誠実さと解散延期の先にあるもの
有料チケット制で無観客ライブやリモートイベントを行うアイドルやバンドが増えている。無料で機会作りをするのも良いが、これだけ自粛が長引いてくるとファン向けに有料コンテンツを充実化させていくのも大切だと思う。
そう、ファンは課金に飢えている。
「推しへの投資→推しを支えている満足感→自己肯定感の向上」これはもう、貢ぐ心理の典型例で一歩間違えたら破滅にしか向かわないのだが、今は誰もがライブ、イベントに飢えている。誰もが貢ぎたくてウズウズしている。そんな中で有料チケット制のライブ、イベントはWin-Winなコンテンツとしてドンドンやっていくべき。
で、そこに5月末で解散を発表していたヴィジュアル系バンドREIGNが、拠点のひとつにしているライブハウス高田馬場AREAで有料チケット制の無観客ライブを配信してくれた。
事前にチケットとプラスしてお布施的な投げ銭も追加できる仕様で、元値が2200円と安い分、気軽に上乗せしてチケットを買ってしまう。しかも、この配信で使っているサイトの画質がかなり綺麗だった。
リアルタイムのコメントと投げ銭機能もあって、かなり良いストリーミング配信だった。YouTubeのスパチャ機能とかも優秀だけど、小規模でも活用できるこういうサイトとかサービスは今後、どんどん増えそう。
ライブはセトリにいい塩梅で好きな曲が入っていて楽しく視聴できた。
とりあえず『VENOM』やってくれると嬉しい人間。
そして、ライブ後にトークコーナーがあって、そこで現状への言及と共に5月30日の解散に向けて予定していた全国ツアーも出来ないから、ツアー延期と解散延期が発表された。「ツアー自体、いつ出来るか分からないけどキチンとライブやって解散する」という言葉、すごく誠実だなぁと思った。
「このまま7周年まで解散せずに行っちゃったりして」
なんてことも笑いながら言えるバンドの状態だというのが安心できる。なし崩しで解散撤回は? とも思ったけど、どうなんだろうか。この日もぶっちゃけて「これ以上売れそうにない」と解散理由を言っていたけど、前も書いたがアフターコロナ(withコロナ)の世界では売れる売れないの概念も変わるかもしれない。
だったら自分たちの居場所をしっかり作って活動することが重要になってきたりするようにも思うのだ。箱のサイズがどうとかも関係なくなる可能性もあるんじゃないだろうか。
すでに気持ちが先へ向かっているメンバーもいるかもしれないけど、それだって今の状況じゃ動くのも難しい。であれば、もう一度このまま続けて新しい道を探すのも良いんじゃないかなぁ。なんてことを未練がましく思ってもみた。
だって、やっぱREIGNいいバンドだもん。