詩『約束』
あの子と僕は仲が良かった。
休み時間は椅子を並べて、お互いにアニメや漫画が好きで、ノートに描いた絵を見せ合って、帰りも一緒に帰って。
初めてラブレターをもらった。
僕の家の近所まで来てくれて、手渡しで、好きだった、付き合うならあの子だと思ってた、その気持ちは変わってなくて。
今あの子はみんなから汚物と呼ばれている。
僕もそれに合わせて汚物と呼んで、別に汚いと思っていないけど、全然本心じゃ無いけど、みんながそう呼び始めたから。
こちらを悲しい目で見ている。
普段は死んだような目をしているのに、ずっと俯いてるのに、僕に対してだけ、時折、辛くなるから、無理だから。
僕も一人だった。
みんなから無視されて、あの子が話しかけてくれるまで、だから、汚物でなくなったら、また漫画の話をするから、約束だから。
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