギャラリーにて展示、新しい技法を思いつく

8月の展示終了後、そのまま亘理駅連絡通路ギャラリーにてアーティストチームの展示が行われました。立派な長いギャラリーで、駅の通路なので関心のあるなしに関わらず目に入ってくる状況での展示でした。

設営の様子

この時期、ふと新しい技法・設置方法が頭に浮かび、また上空写真をプリントして試してみることに。

実際の1/700のサイズで作っています

実際には編んでいないけれど、編んだように見えるやり方です。防波堤の上部と下部に杭を打ち、そこに布を引っ掛けていきながら網掛け模様にしていく計画です。風を中に送って膨らむ布ではなく、薄い1枚の布です。かなり抽象的ではありますが逆にこれが人工的で、シンプルに美しいかなと思いました。
縮尺に基づいてサイズを割り出し、11月にこのアイデアの検証を行うことにしました。

10月の草の様子


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