児童虐待は増えてる?
千葉県野田市で起きた小4女児虐待死事件から1年、市は担当部署の人員を増やし関係機関と連携し再発防止の強化に取り組みました。その結果、市に寄せられた虐待の通告受理件数は2.4倍と大幅に増えたそうです。
児童虐待見過ごさない 野田市、体制強化し通告2.4倍 人員増、組織間の連携密に
このように体制を強化することによって、なかなか表に出てこない虐待が最悪の結果になる前に食い止められるようになればいいと思います。
さてここに厚生労働省が発表している「相談対応件数」のグラフがあります。
このようにグラフを見ると虐待は増加してるように思えます。メディアやネットでも虐待件数過去最多、増加・深刻化してると報じるケースがあるようです。しかしそれは大きな間違いのようです。
こちらは虐待による死亡児童数です。虐待相談件数は大幅に増加しているのに対し、死亡した子どもの数は横ばいかむしろ減少傾向にあります。
これは何を意味してるかというと、千葉県野田市のように再発防止を強化することによって、今まで表に出てこなかった虐待が表沙汰になるようになってきたこと。そして表沙汰になることが増えたことによって虐待で死亡する子どもが少しずつ減少してるということがいえます。
つまりメディアやネットは虐待の増加・深刻化というイメージを広げ、暴力的で身勝手な親が増えているかのように報じますが、実際は昔から虐待はあったがしかし表沙汰にならなかっただけで、昨今の虐待相談件数の増加が意味するように、現在は少しずつ虐待の実態が表沙汰になりやすい仕組みが整ってきているといえるのではないでしょうか。
社会が虐待とみなす範囲をさらに広げ、また気兼ねなく通告できる体制をつくることによって、今現在も親の虐待に苦しんでいる子どもたちが一人でも多くそして一刻も早く救いだされ保護されることを願ってやみません。