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勝つためにはまず負けろ。
noisy cellsというアーティストの「狂言回し」という曲を皆さんご存知だろうか。
とあるアニメのエンディングで使われているのだが、歌詞がとても印象に残る。
その曲のサビは
「負けなきゃいけない 勝つには
負けなきゃいけない 何度も
負けなきゃいけないってことわかってないね」
となっている。勝たなきゃいけないのではなく、勝つために負けなきゃいけないというのだ。
一見矛盾しているが、理にかなっていると思う。
そう思う理由は2つある。
1つは、自分よりも実力のあるものをやっつけ られるようになることになることが勝利であり、成長であると思うからだ。そもそも今の実力で 勝てる相手のことなどをいくら考えても、何の 足しにもならない。自分よりも上の人間や目標を見据えないと進歩はありえない。下を向いて ダラダラ生きているのは、生を全うしていると 言えるだろうか。
もう一つは、負け方を知っているものこそが 勝ち方を知っていると考えるからだ。世の中には成功法則が山ほど謳われている。
例えば、ビジネス書。私が小さい頃から何千冊もビジネスで成功するための方法が書かれた本が 出版されている。そのなかには、名著と言われるものも多く存在するがこれを読めば必ず何とか なるというものはなかなかない。
これは言い換えれば成功法則は無数に存在する ということを表す。成功するための道筋は無限にあると考えたほうが辻褄が合う。
一方、失敗する方法はそれに比べて圧倒的に 少ない。少ないといっても膨大に要素はある だろうが、成功の要素に比べると格段に数は 少ないはずだ。
となれば、私たちがまずすべきは失敗する方法を学ぶということだろう。失敗する方法が分かれば「成功とはいえないが失敗ではない」という レベルに至ることができるはずだ。そのレベルに至って初めて成功に至るのに必要な要素を考える意味が生まれる。
しかし、私たちは失敗から学ばない。 歴史は繰り返す、という言葉があるように同じ 過ちを何度も繰り返す。これは、失敗する方法を学んでいないことを表す。
失敗する方法を学ぶにはどうすればよいか。
それは、「失敗の記録を取ること」だ。
日々の仕事の出来事や失敗した原因を書き留めて分析する。そして、それを次の仕事に生かす。
非常に手間がかかる作業だ。だが、面倒な作業 だからこそきちんとやれる人は他人と差がつく。時間をかけさえすればできるものなのに、 面倒がってやらないのはもったいない。
この歌の歌詞を最後に載せておく。
「負けなきゃいけないということを
知ったなら
負けてはいけない 今度は
負けてはいけない 最後は
勝たなきゃいけないということを
分かってるから」