初顔ライブ
新歓ライブが終わって体は更に悪化してた。
安静にしてたつもりだったけど全然出来てなかった。そして医者に入院するように言われた。
そうでもしないと安静に出来ないだろうと。
でも断った。辞めるつもりは全く無い。
その事を告げると医者から考えが甘いと怒られた。
「本当に歩けなくなった時に周りの人は責任取ってくれるのか。死ぬまで介護してくれる人はいるのか。一時の感情で将来を無駄にするな。」
言い返せなかった。別に歩けなくなるなんて思ってなかったし、周りの人に責任取らせるつもりなんてなかった。
それでも本当に歩けなくなったら周りの人は少しでも責任を感じてしまうかもしれない。
それは嫌だった。だから入院しないけど安静に出来る方法無いか聞いた。
めちゃくちゃ都合の良い話し。
入院しない為の条件
1日6時間睡眠
走らない、暴れない、動かない
夜活するなら最高2時まで3時にはベッド
週1で完全に休む日
本当に動かない
でも、無理、やらないと禁止
絶対安静
回復と行動の兼ね合い
バランスの取れた食事
週3で通院
多っ!普通の大学生なら出来るかもしれないけど、この部活動でこの条件はかなり厳しかった。
周りをどれだけ信頼して頼って動かさないといけないのか。月曜日が授業も無い日だったからその日を完全に休む日にしようとか色々考えてたけどずっと俺は病んでた。
何もしてなくても体がずっと痛いから気が休むことがない。気分転換しようとしてもずっと痛いから頭から離れない。
しかもこの時くらいから寝れなくなった。
同じ体勢でいられないし寝返りすると痛くて起きてしまうがんじがらめ状態で全然寝れなかった。3時間寝れれば言い方だったから毎日そんな感じで心体ボロボロだった。
そんなことを誰にも言わなかったけど周りも気付いていたと思う。隠せるレベルじゃなかった。合宿責も元々は3年生がデスコとひんと俺だったけど皇太子に代わってもらった。
俺は嫌だったけど満場一致で代わった方がいいって言われた。
この時はだいぶ不貞腐れてた。体を受け入れてないからとにかく自分を責めた。
3年生でこんなことしか出来ないなら要らないじゃん。結局足引っ張ってる。そんなことしか思えなかった。めちゃくちゃメンヘラだな。
責任感が強くてってことにしておこう。
初顔ライブが始まる前にレジスタリーグに参加した。新歓前に落ちたからやっと出れるって状態なのに何も考えられなかった。
ずっと病んでる状態でレジスタの会場に向かっていた。続けてても迷惑しかかけてないとかずっと考えてた。カナディアンロッキーの2人とたけしと向かってたけど歩くスピードに付いていけなくて少し離れたところにいた。
その時にボラから今日のわが友が送られてきた。
凄い力もらった。とにかくやるしかない。
辞めたくないのならもがくしかない。
そんな思いで始まったレジスタリーグ。
ヤマアラシはAリーグに上がることが出来た。
ギリギリだったけど上がれた。Aリーグに上がったことで次のレジスタにも呼ばれるので入院出来ない口実が作れた。
とにかくやりたいからやる。体をついてこさせる。パッションでなんとかやっていけると思ってた頃だった。
しかしすぐにそれは崩れた。
初ネタ見せ前日に障害のことが親にバレた。
言ったの誰だよって思ってたけど折伏相手の仁くんだった。
親にめちゃくちゃ言われた。まぁ側に居ないから分かるけど今は勘弁して欲しかった。
長いお説教の末に部活はもう辞めた方がいいって言われた。
無視無視。とにかくライブ終わったらちゃんと話すからとだけ言った。終わったかもしれない。その時はそう思った。先輩に電話して慰めてもらったけど明日ネタ見せする気力が根こそぎ持ってかれた。
まぁ俺の運が良いのは自分が悩んでる時に都合よく病んでる子達に出会う。
まっつんとか初ネタ見せ直後のアナログとかミントとか。その度に俺は余裕面で励ます。
特にミントはこの時落研を続けるかを悩んでた。本人は続けるって言い張ってたけど俺は止めた。ミントの強がりが自分と全く同じだから。確かに続けたい気持ちはめちゃくちゃ分かるけど止めた。
このまま続けて無事に3年間やり切れないことが分かっていたから。ミントも気付いてたけど認めたくないよな。結果落研から離れたけど辞める決断が出来たのは言い方良くないけど凄いことだ。俺は出来なかったことだから。
それでもこの前、ミントと話して立派に強くなったことに安心した。落研の1年半があったからって言ってくれたから良かった。
話しがちょっとずれたけど俺は自分の周りを病んでる子で固めようとした。そうすれば自分が無意識に余裕面するから少しでも楽になれるかと思ってた。
まぁ結局上手くいかなかったけど。
中間見せ後ヒキガネオーディションがあった。連続の外でのライブで俺の体は新歓より早く動けなくなった。まだ中間ネタ見せが終わったくらいでまだ2週間近くあるのに限界になった。
寝れない。体が痛い。この2つが本当に苦しかった。3食報告も相変わらず続いていてどうしても食べたくなくて初めて偽りの写真を送った。するとすぐに返信が来た。
「本当に?」この鬼には勝てないと思った。
結局食べなきゃいけない状態と恐怖を植え付けられたからとにかく食べた。
病院に週3で行ってたがそれじゃ体が保たないと思って週6にした。腰が特に酷くてその影響で足がどんどん悪くなっていた。
膝から下が血通ってないのかってくらい冷たくなった。状況は悪くなる一方。
病院で治療されてると親から福岡に帰ってくるように言われた。少しだけでもいいから話しがしたいと。病院からは安静にしなさい。親からは帰ってこい。
全部無視無視。
というわけにはいかないからライブが終わったら帰る約束をした。
出番は1日目のみ。結局体のことを考慮されて合コンに選ばれなかった。
アナログめ。初ネタ見せ終わりめちゃくちゃ慰めたのに。無理な体と分かってたのに出たがってたあの時の自分にびっくり。
1日目を終えて2日目はアジりの指示をしているとED映像の指針が間違ってることに気付き本番裏でずっと編集してた。
めちゃくちゃギリギリ。あと10秒遅れてたら流せてたかってくらいだった。ボラとうーぱんと3人でギリギリセーフって少しはしゃいだ。
けどこの時改めて感じた。今回ほとんど動けずに後輩達を苦しませてしまった。
3年生は班に俺しかいない。
新歓はまきょがいたから何とかなったけどやっぱり俺がしっかりしなきゃ。
自分に代わりはいない。あんま良くない考えだったけどそうやって自分を追い込まないともう動けない。とにかく自分に圧をかけた。
そして初顔ライブが終わり、今度は家族との問題。辞めるつもりは無いから落研でどうなりたいのかを改めて考えた。
自分の意志が体の障害で歪みまくっていたが正直に言って解決するしかないと思ったからライブ終わってすぐに帰った。