なぜミスが起こるのだろう
職場で事務ミスが起きたので改めてミスについて考えてみた。
ミスが起きるパターン
①勘違い・思い込み(思考段階)
正常性バイアスがかかり、小さなエラーに気付きにくくなる。
人の認知システムによる見違い・聞き違い・勘違いで起こるエラー。
②スリップ(行動段階)
環境が変わっても変化に対応できず、いつもやっている行動をとってしまうことで起きるエラー。くせがぬけないことで意図せずミスしてしまうなど。
③し忘れ(記憶段階)
単純に「忘れること」で起こるエラー。メモやチェックリストを使ったりする対策が有効。
エラーが起こる4つの原因
①そもそもエラーを気にしていない
「管理・組織の価値観」の問題。
バイアス(思考の偏り)、不適切なリスク評価でエラーをそもそも気にしない思考になっている。気付いたら大ダメージをくらいかねない。「これくらい大丈夫でしょ」みたいな甘めのリスク管理マインド。
②そもそもエラーが起きやすい構造
「間違ったオペレーション」「エラーによる教訓が入っていないマニュアル」といった、そもそもエラーが起きやすい状態。そもそものエラーが起きやすい部分の設計を見直したり、エラーを教訓としてカイゼンする仕組みが大切。
③個人の能力・機能低下している
「個人のスキルやモチベーション」の問題。
「慣れ」や「スキル不足」、「疲労・ストレス」「動機付けの不十分」によって起こるエラーパターン。
組織内では②との関連性が大きく、それぞれ対策が違う。
悪い職場環境によってストレスが溜まっていたり、責任感やモチベーションが持てる体制にすることが大切。
④システムの問題
システムを人間が使いこなせていない場合に起こるエラー。操作間違いなど。あらかじめシステムを使いやすい・ミスが起こりにくいように
ミスは職場を崩壊させる
そして何よりも怖いのはミスやエラーが職場を崩壊させかねない怖さ
職場でのミスが発生すると、ミスを起こした人を見下し差別する風潮が生まれてきます。難しい仕事の失敗と違い、単純なミスの場合はミスを起こした人の能力が低いと評価されがちで、ミスをしていない人も駆り出されて処置を強いられます。
そのミスが原因で、ミスした人の評価が下がり差別意識が芽生えると同時に尻ぬぐいさせられる人は被害者感情が生まれます。このように職場で助け合う風土が消えて、「周りを巻き組むな」という利己主義的な組織風土が醸成されることが最も危険なように感じます。