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資格バトン〜医療ソーシャルワーカー編〜
おはようございます。
前回に引き続き、資格バトンシリーズです。
私の持っている社会福祉士について振り返るといろんなことを思い出し、長文になってしまいました😅
ちなみに前回の記事がこちらです↓
ちなみに、題名にある「医療ソーシャルワーカー」は国家資格ではありません。
医療機関の医療福祉相談室や地域医療連携室に勤務する社会福祉士を「医療ソーシャルワーカー(MSW)」とされています。
「医療ソーシャルワーカー」を、社会福祉士から独立した国家資格にしようとする動きもあったみたいですけどね🙄
前置きが長くなりましたが、本編に戻ります。
デイケアで勤務していた私に、就職して3回目の転機が訪れたのは、1月のある日のことでした。
その日は休みでしたが、午前10時頃に老健の看護師長さんから電話が入り、
「お休みの日にごめんなさいね。大事な話があるんだけど、今から職場に来てもらえる?」
切迫した口調から、何か緊急事態が起きているな…と感じました。
職場に着くと、理事長はじめ、看護師長さんが集まっている会議室に通されて…。
MSWの1人が急きょ退職したことを聞かされました。
詳しくは教えてもらえませんでしたが、どうもあまり良くない辞め方のようで…。
理事長は怒り心頭。
私に向かって、
「あなたは今日からMSWです。直ちに引き継ぎに入ってください!」
組織の一員であること。
急きょ欠員が出たため、補充しなければならないこと。
その補充要員になる資格を私が持っていること。
頭ではわかっていましたが…
デイケアでの勤務にも慣れて、これから研究発表に向けた取り組みをしよう!と同期の職員とも話し合っていた段階で…。
この異動はショックでした…。
けれど、落ち込む暇もないくらい引き継ぎが始まりました😖
入院患者さんやご家族の顔と名前、基本情報だけでなく、医師、看護師、介護福祉士、リハビリ職などスタッフの顔と名前、MSWとしての日常業務を一気に覚えなければなりません🤯
最初の1〜2ヶ月くらいは、業務のことは先輩MSWに、患者さんのことは看護師長さんにその都度聞きながらでした。
1人でどうにか業務ができるようになったのは、3ヶ月目くらいでしょうか😅
ここで、私が勤めていた病院のMSW業務を紹介したいと思います。
①病床管理
②リスクマネジメント
③医療福祉に関する相談
③はわかりやすいと思います。
医療費が軽減される制度を案内したり、退院後に支援が必要な方へ介護保険について説明したりする役割ですね。
医者や看護・介護職、リハビリ職とのカンファレンスや、患者さんやご家族との面談もここに含まれます。
①がすぐわかる方は、病院や入所系の施設で働いた経験をお持ちなのではないかと思います。
私がMSWに勤務することに決まった時、医事課長から言われた言葉が
「入院があるから、退院があるんだぞ」
でした。
何のことかさっぱりわかりません…。
先輩MSWに聞くと、
「病床は、基本的に満床にしておくってこと。次の入院患者さんがいないのに、退院させるなってこと」
と説明されました。
「次の入院患者さんがいない時に、退院したいって希望されたらどうするんですか?」
と質問すると、
「看護師長さんと相談して、時には『もう少しリハビリしましょう』って言って退院を延ばす」
という返答が…。
「では反対に次の入院患者さんが待ってる時に『もう少し入院させてください』って言われたらどうするんですか?」
と質問すると、
「看護師長さんと相談して、入院の必要がなければ早めに退院してもらう」
「だからMSWは、看護師長さんと『どの患者さんを、いつ退院させるか?』を常に話し合って決めておくこと」
「自宅に退院する人は退院日をこちらで調整しやすいけど、転院する人や施設入所する人は急に『○日に入院してください』って言われるから、相手側にしっかり情報収集しといてね」
あー、そういうことですか…。
「患者さん中心の医療」って掲げたところで、入院患者さんがいなければ職員に給料を出せませんものね…。
ドラクエ風に言えば、
『ふるやのもりはモチベーションが50さがった』
ですよ😓
入院待ちの患者さんが少ない時期は、病気になる人を待つようで…😭
入院待ちの患者さんが多い時期は、まるで「そろそろ出ていってもらわないと困るんですがねぇ」と脅す地上げ屋のようで…😭😭
入院されてしばらくは笑顔で会話できていたご家族も、「そろそろ退院を…」と話をした途端に、翌日から私と顔を合わせるのを避けるのも当たり前になりましたね…。
