詩『罪状』
待ち焦がれてもその時は訪れず。
要らぬ気遣いか。
さもなければ勿体ぶった采配か。
呪詛を求めて勤勉に奉仕してきた。
それではまだ足りぬ、ということか。
詰まらぬ状況証拠ばかりが積み上がる。
鏡の向こう側にあった血だまりは乾き、
ケロイドの痕は惨めな線を引く。
青白い顔した陪審員は退屈そうに賽を振る。
それが証拠の全てだった。
言い残すことはないかと問われ、
生まれてこの方、罪とは無縁だが、
もはや有罪か否かはどうでも良かった。
俺はお前たちが飽くまで永久に控訴する。
そして何度でも吊られるだろう、と。
そううそぶいて、
彼は胸に抱いた赤児の首を捻った。