いま、メディアを立ち上げる理由~BizDevキャリア武田さんインタビュー~
マムズラボの代表を退任し、BizDevキャリアという新しいメディアを立ち上げた武田直人さん。これからのメディアの可能性についてお話いただきました。
メディアでやりたいことは「個のエンパワーメント」
前職を退任後にまとまって時間をとれるようになったので、 最初の2、3週間はずっと本を読んでいたんです。
今まで読めていなかったビジネス書をひたすら読んでいたんですけど、だんだん頭に入らなくなるというか、身に染みない感覚になってきて。
ちょっと物足りなくなってきたんですよね。
だったら、普段からXやネット上で興味のあるキーワードに出会うと、Googleで調べ直す習慣があるので、それをコンテンツにしようと思ったんです。一応文章を書くことはできるし、サイトも作ることはできるので。
名刺代わりになるようなサイトを1つ持っておくと、いろんな方と出会うきっかけにもなるかなと思ったんですよね。
自分に近いジャンルにいる方は、だいたい同じようなキーワードに興味を持ったり、同じようなアクションをするでしょうから。
サイトを立ち上げてユーザーさんが活躍できる場所をつくるということは、ずっと自分がやりたいと思っていて、これまでもやってきたことなんです。
父親が演劇の仕事を続けてきた人間で、広い意味で言うとクリエイター。
父親みたいな、創作活動に関わる人間たちが自分の力で情報を発信していくような場所、環境をつくっていきたいというのは小さいころからずっとあります。
最近の言葉でいえば「個のエンパワーメント」ですね。
それが自分のキャリア観のベースにあります。
新卒の採用面接のときから、今考えるとYouTubeみたいなプラットホームをつくりたいって言っていましたし
マムズラボでも全国各地で活動しているママのフリーランスの方々を集め、その能力やスキルを活かしたビジネスを展開していました。
僕がマムズラボを立ち上げたときは2016~17年のころで
まだオンラインでの打ち合わせも一般的じゃなくて
主婦が在宅で働くということに対してネガティブなイメージもあった時代でした。そういう時代に、ママたちが在宅で活躍できる場所をつくりたいとチャレンジしてきた感じです。
その都度、時代のニーズや社会課題に合わせてジャンルを変えながらにはなると思いますが、「個のエンパワーメント」というテーマに取り組むことは、自分の中で一生変わらないだろうなと思っています。
最初はXやnoteといったサービスを活用して情報発信することも考えたんですけれど、プラットホームに依存しちゃうとその活動の資産が自分自身のものにならないと思ってやめました。
SNS上で自分の発信はできるかもしれないですけど、 自分の発信に興味を持ってくれる方々をネットワークにしていくことはできないですよね。
それに自由度も違います。
”いま”流の記事のつくり方
BizDevキャリアでは生成AIも利用して記事を書いています。
主に使っているのはChat-GPT。
ペルソナをしっかりと設定しておいて、
記事のタイトルは自分で考えながらも、そこからAIにドラフトを作成してもらいます。
生成された文章をもとに、追加すべき情報などをこちらから指定して、再度生成したり、リライトしたりしています。
固有名詞や数字などのファクトチェックは必ず行い、補足の調査のためにPerplexityなど他の生成AIサービスも使います。
インタビュー記事に関しては特に生成AIは使っていません。
自分で取材して自分で書いています。
取材対象に依頼するときには聞きたい内容や書きたいテーマは概ね決めており、タイトル案も取材前に作成し、取材を通してチューニングしていくイメージです。
「いちばん」に思ってもらえるコミュニティサイトになるための施策
・これまで培ってきた人脈を可視化・増強する
BizDevキャリアでは新規事業やM&A、マーケティング、AI/DXなどの分野にフォーカスして情報発信を続け、
そのメディアを介して集まる方々をコミュニティ化していきたいと思っています。
僕自身でもこれまでの仕事を通して培ってきた人脈がありますが
それを可視化・補強していくのが今回のメディアの目的のひとつです。
ここで構築したBizDevにかかわるビジネスパーソンのコミュニティを通して、仕事の発注も受注も生まれるように発展させていきたいと思っています。
・副業・兼業時代の新しいエンゲージメントを考えていく
これからの時代は組織におけるエンゲージメントのあり方が変わってくるだろうと思っています。
これまでは正規雇用というコミュニティが主流で、その中でどうやってそこに所属する人材を結びつけていくか、パフォーマンスを発揮してもらうかが組織における重要なテーマでした。
副業や兼業が当たり前になっていく社会の中で、ひとつの組織に所属するのではなく、複数のコミュニティにまたがっていく所属していくことが当然のことになってくると思っています。
そうした新しい組織への所属スタイルのなかで求められる
新しいエンゲージメントのカタチ
を模索していくのも、やりたいことのひとつです。
・インタビュー記事でオンリーワンになる
BizDevキャリアに一番の愛着をもってもらうための取り組みは
やはり「インタビュー記事」かなと思っているんです。
その記事が、その人を表すような、ひとつの名刺や、プロフィール紹介になってもらえたらいいなと。
自分のことを自分の言葉で発信すると、どうしても誇張っぽくなってしまう面がありますが、BizDevキャリアという第三者の視点からその人の魅力を引き出すようにしたいと考えています。
今は起業家の方やパラレルワーカーの方へのインタビューが多いですが
これからは事業やプロジェクト、あるいはチームにフォーカスしたインタビューも実施していきたいと考えています。
BizDevキャリアのインタビュー記事を起点に人が人を呼んで、広がっていけたらと思っています。
自分としては、Xのフォロワーがすでに数万人もいるような有名人にはインタビューすることはあまり考えていません。そうした人についての記事はネット上にすでにあふれていますから。
それよりも、将来の可能性に満ちていて今後活躍していきそうな方や、これから立ち上がっていくプロジェクトやサービスに着目しています。
BizDevキャリアがそうした存在を先駆けて紹介することで、BizDevという領域に関心のあるビジネスパーソンにとってのオンリーワンのメディアになれたらと思っています。
武田さん、ありがとうございました!