看護・介護職やリハビリ職の方々からも、適切な時期に退院できないと、
「○○さんはすでにリハビリは終了ですが…。まだ退院できないのですか? これ以上入院すると、かえって良くないです」
と何度言われたか😓
それ以上につらかったのは、やはりご家族の方からの言葉です。
こちらが提示した退院日に、
「仕事が休めませんからその日は無理です」
と言われても、こちらも次の入院患者さんが決まっているので、退院を延ばすことができません。
結局無理に仕事を休んだためものすごく不愉快そうに来られ、一度も目を合わせることなく病院を出ていくご家族もおられました。
そんな時、これまで頑張ってきた看護介護やリハビリ職の関わりを一気に壊してしまった…という後悔しかありませんでした。
そんなご家族は退院後のアンケート(理事長に返信)で、
「MSWが家族の事情を理解してくれない」と書かれたときにはもう大変…
理事長室に呼び出され、事情を説明です。
こちらがどれだけ病棟の退院事情を説明したところで、
「そこをうまく調整するのがMSWの仕事だ!」
「昔は病棟の看護師長と医事課でしていた仕事を、あえてMSWを置いているんだ!」
と言われてオシマイです💀
②のリスクマネジメントにもつながりますが、医療費の未払いや家族からの苦情には、ものすごく厳しい病院だったのです。
入院中に患者さんが転倒されることは珍しくありませんが、年に数件、転倒により骨折される患者さんもおられました。
その時、ご家族から
「病院側の責任は…」
という話が出ようものなら、さあ大変!
上層部は、まるで宣戦布告されたような雰囲気になります🌪️
骨折された患者さんが治療を終えて、病院に戻ってきたときのことです。
事務部長が私たちMSWを集めて、こんな質問をしてきました。
「こんな時に、一番に考えなくてはならないことはわかりますか?」
私が「せめて骨折される前の状態にまでリハビリすることですよね?」と答えると、
「違う! 2回目に転倒する前に退院させることだ! 次に転倒したら家族が何を言ってくるかわからないのか!?」
と言われました。
あー、ここでは長く勤めることはできないな…と感じた瞬間でした。
そして、①と②が重くのしかかる中で、③の医療福祉に関する相談も年々疑問に感じるようになりました。
具体的には、
「身体が不自由になった高齢者が自宅でどのように生活をしておられるかも知らないのに、『退院したら○○になると思いますので、△△をしていきましょう』って言って良いのか?」
という疑問がフツフツと湧いてきまして…。
当時、病棟スタッフとは、
『食事、入浴、排泄、移動など、どの行為が自立すれば自宅退院できるのか?』
テーマに話し合ったり、発表してました。
MSWとしては、
『主たる介護者が1人以上いること。そして、その介護者の年齢が若いほど自宅退院が増える』
という、至極当然の結果を導きだしていました😅
ただ、そんなデータを示してもご家族の気持ちは大きく動きません。
よく聞かれたのは、
「うちと同じような家庭ではどうでしたか?」
という質問でしたが、自信を持って答えることができず、
「ご家庭によってさまざまでさから…」
と濁した回答をしていました😖
そして、いくら退院前に私が介護保険の説明をして、リハビリ職と相談した在宅生活の支援計画を伝えても、最終的には担当となった介護支援専門員がケアプランを作ります。
「自宅の風呂に入りたい」
「また近所のスーパーに買い物に行きたい」
そんな希望を叶えるには、やはり個別の「訪問リハビリ」ですね、とご家族と話していても…
蓋を開けてみると、計画されていたのは週3日のデイサービス…
「なぜ?」
と介護支援専門員に問うと、
「自宅で入浴すると転倒して危ないし、デイを利用された方が家族も安心ですよ」
って…😓
ご家族が納得されたケアプランだから仕方ない…とは思いつつも、患者さんはそれでいいのかな?という疑問が消えませんでした。
そんな疑問を持っていたおかげ?で、
介護支援専門員の試験には一発で合格🎉
およそ3ヶ月にわたる実務者講習も無事に終わり👍
プロ野球で言うFA(フリーエージェント)の権利を有した気分になりました。
ゼロから仕事を教えていただき、先輩や同僚に恵まれた職場ではありましたが…
「高齢者が自宅でどのように生活されているのか?」
を知らずに、今のままMSWを続けることは考えられず…。
介護支援専門員として働くことを選びました。
この続きはまた次回に😅
またしても長い思い出話にお付き合いいただき、ありがとうございました🖐️