納豆とドリアで朝食を
二〇一七年四月十七日月曜日
晴れのち曇りのち
久方ぶりの朝風呂。朝の雑炊をのんさんは好んでよく頬張った。
夕方くらいから雨が降るという予報。午前中、三輪車をかっとばす。散る前の桜をみようと、なのか、なんでもないときより多いお散歩の方たちをすり抜けしゃーしゃー走る。川沿いをくるりとまわり、公園。芝生のうえを駆け回る。つくしのようでつくしではないマッチ棒のようなあたまの植物をぷちっと摘み、わたしのてのひらに置く。それをみて、同じものをまた持ってくる。七つくらいあったかな、同じという認識ができているんだなーと感心して写真でも撮っておこうと思ったら、のんさんによってばらまかれた。こうして文字をつかって記録しておけばいい。植物にはごめんなさいであるが、学ばせてくれてありがとうである。
芝生のうえをこぎながら、(なんで、ひとは芝生のうえを踏むの?じゃあ、ひとのことも踏んでいいの?)とか聞かれたらどう答えるんだろうと、そんな質問されるのか全くわからないけれど、そんな質問が浮かんでしまって、そんなこと聞かれたらどう答えるかなあ、なんて思う。
曇り空でも半袖がきもちいいなんて、夏が見え隠れしているなあ。
お昼寝のあいだに作ったミネストローネは大好評で、スプーンにひだり手添えて落ちないように口に頬張る。ぱくりぱくりとよくたべる。いつもほんとうはこのくらいたべられるのか、精進精進。
長靴をとても気に入った彼女はお風呂上がりも履きたいとごね、さらには眠る時に脱がせると怒るほどだった。お気に入りを身につけていたいきもち、わかるぞわかるぞ。
夜ごはんは、くるみ和え、豚丼の具、人参しりしり、そばサラダ、鱈の粕漬け、ミネストローネ、ごはん。
☆
深い森へ旅に出ているお姫さまはなにをおいしいと思っていたのか、忘れてしまった。
燃やしていたごおごおと。生きている、そうかんじられるほどに日々ごおごおと心の火種をおとすことはなかった。
磨き続けている大切なものはそっとしまってある。たいしたことないのよ、なんて言いながら。
とある王国の、たいせつな会議に呼ばれた彼女。積み重ねて磨いているうちのひとつ取り出して、「もしもし、これはせかいの光になる種」と差し出した。
彼女の目はきらきらと輝いていた。心はぴかぴかとしている。
「おとぎ話のなにかかい。とってもすてきだね、ありがとう。でも、光ってほんとうにあるのかい。話していることを一言一句正しく書かなくちゃいけないんだ。そんな話はまた別のときに聞かせてくれよ。」
もうこんなことは何度目だろう。いよいよ、彼女は、こうして、彼女は、いま深い森にいる。
☆
はてさて、あいこちゃんにもらった柏餅を夕飯の後にいただく。とってもおいしくておいしくておいしくて、ああつぶあんよつぶあんよと、つぶあんって大好きだなあというきもちになる。
それが思わず言葉になるとこうなった。
ぽ「たべものとともだちになるなら、つぶあんとともだちになりたいな。」
帽「そもそも、その質問がどういうこと。たべものとともだちになるって。」
ぽ「ともだちになりたいと思うくらいおいしい。アニミズムのせかいに生きているとこうなる。」
帽「ずっといたいとかそういうこと?」
ぽ「よっ!げんきー?とか言って会いたい。」
帽「なるほどね。時々たべたくなるということね。だとしたら、(おれは)牛乳パンかな。」
ぽ「いいねいいね。」
こういう会話が成り立つ喜び。
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